マーケティングオートメーション(MA)ベンダー/ツール紹介

「自社ビジネスの特徴から選ぶ!MAツール選定のポイント」コラムでは、MAツール選定にあたり押さえるべき基本の考え方とそのポイントを解説しました。
今回は、その選定ポイントをもう少し深堀しながら、パターン化し、実際にあてはまるMAツールはどれなのか、についてご紹介します。

1. MA選定ポイントおさらい

以前のコラムでは、MAの種類がふたつのセグメントに分けられることをご説明しました。
ひとつ目のセグメントは、ビジネスの特徴が、顧客の購買行動プロセスが長く、対面営業プロセスがあるパターン。ふたつ目のセグメントは、ビジネスの特徴が、顧客の購買行動プロセスが短く、対面営業プロセスがないパターンです。
このコラムでは、分かりやすくするために、ひとつ目のセグメントを、「高関与商材※1ビジネス」、ふたつ目のセグメントを「低関与商材※2ビジネス」と設定し、それぞれに合うMAツールを紹介していきます。

  • 高関与商材(高関与商品)とは、車やパソコン、高級ブランド品など耐久消費財、専門性の高い趣味や嗜好品、頻繁には買わないようなものが該当し、購入時に事前に情報収集・比較検討・判断といった消費者の意思が多く関与する商材のことを指す。
  • 低関与商材(低関与商品)とは、歯ブラシやトイレットペーパーなどといった生活消費財や、スナック菓子や飲料といったの食品など、性能や品質に大差がないものが該当し、一般的には低価格の商品が多い。新商品を見つけたので試してみる、決まったブランドの商品を買う、など、購買に対し情報収集や比較検討といった消費者の意思があまり関与しない商材のことを指す。

2. 高関与商材ビジネス向けMA

2-1. 着目すべきポイント

高関与商材の購買体験は、長い期間をかけてさまざまな情報を入手し、比較検討しながら、最終的にどの商材を買うか決めていく流れになりますが、その検討プロセスは、誰もが一定の同じ進み方をするのではなく、顧客によってバラバラで複雑な進み方をすると考えてよいでしょう。
AIで何万ものシナリオを自動作成できるのであれば別ですが、そこにはまだ行きついてはいません。人間が想定したシナリオに、流入してきたすべての顧客をはめようとすると、当てはまらずにシナリオから外れる顧客が多くなり、結果、シナリオの中の顧客数が分岐を通過する度、どんどんと「先細り」していき、コンバージョン数が減る、または営業に渡すリードが残らなくなるケースも発生してしまいます。
よって、あらかじめ決めたシナリオを用意しておくよりも、その顧客の状態管理に重きを置き、その状態に基づいてアクションを決めておく、営業にリードを引き渡すやり方のほうがフィットするでしょう。そして、MAツールにおいて状態管理をする機能が「スコアリング」になります。MAツールによって、スコアリング機能を持ってない製品もありますし、スコアリングの方法にも特徴がありますので、チェックしてみましょう。

また、高関与商材ビジネスにおいては、やはり、取引相手が「企業」になるケースが多くなります。いわゆる、「BtoB」です。ビジネスターゲットが企業になると、当然ですが、企業の属性管理が重要になってきます。企業のデータをどのように管理するのかによって、企業属性スコアの精度、セグメントし易さなど、ABMの実行レベルにも影響してくるかと思いますので、自社のMA活用において、企業属性によるスコアがどれくらい重要になるか分析し、MAの顧客属性データの管理手法、ABMの充実度にも着目しましょう。

2-2. MAツール紹介

Oracle Eloqua

オラクル社では、BtoB向けのMAツールであるEloqua(Oracle Eloqua)も提供しています。
アメリカでもっとも早く立ち上がったMAベンダーで早期に大規模企業のシェアを取っていきました。故に機能の多さと成熟度においては優位性があります。オラクル社としては、カスタマーエクスペリエンス全体をMA以外のマーケティング支援ツールでカバーすることで、トータルソリューションの提供が可能になっています。
セキュリティと、アクセス権限の柔軟な管理と、顧客のプロファイル情報と、行動情報を掛け合わせた16象限のスコアを表示してくれる特徴を持っており、複数の事業を持つ大規模なBtoB企業にフィットするでしょう。

Marketo

全世界39カ国、6,000社以上に導入されているMAツールです。アメリカで唯一のMA開発専業ベンダーである、マルケト社から提供されていましたが、2019年3月1日にアドビシステムズ社との統合を果たしています。
エンゲージメントを目的とした顧客体験中心のコンセプト、柔軟な機能と柔軟に顧客ニーズに応えられるように、サードパーティとの連携に力を入れています。最も多くのサードパーティツールとの連携が可能なMAツールであることは間違いがありません。スコアリング機能においては、マルチスコアリングが可能であること、マイナススコアの設定ができることが特徴となります。

Pardot(Salesforce Marketing Cloudに搭載のMAツール)

