マーケティングオートメーション(MA)とは?
~課題はチャネル!ユニチャネルからオムニチャネルへ~

マーケティングオートメーションとは、マーケティング活動をITによって自動化することを指しています。そして、マーケティングオートメーション(MA)を実現する仕組みやプラットフォームのことを、MAツール(以下、MA)と呼んでいます。
近年、ITの発展によって、見込み顧客の獲得方法が多様化したこともあり、多くの見込み顧客情報を、以前よりも簡単に集められるようになりました。一方、増えた見込み顧客への対応や、顧客情報管理をするための人手や時間が不足する企業も多くなってきました。このような状況で登場したのが、MAです。

本記事では、MAとは何なのか。MAが持っている機能や、MAでできることなどをご紹介していきます。

1. MAとは

2000年代にアメリカから普及しはじめたMA。そこから遅れること、約10年。日本で「マーケティングオートメーション元年」と呼ばれたのは2014年のことです。
その後は急速に普及しつつあり、「2020年の国内市場規模は、2014年比で約2.5倍の420億円に達する」(矢野経済研究所調べ)と予測されています。

近年、スマートフォンやSNSなどが普及したことで、人々は複数のデバイスやチャネルを渡り歩きながら、膨大な量の情報と接触するようになりました。いわばオムニチャネル化してきたわけです。

オムニチャネル時代に、顧客に最適なマーケティング活動を効率的に行うためには、デジタルマーケティング基盤が必要となってきました。それがMAです。

しかし、マーケティングトレンドは業務効率化の追求と並行して、カスタマーエクスペリエンス(顧客体験)を重要視する方向です。MAは顧客体験を最適化するツールと位置づけたほうが、社内で導入を進めていく上でもよいでしょう。

2. MAの主な機能

MAには多くの機能が搭載されています。また、個々のツールによっても機能の差がありますので、主要な機能を紹介します。

名ありのアクセスログ収集

Webサイトのアクセスログを収集するだけではありません。ログ情報とリード(見込み顧客)情報をマッチングさせ、「誰が、いつ、どのページを訪問したか」を特定できるような仕組みを持っているところがポイントです。

スコアリング

リードの行動を分析し、どの程度まで「顧客化」の見込みがあるのか、定量で表示する機能です。Webサイトの訪問履歴、イベントなどの参加履歴などをポイント化(定量化)することで、客観的な見込み度合いを把握することができます。
製品・サービスが高額かつ検討期間が長い場合は、重要な機能になってきます。

メール配信

一斉配信だけでなく、細かい条件を設定し、メールを配信することができます。
高機能なメール配信システムなら、事前に決めておいたタイミングで、自動的にユーザーへメールを配信する機能(ステップメール)はあります。
しかしMAなら、ユーザーの行動に応じて、適切なタイミングで、適切な内容のメールを配信できます。配信者視点ではなく、顧客視点でのメール配信が可能になるのです。

ランディングページ生成

MAツール内に、ランディングページを生成する機能があります。
簡単なページであればこの機能を使ってページを作成し、スピーディーにメール配信して誘導する施策を打つことができます。また、リード獲得するためのフォームを作れば、このフォームから獲得した顧客に関しては、すぐに行動トラッキングできる状態にできます。

3. MA導入のメリット

リード獲得後、即時に商談・購入に至らないリードとのやりとりは、ステップメールやSNSなどで行い、商談・購入の可能性が高まってきたタイミングで営業を行うという施策が可能になります。
そのため、マーケティング活動を効率化でき、以下のようなメリットが期待できます。

見込み顧客(リード)を集める

MAには、お問い合せフォームやランディングページの作成といった機能が搭載されています。そこでWebサイトに訪れてきたユーザーと接点を持ち、顧客情報を取得、リードを効率よく集めていくことができます。

見込み顧客(リード)情報を管理する

デジタルマーケティング活動では、リード情報が適切・正確に管理されていることが大切です。MAでは、リードの基本属性情報や成約に至るまでの行動属性情報を収集・管理することができます。また、顧客情報が一元化されることで、社内での共有化がなされます。受注や購入のタイミングを逃していた案件を獲得できる可能性が向上し、売上拡大につなげられるようになります。

見込み顧客(リード)を育てる

取得したリードを、購入やお問合わせ、資料請求、会員登録、案件化、契約などの成果に結び付けるためには、リードの育成が必要です。
MAにはユーザーの行動に応じてメールを配信する機能が用意されており、ユーザーの行動や興味にあわせ、欲しい情報を欲しいタイミングで届けられるので、リードの育成に効果的です。

見込み顧客(リード)を選別する

顧客属性に応じて分類し、購入の可能性の高いリードを選別できます。
特にBtoB向けのMAには、顧客情報や行動を分析し評価するスコアリング機能があります。この機能を活用して、スコアの低いユーザーはスコアが高くなるまでナーチャリング(顧客育成)し、スコアが高いユーザーは営業に「見込み顧客リスト」として渡せるようになります。

4. メール配信システムとの違い

MAに似たシステムとして、「メール配信システム」があります。
メール配信システムとは、メールマガジンなどを一度に大量に送れるシステムのことです。配信メールを事前に作成しておき、指定した曜日や時間など、ユーザーに対して一斉送信ができるものです。

メール配信システムを利用することで、送信後の配信効果測定が行えるほか、メール開封率やクリック率も測定できます。そのため、企業の新商品紹介や、顧客との関係性構築など、メールマーケティングを行えます。

ただし、最近のオムニチャネル化したデジタルマーケティングにおいては、メールチャネルのマーケティングだけでは不十分です。
MAツールには、前述したような、顧客視点のメール配信機能が搭載され、Webに流入した後の自動配信機能も用意されています。オムニチャネルで顧客に対して一貫した体験を提供する戦略があるのであれば、メール配信システムではなく、MAを導入することをおすすめします。

5. オムニチャネルの視点でMA活用を考える

現在、市場に多くのMAツールが出回ってますが、オムニチャネルに対応できているツールは多くありません。例えばメールチャネルの出し分けにしか対応できていないツールも多く、これらは、メールチャネルのみのアクションで顧客体験を完結してしまいがちです。しかし、それではオムニチャネルでの一連の顧客体験につながりがなくなってしまい、顧客の満足度が得られない結果となってしまいます。

MAツールの最終ゴールは、顧客視点で考えるべきであり、それは顧客体験の最適化であり、価値の最大化にほかなりません。最適な顧客体験の提供において、顧客との接点はメールチャネルだけで完結できるものではありません。メールチャネルに加えて、Web、スマホアプリやサイネージなどのデジタルチャネルはもちろんのこと、さらには店舗やDM、カタログといったリアルチャネルも顧客体験の中では重要な接点となってきます。オムニチャネルをコントローラブルにすると謳っているMAは多数ありますが、実際には連携の実績が少ないなど、成熟していないものもあるようです。

MA選定の際には、最適な顧客体験を追求すべく、オムニチャネルで一連のつながりのある顧客体験を見据え、CMSLPO、UDH(ユニバーサル データ ハブ)などのMA以外の顧客体験最適化ツールと連携し、全体最適で対応していくことも検討すべきでしょう。

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