今注目を集める紙包材の最前線とは?グローバルでの最新事例・紙包材の特徴を解説!

生活者の環境意識が高まる中、さまざまな業界においてプラスチック容器からの脱却が進んでいます。そのような中、包装分野でプラスチックを代替する製品として注目を集めているのが「紙容器」です。カーボンニュートラルの実現に向けて紙資源を利用する「紙化」の動きはひとつのトレンドとして世界的な潮流となっています。

本稿では、紙化が進む海外において取り組まれている、最新の事例を紹介します。また、当社が開発した紙化の動きに対応可能な「スーパーハイバリア紙包材」についてもあわせて紹介いたします。

※2022年8月時点の情報です

「紙化」の最新事例紹介

近年では、スーパーマーケットなどで紙素材を利用したパッケージを見る機会も少しずつ増えているのではないでしょうか。一方で、海外では日本国内よりも紙化の動きが進んでいます。以下では、紙化が進む海外におけるパッケージの活用事例を紹介します。

事例1:調味料包装パッケージの紙化

世界中で高いシェアを誇る食品メーカーでは、ココアパウダー商品や、スナックバー菓子など、自社製品の幅広いパッケージに紙素材を利用し、リサイクル性を高めています。その中でも、同社は全世界で販売されているコンソメキューブについて、2020年にフランスを皮切りにラミネート包材から紙ベース包材に切り替えました。コンソメキューブのように長期保存が必要であり、かつ湿度管理も重要であるパッケージに紙素材を利用することは一つのチャレンジといえるでしょう。

事例2:炭酸飲料ボトルの紙化

アメリカの大手飲料メーカーでは、プラスチック容器の廃止に向けた長期計画の一環として紙製ボトルの開発を進めています。
その中でも、炭酸飲料については耐圧性などの観点で紙化の難易度が高いといえます。炭酸飲料は圧力をかけてボトル内に炭酸を閉じ込める必要があり、その内圧に紙製ボトルが耐えられなければなりません。
同社はパートナー企業とともに長年研究を進めることで、耐圧性を高めた紙製ボトルを実現。2021年、ハンガリーで販売されている同社の炭酸飲料に、試験的に紙製ボトルを採用しました。
このように、今後飲料容器に対しても幅広い商品を対象に紙化の動きが進んでいくと思われます。

事例3:ケチャップ容器ボトルの紙化

また、ある大手食品メーカーでは、ケチャップボトルに紙を採用できないか検討を進めています。2022年、同社では紙素材を利用したケチャップボトルのプロトタイプを開発し、今後消費者向けを含めてテストを進めていく予定です。
同社のCEOは「持続可能なパッケージの提供は我々のブランド価値を高め、消費者から選ばれるために必要である」と考え、2025年までにすべてのパッケージをリサイクル・リユースもしくは堆肥化可な素材とすることを目指しています。ケチャップボトルだけではなく、今度はさまざまな製品に紙をはじめとした素材を活用していくとしています。

これらの事例からも読み取れる通り、従来では紙容器の利用が難しいと思われた商品にも紙化の動きが進んでいます。

スーパーハイバリア紙包材とは

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海洋プラスチックごみ汚染や地球温暖化といった社会課題が注目を集める中、脱プラスチック・脱炭素社会の動きはますます加速しています。上述した事例が示す通り、従来のプラスチック素材を用いたパッケージから、別の素材への切り替えは加速していくと思われます。
このような流れを受けて、DNPでは紙資源を活用したパッケージ素材「スーパーハイバリア紙包材」を開発しました。スーパーハイバリア紙包材は環境配慮型のパッケージです。独自のコンバーティング技術による紙とフィルムの2層構成で、紙を使用しながらも蒸着PETフィルムと同等のバリア性を有しています。さらに再生可能資源である紙を使用することでプラスチック使用量を削減できる点もメリットです。

スーパーハイバリア紙包材の特徴

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紙マークの付与が可能

スーパーハイバリア紙包材は紙の重量比を50%以上としており、容器包装リサイクル法で「紙製容器包装」に分類されるため紙マークの付与が可能です。同容量のプラスチック製容器包装と比較して、リサイクル費用を約1/40に削減することができます。さらに、蒸着PETやアルミ箔を利用した一般的な仕様と比較して、スーパーハイバリア紙包材はCO2排出量を約30~45%削減※1することができます。

  • 1当社比較

プラスチック使用量・CO2排出量を削減

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スーパーハイバリア紙包材はアルミ蒸着PPフィルムと紙素材の二層構造となっています。これにより、ライフサイクルアセスメント(LCA:Life Cycle Assessment)におけるCO2排出量を大幅に削減可能です。
具体的には、アルミ箔を含む通常の仕様と比較して、プラスチック使用量を重量ベースで約43%、CO2排出量を約45%削減することができます。さらに紙マークを付与できる紙と蒸着PETフィルムの仕様と比較しても、プラスチック使用量を重量ベースで約28%、CO2排出量を約32%削減可能です。※2

  • 2いずれもDNP試算値

デザイン

スーパーハイバリア紙包材の特徴は環境配慮性や高いバリア性だけではありません。その高いデザインも魅力の一つです。
スーパーハイバリア紙包材であれば、紙ならではの素材感を活かしたデザインが可能。これまでのプラスチック製パッケージと比べて風合いが大きく異なるため、ぜひサンプルを実際に確認してみてください。
さらに、生活者に対して、製品が環境へ配慮されていることが伝わりやすいパッケージを実現できます。近年では、消費者の環境意識の高まりから、環境への配慮が目に見えることは選ばれる商品となるための一つの要素といえます。スーパーハイバリア紙包材により、生活者の環境意識に刺さるデザインが可能となります。

ラインアップ

スーパーハイバリア紙包材は「白」と「茶(クラフト)」の色を使用できます。
また、形状としてはピロー袋・スティックピロー袋・チャック付き四方袋・チャック付きスタンド袋など幅広い形状に加工可能です。
内容物によってはスーパーハイバリア紙包材の採用に向かないケースもあるため、詳しくはお問合わせをお願いします。

まとめ

本稿では、紙化が進む海外における最新事例とともに、当社が開発した紙化の動きに対応可能なスーパーハイバリア紙包材の特徴などについて紹介いたしました。
紙化の動きは今後ますます広まっていくことが予想されます。自社商品に紙包材が利用できないか、一度検討してみてはいかがでしょうか。

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