SFA(営業支援システム)や、CRM(顧客関係管理システム)を、クラウドサービスとして提供している、セールスフォース・ドットコム社が提供するマーケティングツールに搭載されているMAツールです。
同社の営業支援システム、Sales Cloudとの連携が基本となり、マーケティング機能だけでなく、営業支援に役立つ機能を搭載しています。
豊かな顧客関係の構築、パイプラインの増加、より多くの成約を目指す営業チームの支援に役立てられるのが特徴といえます。

Hubspot

アメリカのHubSpot社から提供され、世界95カ国、18,000社以上の企業が導入しているMAツールです。
インバウンドマーケティングに特化したMAツールですので、オウンドメディアを活用し、インバウンドマーケティングを積極的に展開している企業に向いています。2019年9月時点で、月額24,000円からという比較的安価な料金設定のため、小規模企業でも利用しやすいという特徴を持っています。

b→dash

株式会社フロムスクラッチが提供する、純国産のMAツールです。
同社は、b→dash をMAツールではなく、マーケティングプラットフォームと謳っています。オンライン/オフラインのあらゆるデータと連携することにより、ワンプラットフォームで、一気通貫のマーケティング施策を実行できるのが特徴です。

3. 低関与商材ビジネス向けMA

3-1. 着目すべきポイント

低関与の購買体験は、必要なときに最初に頭に浮かんだ、または、目の前にある製品・サービスから選択して購入する傾向があり、情報収集や比較検討などに時間をかけません。非常に短時間で購買まで至るケースが多いのです。
この場合はスコアリングで状態管理している余裕はありません。状態を管理している間に購入が終わってしまうこともあるでしょう。
よって、例えば、商品を欲しくなるタイミングを検知したら、キャンペーン広告ですぐに店舗やECサイトに誘導して購入してもらうなどの、シナリオを作って実行することが効果的な施策でしょう。
また、物を必要となる、欲しくなるタイミングは家の中とは限りません。物やサービスによっては、さまざまな情報に触れる機会が多いので、家の外のほう多い場合もあるのではないでしょうか。とすると、欲しいタイミングを狙うためには、家の外だろうが、中だろうが、場所とタイミングを確実に検知し、Web、メール、スマホアプリなど、オムニチャネルを横断して、シナリオを実行していくことが重要になってきます。
よって、低関与商材ビジネス向けのMAツールについては、「オムニチャネル」にどこまで対応しているか、「シナリオ」に関する機能のレベル感が着目すべきポイントになります。

3-2. MAツール紹介

Salesforce Marketing Cloud(旧:ExactTarget)

SFA(営業支援システム)や、CRM(顧客関係管理システム)を、クラウドサービスとして提供する、セールスフォース・ドットコム社が提供しているマーケティングツールです。エグザクトターゲット社が提供しているMAツール「ExactTarget」をセールスフォース・ドットコム社が買収。同社のマーケティングツールに統合されたものです。
このツールを利用すれば、Eメール、モバイル、SNS、デジタル広告、DMP(Data Management Platform)までを活用し、個々のユーザーにあわせて、認知から購買、再利用までのプロセスを最適化できます。ITリテラシーの高くない方でも直感的に、簡単にシナリオを作れるシナリオビルダーが特徴的です。数多くのシナリオテンプレートを用意し、スピーディに作成することも可能です。

顧客情報を一元管理し、オムニチャネルでのOne to Oneマーケティングが可能なツールです。

Oracle Responsys

データベース管理システムを提供しているアメリカのオラクル社が、Responsys社を買収して提供しているMAツールです。
もともとメール配信システムからスタートしたMAツールですので、メール配信におけるセグメント機能が細かいところが特徴です。

Experian Cross-Channel Marketing Platform(CCMP)

世界中のクライアントに、データと分析ツールを提供するグローバル情報サービスのトップランナーであり、アイルランド・ダブリンに本社を置く、エクスペリアン社のMAツールです。
クロスチャネルにおけるシナリオ設定、といった複雑な操作も簡単にできるツールです。海外製ツールではありますが、日本のニーズに合わせた機能も充実しているのが特徴です。
また、メール以外のチャネル配信も、外部システムとの連携なしで行えるので、オムニチャネルマーケティングを実現してくれます。

SATORI

Webメディアに強いMAツールです。
一般的なMA機能に加えて、匿名ユーザーへもアプローチできる「アンノウンマーケティング」により、リードジェネレーションに強いのが特徴です。450社以上の企業が導入し、国内での認知度も高い、純国産のMAツールです。

4. まとめ

MAツールには、大きく分けて、高関与商材ビジネス向けと低関与商材ビジネス向けの2種類があることをご説明しました。高関与商材と低関与商材とでは購買プロセスが異なるため、MAツールに求める機能要件もそれぞれ変わってきます。自社に適したツールは何か、コストも含めしっかりと検討し、導入することが重要です。

本コラムが、MAツールの導入検討段階で「どのようなMAベンダーやツールが存在するのか」、という点を俯瞰的に知っておきたい方にとって、少しでも役立つ情報となれば幸いです。

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