事例

キリンホールディングス株式会社様

目指したのは、MAの運用支援に留まらない“自社の組織力を高める”パートナーとしての業務支援<後編>

column

キリングループ様は、2027年までに「食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV(Creating Shared Value/共通価値の創造)先進企業となる」ことを目指す長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」(KV2027)を策定し、2019年からスタートしました。
この「食から医にわたる領域での価値創造」の実現に向けて、既存の「食領域」「医領域」のさらなる成長は勿論、次世代の成長の柱となる「医と食をつなぐ事業」の立ち上げ、育成を中期経営計画における重要課題としています。

この新たな事業の育成のなかで欠かせない、社会の変化・お客様の変化への対応や組織のイノベーションのキーとなるのが“デジタルマーケティング”。前編では、キリンホールディングス株式会社デジタルマーケティング部 主査 宮入 一将氏、中嶋 直樹氏に、Salesforce Marketing Cloud(以下、SMC)の導入とそこから見えてきた課題、SMC運用支援のためのパートナー選定についてお伺いしました。後編では、実際のDNPによる支援内容とその効果、今後についてお伺いします。

→目指したのは、MAの運用支援に留まらない“自社の組織力を高める”パートナーとしての業務支援<前編>はこちらから

研修とマニュアル化で「自社の組織力を高める」支援を実施

SMCの運用支援という要望において、具体的にDNPが行った施策を教えてください。

DNPによる支援内容を大きく分類すると、研修とマニュアルの整備です。具体的には以下を行っていただきました。

フェーズ1 実践適用レクチャー
期間 2週間
施策 既存の手順書からSMCの実画面ビューを含むマニュアル兼教育資料を作成
Webセンター(デジタルマーケティング部内のSMC運用部門)スタッフに対し、5日間(2~4時間)の研修を実施
フェーズ2 SMC運用の標準化と高度化(統合メール)への対応
期間 約4ヶ月
施策 SMC設定品質基準の作成
One to One化に対応した統合メールの新規手順書の作成
SMC設定ドキュメントのリプレイス
統合メールで標準化した手順に合わせて既存手順を修正
レクチャー用のマニュアル作成
統合メールおよび既存メールに関するWebセンタースタッフへの研修の実施
既存運用課題の潰しこみ

「お客様主語のマーケティング力」が一歩前進

DNPのSMC運用支援によって効果は得られましたか。

以下の点について、大きな効果を得ることができました。

<属人化の防止>

フェーズ1の研修およびゼロベースでも作業ができるマニュアルの作成により、属人化することなく、誰が担当してもSMCの効率的な運用が行えるようになりました。

<トラブルの減少>

SMCの運用支援をお願いする前までは、オペレーションミスが度々発生していましたが、現在は大きなミスはなくなりました。安心してスタッフに運用を任せることができます。

<統合メールからOne to Oneメールを配信できる>

フェーズ2の統合メールの標準化により、我々がもっとも行いたかったOne to Oneメールの配信が可能になりました。

統合メールとは、いままで会社やブランドごとに縦割りで動いていたワイン、洋酒、ビール、ソフトドリングなどの顧客情報をひとつにまとめたクロスブランドを意味します。従来であれば、ワインの顧客とソフトドリングの顧客は会社やブランドごとに管理されていましたから、クロスブランドで運用することはできませんでした。

現在はお客様の関心カテゴリーごとにフラグを付けて一元管理。ワインのカテゴリーで配信したメールからお客様がワインのキャンペーンサイトにアクセスし、そこからソフトドリングのサイトにアクセスしたら自動的にソフトドリンクのフラグが付与される仕組みとなっています。フラグの設計次第ですが、たとえば、ソフトドリンクのフラグが付与されたら、そのお客様はソフトドリンクのカテゴリーにも分類することが可能です。

つまり、フラグの設計によって、ひとつの統合メールからお客様ごとに最適化された情報を出し分けることが可能。しかも、クロスブランドでは、フラグの付け替えでお客様の反応を確認・分析し、お客様の宣潜在的なニーズに合わせてコンテンツを出し分けられます。これにより、「お客様主語のマーケティング力」に一歩前進したと感じています。

<組織改革に貢献>

DNPのSMC運用支援は組織改革にも貢献しています。以前までは作業効率・品質重視で、メールの安心・安全配信がスタッフのゴールになっていました。「お客様主語のマーケティング力」やクロスブランドの必要性を説いても、なかなか理解してもらえませんでした。

しかし、フェーズ2の研修で、ひとつの統合メールからお客様一人ひとりの潜在ニーズに沿ったOne to Oneメールができることが分かると状況は変わりました。クロスブランドのイメージの具体化、標準化によって作業が属人化しない点などがスタッフに浸透し、積極的に取り組むようになりました。しかも、手を出せる領域が広がったことで、マニュアルに記載がない施策でも「整理すればできるようになるのでは」という意識に変わってきています。現在は、スタッフからの提案も期待できるまで成長しています。まさに、「自社の組織力を高める」効果といえるでしょう。

最後にDNPへの期待をお願いします。

キリンホールディングス株式会社 デジタルマーケティング部
主査 宮入 一将氏(右)中嶋 直樹氏(左)

お客様との接点は、今後もっと増えてくることが予想されます。我々としてはオペレーションのレイヤーに留まるのではなく、コミュニケーションの設計、データ分析、基盤の運用などに、より多くのリソースをかけていかなければならないでしょう。そうなると、オペレーションの部分をDNPにアウトソースすることを含め、ツールの機能拡張の支援や、戦略設計・価値創造の領域といった新たな取組みへのご提案など、DNPとはより深いパートナーシップが必要になります。

今後もデジタルを活用してお客様に最適なサービスを提供していくために、継続的な資産となる「自社の組織力を高める」ご支援をお願いします。

キリングループ(キリンホールディングス株式会社)様

「食領域」と「医領域」に加え、2つの中間に位置する「医と食をつなぐ領域」を立ち上げ、日本はもちろん、アジアやオセアニアなどを含めてグローバルな事業を展開していきます。先行きの見通しが困難な状況のなか、持続的な成長を実現するには、CSVの観点から社会的価値と経済的価値を創出し、社会と共に歩んでいくことが不可欠。これからも創業以来のDNAである「お客様本位」「品質本位」を大切にし、事業に取り組んでいきます。

社名:キリンホールディングス株式会社
設立:1907年(明治40年)2月
本社:〒164-0001 東京都中野区中野4-10-2 中野セントラルパークサウス
資本金:1,020億4,579万3357円
営業内容:グループの経営戦略策定および経営管理/グループ企業の事業:国内ビール・スピリッツ事業、国内飲料事業、オセアニア綜合飲料事業、その他
従業員数:3万464人(キリンホールディングス連結従業員数、2018年12月31日現在)