中期経営計画を語る

長期を見据え、価値創出の成果を積み重ねていく

DNPグループは現在、長期を見据えた活動のなかで、2024年度までの目標を示した中期経営計画を推進しています。まず、経済・社会・環境の大きな潮流(メガトレンド)の把握・分析に努め、DNPならではの価値を提供する注力事業として、「データ流通」「IoT・次世代通信」「モビリティ」「環境」などに経営資源を集中させるようにしています。
例えば、衛生管理の徹底、非接触や遠隔のニーズの高まりに対応し、抗菌・抗ウイルスの製品の開発に注力しています。またデジタルトランスフォーメーション(DX)の広がりを追い風として、リアルとリモートを連動させたコミュニケーションサービスを拡大させています。個々の児童・生徒に最適な教材を提供する教育ICT事業、オンライン診療を支えるカラーマネジメント、バーチャルショールーム等でのVR/AR、個人の同意に基づいてパーソナルデータの流通を促進する情報銀行など、多様な事業の拡大に努めています。

医療用カラーチャート

DNPバーチャルエクスペリエンス VRインテリアシミュレーター

さらに、2020年3月に「DNPグループ環境ビジョン2050」を制定し、「脱炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」の実現に向けた活動を加速させています。環境関連の事業では、世界トップシェアのリチウムイオン電池用バッテリーパウチが、携帯端末向けだけでなく、電気自動車用で大きく需要を伸ばしています。また、環境に配慮した「GREEN PACKAGING」として、「DNP植物由来包材 バイオマテック」シリーズや、リサイクルに適したモノマテリアルの包材などを展開しています。こうした製品・サービスにより、温室効果ガス排出量の削減やエネルギー効率の向上、持続可能な原材料調達などを実現していきます。

*「DNPの環境への取り組み」はこちら

中期経営計画のポイントについて

【基本方針1】P&Iイノベーションによる価値の創造

1-① 成長領域を中心とした価値の創出

DNPは、世の中の激しい変化に対して、独自の「P&I」の強みを活かして価値を提供していく「4つの成長領域」を設定しています(「知とコミュニケーション」「食とヘルスケア」「住まいとモビリティ」「環境とエネルギー」)。
また、メガトレンドや、ステークホルダーの関心・影響、DNPにおける重要度などを勘案して、重要課題を設定し、さらに、収益性と市場成長性の軸で、DNPの事業が生み出す価値を見直して「注力事業」を明確にしています。これらの注力事業に経営資源を最適に配分することで、強い事業ポートフォリオを構築していきます。

4つの成長領域における主な「注力事業」

1-② 各国・地域への最適な価値の提供

現在、バリューチェーンや情報ネットワークがグローバルに広がり、緊密に連動しています。そのなかでDNPは、世界No.1シェアを獲得している製品・サービスの強みを活かすとともに、各国・地域の特性やニーズにきめ細かく対応し、個々に最適化した価値を提供していきます。
グループ社員の約8分の1が海外の拠点で多様な事業を展開しており、2021年3月期の海外売上高比率は18.4%となっています。海外での市場探索や先端技術の獲得を行うグローバルマーケティング部門などの体制をさらに強化し、国内外の相乗効果を高め、さらなる価値の提供に努めていきます。

グローバル市場で展開している主なビジネス

1-③ あらゆる構造改革による価値の拡大

個々の事業が生み出す価値を評価基準のひとつとして、強い事業ポートフォリオを構築し、収益性を高めるため、グループ全体でさまざまな構造改革を推進していきます。
需要の減少が避けられない事業は縮小・再編し、市場成長性と収益性が高い「注力事業」に、人的資本や研究開発投資、土地・設備等の経営資源を集中的に振り向けることで、事業構造を転換・強化し、価値の一層の拡大に努めます。

各事業部門における主な構造改革の例

【基本方針2】成長を支える経営基盤の強化

2-① 財務・非財務資本の強化

DNPは財務資本と非財務資本(人的/知的/製造/自然/社会・関係の各資本)を統合的に活かすことで、中長期的な成長を支える経営基盤を強化していきます。特に「資本政策」と「環境/人財・人権/DX推進に関する取り組み」を強化し、具体的な行動計画を策定・実行していきます。
「資本政策」の一環として「注力事業」への投資を進め、2022年度までの中期経営計画では、年間1,000億円規模の投資を計画しています。そのほか、資本効率の向上、財務基盤の安定化と株主還元の実施など、さまざまな資本政策を総合的に勘案して推進していきます。
これらの施策を通じて、価値の創出に向けて変革に挑戦し続ける組織風土を醸成し、DNPグループの持続可能な成長につなげていきます。

2-② コーポレート・ガバナンスの強化

DNPは経営の重要課題のひとつとして、コーポレート・ガバナンスの強化に努めています。迅速かつ的確な経営の意思決定や業務執行、およびそれらを監督・監査する強固な体制を構築して運用するとともに、社員の研修・教育を徹底するなど、多様な施策を連動させて取り組みを加速しています。
2021年6月の株主総会では、取締役を女性1名を含む12名とし、その3分の1の4名を社外取締役とする議案が可決されました。取締役会の実効性の分析・評価は年1回実施しており、分析結果を社外役員で議論するとともに、取締役会で共有しています。
DNPはまた、ESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みを積極的に推進しており、その取り組みが社外からも高く評価されています。例えば、世界的な社会的責任投資(SRI)の指標「FTSE4Good Global Index」に21年連続で選定されているほか、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用するESG指数の構成銘柄などにも選定されています(2021年7月時点)。

DNPは、社会の持続可能な発展に貢献し、私たち自身の企業価値を向上させることによって、あらゆるステークホルダーから信頼される企業になることをめざしています。そのためにも多くのステークホルダーの皆様との「対話」を深めていきたいと考えています。今後とも一層のご指導とお力添えを賜りますよう、お願い申しあげます。

トップメッセージ

DNPがめざす未来/ありたい姿
「"人と社会をつなぐ"新しい価値を創出していく」