研究開発テーマ:有機ELディスプレイ用フィルム技術

有機ELディスプレイを支えるDNPの技術

有機ELディスプレイは、液晶ディスプレイに比べて優れた色再現性を持ち、自ら発光する特殊な有機物を使用して、シンプルな構造で高性能を発揮できるため、薄くて軽く、省電力な革新的なデバイスだと言われています。

また、「曲げたり丸めたり」というフレキシブルな製品として期待できるため、次世代デバイス用ディスプレイとしての注目が集まっています。

有機ELディスプレイの心臓部の製造には、DNPが提供する「メタルマスク」というキーパーツの存在が不可欠です。また、有機ELディスプレイを、さらに美しく見せるための光学機能を持った特殊フィルムも、DNPは製造・販売しています。この、特殊な機能を持った光学フィルムには、私たちが長年培ってきた精密塗工技術や材料技術を掛け合わせた「液晶コーティング技術」が活かされています。

有機ELディスプレイ市場の広がりとDNPが提供する“新しい価値”

次世代デバイス用ディスプレイとして期待されている“有機ELディスプレイ”。

この革新的ディスプレイは、有機物で構成される特殊な素子が、自ら赤色や緑色、青色に発光することができるため、従来の液晶技術に比べて色再現性やコントラストに優れています。そのため、街角のデジタルサイネージから、大型テレビ、スマートフォンや小型のウエアラブル機器にいたるまで、多様なシーンでの利用が広がっています。

この有機ELディスプレイは、太陽光などの外部光の反射によりコントラストが低下したり、斜め方向から見ると色が変化してしまうといった欠点がありました。そして、それらの欠点をなくすために開発されたのが、DNPの特殊な光学フィルムです。このフィルムは、独自開発の特殊液晶材料と精密コーティング技術により初めて実現できた製品で、有機ELディスプレイ用「位相差フィルム」と呼ばれています。この「位相差フィルム」は、今では、世界的なブランドのスマートフォンやテレビにも数多く使われています。

多様な印刷技術の強みを今後の有機ELディスプレイの進化にも活かしていく

左:円偏光板あり/右:円偏光板なし(イメージ)

私たちは、印刷で培ったさまざまな技術をベースに、有機ELディスプレイの普及に寄与するための製品を開発してきました。

有機物からなる特殊な発光素子を微細なパターンで配列していくためには、その製造工程において、DNPの持つ微細加工技術により製造される「メタルマスク」と呼ばれる超精密加工製品が不可欠です。振り返れば、2001年に開発に着手してから長年の試行錯誤を経て、現在の有機ELディスプレイの性能を実現できるメタルマスクを世の中に送り出すことができました。私たちは2000年代の初めから、液晶をフィルム上に均一に並べるための特殊なコーティング技術を磨き続け、最初に3D液晶テレビ用の特殊フィルムの製造において、その存在価値を示すことができました。その後、有機ELディスプレイの登場とともに、液晶コーティング技術をさらに進化させ「位相差フィルム」の完成に結び付けました。

有機ELディスプレイは、ディスプレイとしての色再現能力の高さに加えて、将来的には、曲げたり丸めたりというフレキシブルな用途展開も期待されています。そのためには、薄さや軽さに加えて、高い柔軟性と耐久性が必要となります。そのような“未来のディスプレイ”の実現に向けて、DNPは、これまで培ってきた技術にさらに磨きをかけて“新しい価値”の提供に向けて努力していきます。

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