SMC(Salesforce Marketing Cloud®)運用のツボ
Journey Builderから特定のユーザーを除外する方法
1本の電話
<朝>
ここはサポートセンターの一室。
トルゥルゥルゥ トルゥルゥルゥ(電話の鳴る音)
社員:「はい。〇〇株式会社のサポートセンターです。」
お客さま:「私、〇〇という者ですが、昨日そちらから…身に覚えのないメールが送られてきておりまして。」
社員:「弊社からメールが送られてきたということですね。もう少し詳細を伺ってもよろしいでしょうか。」
お客さま:「はい。私はECサイトの会員で、確かにメルマガ配信は希望していたのですが、購入してもいない商品に対する、サポート(保険)案内のメールでした。未購入者でもこういったメールは送られてくるのでしょうか?こういったメールが頻繁に届くようなら、メルマガ配信の解約をしたいのですが。」
社員:「ご連絡下さり、ありがとうございます。至急内容確認いたします。お調べして、こちらから改めてご連絡させていただくということでよろしいでしょうか。」
お客さま:「えぇ、それは構いませんが。」
至急調査
今朝メールを開いたら、トラブルらしき件名が目に飛び込んできた。
私は大日本太郎 30歳。〇〇株式会社でマーケティングを担当している。

最近自社に導入された、Salesforce Marketing Cloud®というMAを使ってメール配信の業務を行っている。
先日、いくつかトラブルが発生したものの、第1段のシナリオ配信が稼働し始め、MA運用をスタートさせたところである。
私は、静かにメールを開いた。
--------------------------------------------------
件名:【至急】誤配信についての調査依頼
--------------------------------------------------
詳細は割愛するが、昨日送ったサポート商品(保険)の案内に誤配信があったのではないかという内容だった。
そこで、早速メールを配信しているSMC(Salesforce Marketing Cloud®)にアクセスして、状況を確認するとともに、システム部にも上記の件について共有を行った。
…15分後
SMC(Salesforce Marketing Cloud®)としては、特段問題が発生してないようだ。
するとその時、システム部から急ぎの電話があった。
昨日のデータ連携時のトラブルにより5件分のデータが誤って含まれてしまったという。
詳しく話を聞くと、その5件の内、1件はサポートセンターにお電話いただいたお客さまで間違いないとのことだった。
私は慌てて、おわびのメールの配信準備とリカバリー作業にとりかかった。
おわびメールとリカバリー作業
システム部から紛れてしまったユーザー5名のID情報が送られてきた。
SMC(Salesforce Marketing Cloud®)から手動でおわびメールの配信設定を行う。
もうひとつやるべきことは、リカバリー作業だ。
というのも、サポート商品(保険)の案内は、1週間後に同じユーザーに対して、自動で配信されるようにJourney Builder上でセッティングしてあるからだ。
このままでは、1週間後にまた誤配信が発生してしまうため、その5名のユーザーをJourney Builderから除外しないといけない。
ジャーニーからの除外
太郎:「そうだ、初めての操作なので、きちんとメモを残しておこう。」
えっと、まずは該当のJourney Builderにアクセスして、右上部にある[健全性]のマークをクリック。(図1)

右からメニューが出てくるので、次は、[連絡先パスの検索]で該当のユーザーIDを検索すると、候補が出てくるからそこから選んでユーザーの状態を確認してみよう。

おぉ、ユーザーが今どこにいるか表示された。(図2)

もう一度、右のメニューを見ると、[連絡先キー]のところに[ジャーニーから削除]があるのでこれをクリックすれば除外できる。
次に、注意書きのポップアップもしっかり確認して[削除]をクリック。(図3)

ようし、これを5名分実施すれば大丈夫だ。
太郎にわずかばかりの希望がうまれた。
その後
<夕方>
その後、システム部、サポート部とも連携し、お問い合わせいただいたお客さまへの回答も完了し、問題は解決できた。
そうそう、本件対応時に気づいたことだけど、Journey Builderの追跡ログは30日間分残っているようだ。
「今回は検索して削除できたけど、30日以上のシナリオを組んでいる場合はどうなるか調べておこう。」

注意事項
本コラムは、執筆時点のSMC(Salesforce Marketing Cloud®)の仕様に基づいて執筆しております。
執筆後に仕様変更が入る場合がございます。
本内容に基づいて何らかの操作を行い、損害が発生したとしても当社では責任を負いかねますので
あらかじめ、ご了承下さい。
本内容はフィクションであり、実在の人物や団体などとは関係ありません。
Salesforce Marketing Cloud®はSalesforce.com, Inc.の商標であり、許可のもとで使用しています。
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