オンラインセミナーの成果を最大化するために重要な5つのポイント
~オンラインセミナーを開催することがゴールになっていませんか?~

コロナ禍の影響により、新しい時代に向けたマーケティング活動の変革が急がれる昨今、「オンラインセミナー(Webセミナー)の実施」というテーマでのご相談が多く寄せられるようになりました。リアルセミナーの実施が困難になり 、デジタル接点でのセミナーという代替策をいかに早く実行できるようになるかが急務となっているお客さまも多いのではないでしょうか。

一方、「対策を急ぐあまりに本来の目的とゴールを見失ってしまうこと」が、この手のツール導入においての‟あるある”と言っても過言ではないでしょう。
今回はオンラインセミナー実施の本質について深掘りしていきたいと思います。

目次

1.マーケティング活動の最終ゴールの意識を高める
2.オムニチャネル行動を想定したコンテンツの全体設計
3.オムニチャネル行動ログを統合管理するスコアリング基盤
4.オンラインセミナーツールの選定は慎重に
5.まとめ 顧客体験価値向上の目的を忘れない

1.マーケティング活動の最終ゴールの意識を高める

セミナーのデジタル化、すなわち‟オンラインセミナーを実施すること”を主眼とした場合、これまで通り「新規顧客名簿を獲得する」ためのセミナーや、「既存顧客へ情報提供をする」ためのセミナーを、デジタルで再現すれば事足ります。

しかし、マーケティング活動全体の視点で捉えた場合、
「新規顧客名簿の獲得」や、「既存顧客への情報提供」だけが、セミナーの担うべき役割であってよいのか?
という議論もされてきました。

例えば、BtoBマーケティング活動全体からセミナーという施策を捉えた際、最終的なゴールは「案件化」や「受注」であるケースが多いでしょう。極端な話、いくら「新規顧客の名簿」が増えたとしても、「案件化」や「受注」に貢献しなければ、その名簿の価値は下がってしまいます。

単にリアルセミナーをオンラインセミナーという形で再現することを目指すのではなく、実行した先の最終的なゴールに貢献するための手段と捉え、最終ゴールにつなぐための、さまざまなマーケティング施策の中のOne of Themという位置づけ で企画設計していくことが重要となってきているのではないでしょうか。

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2.オムニチャネル行動を想定したコンテンツの全体設計

講演内容には依存するものの、オンライン形式でのコンテンツ提供は顧客を惹きつけやすい施策です。
しかし、顧客はオンラインセミナーだけを頼りに情報を収集しているわけではなく、あらゆるチャネルから情報を取りにきています。すなわち、オンラインセミナーで得られた顧客名簿や視聴ログに、オンラインセミナー以外のチャネルでの行動ログを紐づけることにより、さらに個々の「興味関心度合い」がクリアに把握することができるようになります。

例えば、オンラインセミナーに参加した人が、オンラインセミナーで話されていた講演内容に関連した情報を、後でくまなくWebサイトでチェックしていたとしたら、参加しただけの人に比べて非常に興味関心度が高い=案件化率が高い顧客であるということが推察できるでしょう。

逆に、オンラインセミナーは参加しなかったが、オンラインセミナーで話されるであろう内容に関連した情報を事前にくまなくWebサイトでチェックしていたとしたら、非常に興味はあったが時間が合わずに参加できなかったユーザーである可能性が示唆されます。

さらに、オンラインセミナーに参加したものの、講演の25%の所で途中退出してしまい、オンラインセミナーで話されていた講演内容に関連した情報を後でくまなくWebサイトでチェックしていたとしたら、講演には興味があって引き続き聞きたかったが止むなく退出せざるを得なかったのではないか、という可能性が示唆されます。仮に“講演の25%で途中退出した”というデータしかなかった場合、単に講演に飽きて退出してしまったのだろうという、機会損失につながる判断をすることもあるかもしれません。

上記のシナリオはあくまで一例にすぎませんが、"顧客はあらゆるシーンであらゆるチャネルから情報を消費する"ということを念頭に置いたコンテンツの全体設計をあらかじめ実施しておくことによって、よりオンラインセミナー起点での成果が出やすくなるのではないでしょうか。

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3.オムニチャネル行動ログを統合管理するスコアリング基盤

前述したような顧客理解を行うには、オンラインセミナーをはじめとしたさまざまな接点から得られるデータを集約し、興味度が高い顧客であるかどうかを判定(スコアリング)できるような基盤、すなわちマーケティングオートメーションツールを準備しておくことが理想的でしょう。

EloquaやSalesForceMarketingCloud、Marketo等といったマーケティングオートメーションツールは各種動画配信ツールとの連携に対応するモジュールを持っているため、マーケティングオートメーション側で得たWeb行動ログとオンラインセミナーで得た参加ログ・視聴ログを統合管理することができるようになります。

また、オンラインセミナーへの集客メールの自動配信や、送信完了履歴の管理、参加キャンセルユーザーの管理等といったベーシックなマーケティング機能として活用することも可能です。

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4.オンラインセミナーツールの選定は慎重に

昨今、テクノロジーの進化に伴いさまざまな動画配信ツールベンダーが台頭してきています。
Zoom、MicrosoftTeams、YouTubeLIVE、FacebookLIVE、Jストリーム、BrightCove等といったさまざまな動画配信ツールベンダーが登場する中で、どのツールを採用するかは今後のマーケティング活動にも大きく影響を及ぼしてくるでしょう。

オンラインセミナー単体での仕様やUXという視点での選定も非常に重要ではありますが、前述した「データをきちんとつなげる」ことの重要性も踏まえ、MAなどの他システムとの連携の可能性についてもきちんと押さえておかなければなりません。

5.まとめ 顧客体験価値向上の目的を忘れない

今回はマーケティング活動全体のゴールを意識したオンラインセミナーの活用と、オンラインセミナーをはじめとしたさまざまなチャネルから発生する顧客データの統合管理の重要性について説明させていただきましたが、最も重要となるのは「どのように活用することを想定してデータを得るか?」という点です。

そして、活用の方向性を考える際には必ず「顧客体験価値」の向上に貢献するのかどうかを頭に入れておきましょう。
〇〇のデータを得られると、〇〇のチャネルでの顧客とのコミュニケーションの質が高まり、顧客との良好かつ継続的な関係が続くことにより、LTVが最大化する。
このような一連のストーリーをイメージし、全体をデザインしていくことが重要です。

※2020年4月時点の内容です。

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