油を使わず錆から守り、中身も見える

DNP防錆性フィルム

DNPのハイバリアフィルム技術で酸素・水蒸気の透過を防ぎ、長期間保管や長距離輸送において製品を錆(さび)から守ります。防錆紙や従来の防錆フィルムと異なり、透明で中身が見え洗浄工程が不要になるのが特長です。

DNP防錆性フィルムの機能イラスト

DNP防錆性フィルムの4つの特長

錆を防ぐ機能

錆は水と酸素が要因で発生します。空気中に水蒸気が多く含まれる高温多湿な環境では特に錆が発生しやすくなります。
DNP防錆性フィルムは、DNPが開発した高い透明性とバリア性を有する透明蒸着フィルム「IB-FILM※1」を用いたラミネートフィルムです。優れたガスバリア性能により、錆の要因である酸素と水蒸気の侵入をブロックします。
高いガスバリア性能は密封状態が維持されれば長期保存を可能にします。
高い透明性は開封せずに内容物の確認が可能です。

DNP防錆性フィルムの構造図

基本的な仕様では、最外層に酸素と水蒸気をブロックするIB-FILM、中間層に外部からの衝撃に対応する保護層フィルム、最内層にシーラントフィルム(接着剤なしに、加熱することで圧着することができるフィルム)を配置した3層構成のラミネートフィルムとなります。
製品に接する最内層には半導体向け包装材にも用いられる添加剤レスのフィルムの選定もでき、内容物を清潔に包むことを得意とする設計となっています。

※1 DNP透明蒸着フィルム IB-FILM®:DNPが開発した透明蒸着フィルムで高い透明性とバリア性を有することで内容物の劣化を防止します。用途は食品関連、高機能材料関連、エレクトロニクス関連、メディカルヘルス関連等多岐にわたり、20年近い採用実績があります。

特長1) 透明で中身が見える

DNP防錆性フィルムは高い透明性を有しているため、内容物が梱包の外から視認することができます。
出荷・受け入れ、税関検査などの際に開梱することなく内容確認が可能です。
船舶輸送での輸出入や港湾倉庫での長期保管において利便性の高いフィルムです。

DNP防錆性フィルムの活用シーンイメージ(中身が見える)

特長2) 作業効率を向上

〇梱包時
 軽く脱気して袋に入れ、密閉することで水蒸気、酸素の侵入を防ぎます。
 真空脱気や油剤の塗布は不要なので、梱包時の作業負荷を軽減します。
 また、包装機導入による作業効率向上もご提案可能です。
〇開梱時
 開封後の洗浄等が不要なので、開封するだけで製品の使用が可能です。

特長3) 環境に配慮

気化性防錆剤や防錆油を使用せず、バリアフィルムのガスバリア性によって防錆機能を発揮するため、製品にフィルム由来の添加剤や油が付着せず、脱脂や洗浄は不要です。工数削減に寄与するとともに環境に優しい製品と言えます。
また、「DNP植物由来包材バイオマテック※2」を使用すると、石油資源の使用量を削減し、製品のライフサイクル全体でCO2の削減に貢献します。
LCA(ライフサイクルアセスメント)※3の試算も可能ですのでご相談ください。

※2 DNP植物由来包材 バイオマテック®:サトウキビから砂糖を精製した際の副産物(廃糖蜜)を原料の一部に使用して、 石油資源の使用量を削減します。

※3 LCA:製品・サービスのライフサイクル全体(資源採取―原料生産―製品生産―流通・消費―廃棄・リサイクル)またはその特定段階における環境負荷を定量的に評価する手法で環境負荷をより包括的に把握する手法として注目されています。

特長4) オーダーメイド(受注生産)

お客さまの製品の形状や大きさに応じて、下記のような包装形態をご提案しています。
下記のサイズを最大として、仕様を確認のうえお見積りいたします。

DNP防錆性フィルムの形態

必要に応じて、お客さまの製品を用いた保管試験、輸送試験を行い、実際に防錆効果が発揮されているかをお客さまと一緒に検証します。

さまざまな防錆技術とDNP防錆性フィルムの比較

防錆技術の特徴比較表

画像クリックで拡大

製品の性能

一般的な金属板(SPCC、冷間圧延鋼板)を用いて、DNP防錆性フィルムと一般ポリエチレン包装材にそれぞれ包装したもの、何も包装していないものを高温高湿条件下で保管試験を実施しました。

試験条件:金属材料(SPCC)を封入、40℃90%RHの高温高湿庫に45週間保管、目視にて錆を評価
※本試験はあくまで実測となり、実際の性能を保証するものではございません。

金属材料を高温高湿環境で長期保管した加速試験の結果画像

防錆フィルム性能試験の結果一覧表

45週間経過後、SPCC単体(包装なし)では全面に錆が発生、一般ポリエチレン包装材(バリア無し)では点錆が発生、DNP防錆性フィルムに封入したものは変化なし、という結果でした。
お客様が想定の金属材を用いた実測試験も可能です。実際の効果に興味のある方は気軽にお問合わせください。

ご提案から生産までの流れ

DNP防錆性フィルムは、お客様のご注文による完全受注生産になります。お客様の製品の材質や形状、実際の輸送スキームをお伺いした上で仕様構成を検討し、1点ずつオーダーメイドで生産します。
※以下の流れは一例です。実際にはお客様の状況により、ステップが前後する場合があります。

オンラインセミナー アーカイブ

2023年8月7日に実施したオンラインセミナー『DNP P&Iセミナー 新しい防錆包装とリサイクルについて』では、日本防錆技術協会の講師で、弁理士でもある土屋 博隆様をお招きしご講演いただきました。また「DNP防錆性フィルム」についてもご紹介しました。こちらから動画がご覧になれます。


動画:DNP P&Iセミナー 新しい防錆包装とリサイクルについて(46分57秒)


【INDEX】
  0:50~ 講師紹介
◇新しい防錆包装とリサイクル (土屋様ご講演)
  2:50~ 錆のメカニズムと防錆方法
 11:40~ 防錆フィルムとは
 18:00~ プラスチック容器・包装の環境対応
◇製品紹介/質疑応答
 31:45~ DNP防錆性フィルムのご紹介
 38:15~ 質疑応答


講師:土屋博隆様

1978年DNP入社。一貫して包装材料の加工技術及び新規包装材料の開発に従事、具体的にはフレキシブル包装材料・液体紙容器・透明蒸着等の開発やフレキシブルパッケージのLCA評価を行った。この間1998~2004年は包装研究所所長を務める。
2015年退社後、日本包装コンサルタント協会に入会、2016年弁理士登録を行い現在弁理士として特許関連業務を行いながら、日本防錆技術協会の講師として講演や各種包装関連講習会の講演を精力的に行っている。

資料ダウンロード

ダウンロード資料にてDNP防錆性フィルムの効果や包装形状・最大サイズ等を紹介しています。
・錆(さび)が発生しやすい環境
・錆の実例
・錆の要因(水分、酸素)を抑制する「防錆包装」
・DNP防錆性フィルムとは
・バリア包装による水分侵入変化/湿度定量検証
等詳細情報がご確認いただけます。是非以下よりダウンロードしてください。(PDF形式 12ページ)



導入事例

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お話を伺った営業部 部長 菊地 太樹様

大学や企業の研究所、官営の研究機関などからのオーダーに応え金属箔やその加工品などを納入されている同社では、金属箔納入時の梱包用としてDNP防錆性フィルムをご採用くださっています。
品質管理へのこだわりと採用の経緯、導入後に社内に起こった変化などお話を伺いました。

未来のあたりまえをつくる。®