メーカーの商品情報を流通各社ごとに自動変換
作業負荷を減らしつつ正確なデータを迅速に提供

メーカーが各卸・流通企業に対して行う商品情報の提供作業は、その負荷が高いことが積年の課題であった。作業負荷を大幅に削減し、正確な商品情報をスピーディーに提供する画期的なサービスが誕生した。大日本印刷が提供する本サービスは、メーカーはもちろん、卸や流通企業のDXを促進し、ビジネス機会の拡大を支援するはずだ。

日経MOOK『店舗DX 2022』(日本経済新聞出版 編)より転載。
※当記事は、日本経済新聞出版の許諾を得て転載しています。
掲載日:2022年3月23日

メーカーの商品情報を必要なデータ形式へ自動変換

 顧客ニーズの多様化やライフサイクルの短期化によって、小売店で取り扱う商品の数は増加の一途をたどっている。さらにEC市場の拡大や販売チャネルの増加によって、メーカーには各チャネルに対し、迅速な商品提供が求められている。そうした背景から、メーカー・卸企業・流通企業間で授受すべき商品情報は膨大な量に上り、さらにそれをスピーディーかつ正確に提供する必要性が高まっている。
 商品情報を入稿するフォーマットは流通企業ごとに異なるため、メーカーは、各社のフォーマットに合わせてデータを作成する必要がある。その作業負荷が高いことが従来からの課題であったが、足元の市場環境や働き方改革の推進などを鑑みると、この業務の効率化は、もはや待ったなしの状況といえるだろう。

LaConnect(ラコネクト)の概要

LaConnect(ラコネクト)の概要

 その課題解決の強い味方になりそうなのが、大日本印刷(DNP)が2021年9月にリリースした『DNP商品情報変換配信サービスLaConnect(ラコネクト)』だ。「『ラコネクト』は、メーカーが入稿する商品情報を、流通企業各社が求めるデータ形式へ自動的に変換し出力するサービスです。商品情報の入稿業務におけるメーカーの作業負荷を大幅に削減し、よりスピーディーで正確なデータ提供を実現します」と開発に携わった同社の豊田亜希恵氏は語る。

 『ラコネクト』の概要は図表の通り。メーカーが商品のスペックや画像など、自社の商品情報を『ラコネクト』に登録した後、各流通企業のフォーマットを登録することで、両者をマッピングし、各フォーマットに商品情報を流し込んで出力することができるようになる。『ラコネクト』で一元管理したメーカーの商品情報をさまざまなフォーマットに流し込めるので、メーカーは煩雑なフォーマット作成業務から解放される。流通企業は、新たな負担が発生することもなく、メーカーが手作業で入力したものより、正確な商品情報を、スピーディーに入手できる。

商品マスタとしても活用可 直感的に使える操作性追求

 「『ラコネクト』はフォーマットを統一するのではなく、メーカーの商品情報を各流通企業のフォーマットに合わせてマッピングするので、メーカー・流通企業双方にとって使い勝手がいいと思います」と語るのは同社の高松陵介氏だ。
 『ラコネクト』の機能は大きく4つある。「商品マス夕管理機能」は、商品のスペックや画像などのデジタルコンテンツをアップロードし、商品マスタとして一元管理する機能である。「中小のメーカーさまなどでは、商品情報のマスタ化が進んでいないところも少なくありません。『ラコネクト』を導入すれば、商品マスタとしても使えるので重宝すると思います」(高松氏)
 「流通企業フォーマット管理機能」では、各流通企業のフォーマットを登録し、フォーマット自体と各項目を管理することができる。
 「マッピング機能」は、各流通企業のフォーマットの項目と、メーカーのマスタ項目を紐づける機能である。
 最後に「流通企業提出フォー マット出力機能」では、メーカーの商品情報を流し込み、エラーチェックした上で、フォーマットを出力することができる。「流通企業のフォーマットは定期的に改版されますが、それにも柔軟に対応できる仕組みにしました。また実際に『ラコネクト』を操作するのは、メーカーの営業担当者さんが中心になるので、ITの専門知識がなくても直感的に使えるよう、ユーザビリティにはこだわりました」(豊田氏)

実証実験では50%以上の削減効果も

 『ラコネクト』が実現する商品情報入稿業務の効率化は、メーカーにとっては積年の業務課題であるものの、莫大なコストをかけて解決すべき分野ではない。その点『ラコネクト』は、初期20万円+月額5万円から利用することができる。
 「このサービスは、約3年前から検討を進めてきました。2019年には実証実験を行い、50%以上の業務削減効果が見込めるとの結果を得ています。また、プロトタイプを展示会に出展し直接メーカーに課題やニーズ、価格感などをヒアリングすることで、より費用対効果の高いサービス開発を目指してきました」(高松氏)
 導入効果が期待できる企業は、食品や飲料品、日用品などのメーカーをはじめ、アパレルや出版社など多岐に亘る。「今回リリースした『ラコネクト』は、メーカーさまをターゲットにサービス提供していますが、将来的にはメーカー・卸企業・流通企業の業務効率化を一気通貫で実現できるよう、サービスを拡充していきたい」と豊田氏は今後の展望を語る。ビジネス機会拡大の一歩として、『ラコネクト』導入による商品情報入稿業務の効率化を実現してほしい。

高松 陵介と豊田 亜希恵

情報イノベーション事業部 DXセンター デジタルマーケティング本部
企画開発部 第2グループ
(左)リーダー 高松 陵介(右)豊田 亜希恵

「このコラムで紹介した製品・サービス」

その他のコラム