パーソナライズド動画は簡単に作成できる?
作成・配信サービスの選び方

前回のコラム(動画マーケティングの効率化に必要なツールとは?ツールの種類と選び方を解説)でもご紹介した通り、パーソナルコミュニケーションに動画コンテンツを取り入れた、パーソナライズド動画が注目されています。動画コンテンツの作成や配信自体は、ツールやサービスを利用することで効率化できるようになっています。しかし、顧客一人ひとりに合わせた動画を作成・配信するとなれば、そのようなサービスを使ったとしても、手間が非常にかかるように感じられるかもしれません。このコラムでは、自社内のリソースを活用し、効率的にパーソナライズド動画を作成・配信するサービスとその選び方をご紹介します。

1. パーソナライズド動画とは?他の動画との違いは?

1-1. パーソナライズ動画とは

パーソナライズド動画とは、顧客一人ひとりの属性や購買行動などにあわせて、個人名を挿入したり、提示するメッセージやサービス内容を変更するなど、個人向けに最適化された専用の動画のことを指します。
市場の成熟や購買行動の変化などにより、One to Oneのコミュニケーションが普及しつつありますが、そこに、情報量が多く、顧客の興味をひきやすい動画を組み合わせたマーケティング手段です。

1-2. パーソナライズド動画の効果と利用場面

それでは、どのような場合にパーソナライズド動画が、適しているのでしょうか。
通常の動画マーケティングでは、顧客全般に向けて、商品の使い方や複雑なサービス内容を説明したり、企業やブランドのイメージを伝達するのに用いられます。一方で、パーソナライズ動画は、顧客一人ひとりの属性や嗜好に合わせた動画となり、そのために顧客に「自分ごと」として認識させることができます。
具体的には、以下のような場合に、特に効果を発揮します。

個人の属性や趣味嗜好によって、提案したいサービスが異なる場合

例えば、旅行や不動産は、顧客の性別や年齢、家族構成や趣味嗜好によって、最適な提案内容が異なります。顧客側は、自分の名前が入っており、自分専用に提案された動画を見ることで、特別感を感じ、ロイヤリティを高めることに繋がります。

顧客ごとの契約実態に応じて、効果的にアップセルを行いたい場合

保険や金融商品は、個々人によって契約内容が異なり、同時に補償内容やサービス内容が複雑です。顧客側は自分の契約実態を動画によってわかりやすく理解すると同時に、自分の今の状態にあわせたサービスの提案を受けることにより、サービスプランの変更などアップセルに繋がる可能性が高くなります。

顧客の興味を引き、動画クリック率やコンバージョン率を高めたい場合

例えば、顧客やその家族の誕生日など、特別な日に個人の趣味・嗜好や属性に応じた商品紹介を行うことで、顧客の興味を引き、動画のクリック率や製品サイトへの遷移を高めることが期待できます。

2. パーソナライズド動画の作成・配信サービスとは?選び方のポイントは?

2-1. パーソナライズド動画の作成・配信サービスとは

このようにパーソナライズド動画は、マーケティング効果が高いものですが、顧客数に応じた、大量の動画を作成・配信することが必要となるため、動画作成・配信サービスの利用が不可欠です。
これらのサービスでは、自社内に蓄積された顧客の属性情報や、Webの閲覧履歴などの顧客データをもとに、画像や音声、メッセージなどの素材を組みあわせて、動画を自動で作成・配信します。また、作成した動画を最適なサイズに圧縮して配信、さらに配信後の動画へのアクセスデータを収集・分析をすることができます。そのため、自社内でパーソナライズド動画の作成から配信、効果測定までを簡単に行うことができます。

2-2. 選定のポイント

動画作成・配信サービスといっても、それぞれに特徴があります。パーソナライズド動画の作成・配信サービスを選定する場合、以下の確認が必要です。

セキュリティは確保されているか

顧客の個人情報をもとに動画を作成するため、セキュリティは最も重要です。作成された動画データの保存場所が、セキュリティレベルの高い信頼できるサーバーであるのかを確認してください。
また、クラウドサーバーを利用し、手軽に利用可能なクラウド型だけではなく、自社内のサーバーに組み込む、よりセキュリティの高いオンプレミス型の両方があります。自社のセキュリティレベルにあったサービスを選定するようにしましょう。

