2019/6/17
働き方改革と情報セキュリティ(5) 理想のオフィスで働きがい向上
企業の働き方改革担当部門や情報セキュリティ担当部門の責任者、企業変革を得意とするコンサルティングファームの方々に、「働き方改革と情報セキュリティ」をテーマにお話を伺いました。お伺いした内容をまとめた冊子データは本ページ下部よりダウンロードいただけます。
本コラムでは、日本における「働きがいのある会社」ランキング*上位にランキングされる、日本ユニシスグループのコンサルティングファームであるケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ株式会社様にインタビューした内容を紹介します。
*日本における「働きがいのある会社」ランキング:Great Place to Work® Institute Japanによって2007年より毎年行われている世界共通基準の評価
ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ株式会社は、日本ユニシスグループのコンサルティングファームで、企業変革のための新たなビジネスモデル創出からITソリューション導入まで、一貫したサービスを提供しています。
ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ株式会社
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社員全員で議論を尽くした「理想のオフィス」で、働きがいをさらに高める
ー 日本ユニシスグループに、「働きがいのある会社 * 」上位にランキングされるコンサルティング会社があると聞いて、インタビューをお願いしました。今日伺ったこのオフィスの斬新さからもお話を聴くのが楽しみですが、まずは、貴社の業務内容について教えてください。企業変革のためのコンサルティングとは、具体的にどんなことをされるのですか。
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池田: 営業改革の一例でお話しすると、無駄な作業を徹底的に取り除くことをテーマに、現状をいろいろ伺っていきます。たとえば無駄な会議が多いと感じたら、会議の関係性を全部整理してみます。すると、前回の会議内容を再確認するための会議があって、前回の会議内容を資料にまとめて参加人数分出力するということも行われていました。これは無駄ですよ、ということに、まずは気づいてもらう必要があります。 |
谷風: 業務改革や営業改革を進めると、結果的にお客さまの働き方改革につながることがよくあります。どういうことかというと、コンサルティング開始当初は、上下関係を気にして、会議の場に居ても何も言えない、お互いの意見を表明できないお客さまが多くいらっしゃいます。ここに弊社が「参加者は全員、役職や上下関係を気にしないでオープンに意見を言い合わなければならない」というルールを設けます。全員が困っていることやアイデアを出し合わないと改革が成功しませんから。 |
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上下関係を気にせず、社員全員で議論を尽くす
ー 日本における「働きがいのある会社」の上位に3年連続でランキングされていますが、働きがいを維持・向上するために心掛けていることなどはありますか。
谷風: コンサルティングの現場同様、上下関係など気にせず、社員全員が議論を尽くすことが、働きがいにつながっていると思います。議論をしながらその内容を書き出し、皆で認識を合わせながら答えを導き出すというスタイルを守り通しています。
たとえば、このオフィスに移転してきたのは2018年1月ですが、移転を決めたのは2017年4月で、そこから理想のオフィスづくりをテーマに、ビジネスコンセプトや予算、スケジュール、物件選定からゾーニング、デザインコンセプト、レイアウト、セキュリティ、ITインフラなどについて、社員全員で議論しました。
その結果が現在のオフィスです。社員が約100名で約200坪、駅から近い。気軽に立ち寄れて、お客さまに限らずさまざまな方を気軽に招けて、さらに全員で議論できるスペースがあります。前のオフィスでも、働きがいは維持できましたし、さらに高めることもできたのですが、駅から離れている、社外の方をオフィス内に招きにくい、全員で議論するための広い会議室が取りにくいなどあって、移転したほうが、より働きがいは高まると考えたのです。
また、社員同士がトレーニングを企画しあって、知識や技術を高める仕組みをつくっていたり、職位ごとに求められる知識や技術のレベルが明確に定義されていることも、向上心や働きがいにつながっていると思います。
全社員で議論してつくったオフィス
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ー このオフィスには、全面ホワイトボードの壁や模造紙をセットした台がたくさん並んでいますが、理想のオフィスの一環ですか。
谷風: はい、「ファシリテーターの殿堂」というコンセプトを体現しました。あらゆる場所に「書くためのアイテム」が12種あり、それぞれに利用目的があります。この机の天板も、ホワイトボードのように書いて消せる素材を使っていて、これは2~3人ですぐに議論をスタートしたい時に最適です。
全社員で議論できる場所
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フリップチャート(模造紙)をセットした台が並ぶ部屋
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ー かなりオープンな印象を受けますが、セキュリティについてはどのようにお考えですか。
谷風: このオフィスは、お客さまに弊社のことを知ってもらうためのマーケティングアイテムとしても機能しているのですが、もちろん、お客さまを招けるエリアとセキュリティエリアは物理的に区分しています。ICカードで入退室管理を行う部屋や、写真撮影をお断りしている部屋もあります。機密情報はすべてセキュリティエリアに保管しています。加えて、社員にはセキュリティを考慮した業務運用を徹底しています。たとえば普段から、クライアントの企業名は言わず、そのクライアントの所在地を隠語として使う、などがあげられます。
経営陣に対しても、カジュアルに提言できる
ー 基本的にクライアントの企業に常駐されるコンサルタントは、モバイルやクラウドサービスを活用されているのですか。
池田: 弊社は、日本ユニシスグループの一員ですので、セキュリティ面はかなり厳しい基準を設けています。たとえば、一般的なクラウドサービスであっても社内からのアクセスを制限している場合があります。そうすると、弊社のお客さまが利用されているクラウドサービスをプロジェクトで活用できず、デジタル面でお客さまとのコミュニケーションが取りにくいという課題が出てきています。
オフィスについては議論と検討を重ねてお客さまとのコミュニケーションがとりやすいように変えてきたわけですし、実はいま、デジタルの環境ももっとオープンな形に変えられないだろうかと検討を始めています。日本ユニシスグループとしてはISMSを取得しているので、その基準は満たす必要がありますし、道のりはまだ先が長くなると思います。ですが、まずは一旦、制約を取り払って考えて、課題とやりたいことを案として出してみようと話しています。
谷風: 先日、社員から経営陣へ、この環境を変えないと、お客さまのビジネススピードについていけないという提言をし、すぐにリサーチの指示が出ました。カジュアルに提言でき、認められれば即スタートできるのは、ケンブリッジの良いところです。
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日本における「働きがいのある会社」ランキング
Great Place to Work® Institute Japanによって2007年より毎年行われている世界共通基準の評価。
「働きがい」について従業員が無記名で回答する「従業員へのアンケート」と「働きがい」を高めるための具体的な施策を企業が回答する「会社へのアンケート」を基に、参加企業を評価する。
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