リアルタイム動画生成やインタラクティブ動画に対応可能か

パーソナライズド動画は、あらかじめ作成したものを配信する場合だけではなく、動画を視聴している動画プレーヤー上でリアルタイムに生成可能なものもあります。
後者の場合、顧客がその場で入力した情報をもとに即時に動画を作成することが可能です。また、視聴している動画プレーヤー上で生成・配信するため、サーバー上に個人情報の入った動画が残ることがなく、セキュリティ面でも安全です。

動画上でクリックすることにより、表示する内容を変えたり、動画内で入力を行ったり、というインタラクティブ動画に対応しているものもあります。自社の製品やサービスにあった形態の動画が作成可能かも確認してください。

柔軟なカスタマイズに対応可能か

顧客体験改善プランの中で、どれだけきめ細かいパーソナライゼーションを実行しようとしているかによって、対応できるベンダー/サービスも絞られてきます。レベルの高いパーソナライゼーションを実行したい場合は、クラウドサービスの既存機能では対応しきれないことも多いため、カスタマイズに柔軟に対応できる、開発力のあるベンダー/サービスを選定するとよいでしょう。

自社が求める配信先に対応しているか

Webサイトへの配信だけではなく、メールやSNSへの配信など、自社が必要とする配信先に対応しているかどうかも確認しましょう。

動画視聴データも収集可能か、MAツールなどの社内システムと連携可能か

配信した動画に対する反応をデータとして収集・分析可能かも確認しましょう。また、収集したデータをもとに、MAツールでメールを配信したり、逆にMAツールからのデータをもとに、パーソナライズド動画を配信できるものもあります。社内で利用しているシステムやツールと連携できるか確認するようにしましょう。

2-3. サービス紹介

パーソナライズド動画を作成できるサービスをご紹介します。

Vpersonal (ピーシーフェーズ株式会社)

Vpersonalは、Web閲覧履歴や購買履歴、顧客属性といった顧客情報に応じて、個人にあわせたパーソナライズド動画を自動生成できるという、標準的な機能を搭載したサービスです。
Webサイトだけではなく、動画メールやアプリのプッシュ通知、SNSまで、幅広い配信先に対応しています。
また、同社が提供する別サービスの動画分析ツールと併用することで、視聴完了数や視聴離脱ポイントを配信チャネル別、コンテンツ別に分析することができます。動画メール配信サービスも提供しているため、大がかりなシステムを利用しなくても、複数のサービスを組み合わせることで、目的に応じた動画配信をはじめることができます。

PRISM (株式会社クリエ・ジャパン)

PRISMは、日本で最も最初に、パーソナライズド動画生成エンジンを開発しており、保険・金融業界から、教育業界、医療業界まで、幅広い導入実績があります。
事前に生成した動画の配信や、リアルタイムでの動画生成・配信機能に加えて、インタラクティブ動画にも対応しています。CRMやSFA、MAツールだけではなく、AIともAPIで連携することが可能なため、幅広い目的に応じた動画生成・配信を行うことができます。
また、サーバーに動画生成エンジンを組み込む形式のため、オンプレミス・クラウドの両方のサーバーに対応しており、自社の環境やセキュリティ要件にあわせた運用が可能です。動画もサーバー側で生成するため、自社サーバー上に生成した動画を保存することができます。

DNPパーソナライズド動画サービス (大日本印刷株式会社)

顧客の属性や各種契約内容等の情報に基づいて、テキスト・画像・グラフなどによる、一人ひとりに最適化した動画コンテンツを提供します。また、動画視聴中の人々のインタラクティブな操作にも対応できます。顧客に関連する各種データを高度な情報セキュリティ環境で安全に蓄積し、企業のマーケティング担当者がマーケティングに有効な情報として統合的に管理して活用できる「DNPマーケティングクラウド™」と連動することにより、DMやWebサイト上のマイページ、メールなど、多彩な配信チャネルを選択して利用することができます。
動画を視聴する顧客のブラウザ上の動画配信プレーヤーで、コンテンツと表示する個人情報をリアルタイムに合成するため、動画を制作する環境に個人情報が残ることはなく、流出などのリスクを回避することができます。

3. まとめ

サービスや商品、目的によっては、通常の動画よりもパーソナライズド動画を取り入れることにより、マーケティング効果を最大化することができます。さらに、サービスを利活用することで効率的に動画作成・配信・分析を行うことができます。自社の製品特性やセキュリティレベルにあった、顧客体験改善プランを実現できるサービスを選び、効果的なマーケティングに繋げてください。

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