代表取締役社長 北島義斉インタビュー

DNPグループは変革に挑戦し続け、新しい価値を創出・提供・拡大していきます。

課題を解決するものとして、また、人々の期待に応えるものとして“あたりまえ”に存在するようにしていきたい。
そんな気持ちを「未来のあたりまえをつくる。」という言葉に込めて、DNPはさまざまな事業を展開していきます。

Q.「第三の創業」の実現を目指しているとのことですが。

変革に挑戦し、「新しい価値」を生み出し続けることによって、「第三の創業」を実現していきます。

国内外の経済・社会・環境の状況は今、かつてないほど大きく急激に変化しています。DNPはそうした変化を先取りしながら、自らが変革に挑戦していくことで、新しい価値を提供していきたいと考えています。
DNPには、独自に進化させてきた「P&I(印刷と情報)」の強みがあり、それを掛け合わせていくことによって、「DNPならではの価値」を生み出すことができます。それは、人々の暮らしを心地よいものにし、人々の気持ちをわくわくさせるような価値であり、同時に生活の基盤を持続可能で安全・安心なものにするため、社会の課題を解決していく価値でもあります。

大日本印刷の前身となる2社が創業し、出版印刷を中心に事業を展開した時期に続き、印刷技術の応用・発展によって事業領域の拡大を果たした「第二の創業」を越えて、今DNPは、「第三の創業」の実現に取り組んでいます。
それは「P&I」というDNP独自の強みを掛け合わせるとともに、私たちとは異なる強みを持ったパートナーとの連携を深め、社会の課題を解決し、人々の期待に応える新しい価値を生み出していく挑戦でもあります。その実現に向けて「オールDNP」の総合力を発揮すべく、各部門が個々に保有してきた技術や資産の連動を強化するなど、さまざまな取り組みを加速させています。

Q.「新しい価値」をどのように生み出していくのでしょうか。

「価値の創出・提供・拡大」に向けた3つの施策を推進していきます。

1 .成長領域を中心とした価値の創出

DNPは、「P&Iイノベーションにより、4つの成長領域を軸に事業を拡げていく」という事業ビジョンを掲げ、「知とコミュニケーション」「食とヘルスケア」「住まいとモビリティ」「環境とエネルギー」という4つの領域で、事業の成長に取り組んでいます。
2015年に国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」にもあるように、世界にはまだ多くの課題が解決されないまま残っています。DNPは、これらの課題解決に取り組むことで、社会基盤をより安定的なものにするだけでなく、そこで暮らす人々の文化をより豊かなものに醸成し、期待に応え、期待を超えるようなサプライズを届けていきたいと考えています。
DNPがつくり出す製品・サービスに対して、国内外の企業や生活者にそうした価値を感じてもらい、その対価として、収益を上げていくように努めていきます。

2 .グローバル市場に向けた価値の提供

現在、バリューチェーンや情報ネットワークはグローバルに広がり、かつ緊密に連動しており、DNPも世界を市場として広く事業を展開しています。その際は、海外の各地域の特性や課題、ニーズを的確に捉え、DNPの製品・サービスがそこで価値のあるものになるかどうかをしっかりと見極めるように努めています。
DNPは1964年に海外でのビジネスをスタートし、現在、日用品や食品等のパッケージ事業のほか、写真プリント用の記録材の製造や写真サービス事業、住宅や非住宅用の内外装材、電子デバイス等のエレクトロニクス製品などをグローバルに展開しています。海外の拠点で働く約5千人の社員とともに、今後はさらに国内と海外の相乗効果を高めていく計画です。

3 .あらゆる構造改革による価値の拡大

価値への対価が収益となると捉え、その価値を確実に高めていくことで成長していきたいと考えています。事業競争力を強化し、利益を最大化するため、常に価値の視点から戦略や戦術、市場などを見直し、社内の体制やルールなどを最適化していくように努めていきます。
これまでも、事業部門やグループ会社の統合・再編に取り組んできましたが、引き続き、最適な事業ポートフォリオの構築を目指し、あらゆる構造改革を進めていきます。

Q.ESG(環境・社会・ガバナンス)への対応が重要になってきていますが。

ステークホルダーから信頼される企業となるための重要課題として取り組みを強化していきます。

私たちは、社会の持続可能な発展に貢献し、DNPの企業価値を向上させて、あらゆるステークホルダーから信頼されるために、ESG(環境・社会・ガバナンス)対応の強化を意識した企業活動を推進しています。
「環境」については、事業活動と地球環境との共生を絶えず考慮し、行動規範のひとつに「環境保全と持続可能な社会の実現」を掲げています。「DNPグループ環境方針」を定め、法規等の遵守はもちろん、さまざまな環境活動に取り組んでいるほか、環境負荷を低減する製品・サービスの開発など、事業を通じた貢献に努めています。例えば、人々の暮らしに身近な、DNP環境配慮パッケージシリーズ「GREEN PACKAGING」を展開し、植物由来の原料を一部に使用した包装材「バイオマテック」や、リサイクルしやすい単一素材(モノマテリアル)のパッケージ等を販売しています。また、「DNP多機能断熱ボックス」に関して、輸送効率の改善、環境負荷の低減、低温輸送を維持するコールドチェーンの構築による食品廃棄の抑制などが高く評価され、2019年4月に「地球環境大賞」の大賞を受賞しました。
「社会」の関連では、「公正な事業慣行」「人権・労働」「責任ある調達」「製品の安全性・品質」「情報セキュリティ」「企業市民」など、CSRマネジメントの重点テーマを定めて、さまざまな活動に力を入れています。その中で、例えば、2000年代の初めから女性の活躍推進に取り組んできた実績を活かし、2018年6月にダイバーシティ推進室を設置して、多様性を活かした価値創出の取り組みを加速させています。
また、コーポレート・ガバナンスの強化も、経営上の重要課題のひとつであると捉えています。経営の意思決定や業務執行、それらを監督・監査する強固な体制を構築して運用するとともに、社員の研修・教育を徹底するなど、統合的なガバナンスの充実に努めています。
こうしたDNPのESGへの取り組みは、社外からも高く評価されており、例えば、世界的なSRI(社会的責任投資)の指標「FTSE4Good Global Index」「MSCI Global Sustainability Indexes」等に選定されています。また、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用する4つのESG指数の構成銘柄のすべてに、国内の印刷業界で唯一選定されています(2019年7月時点)。

Q.ステークホルダーの皆様へのメッセージを。

DNPは人財をはじめとする強みを活かし、人々の身近にいつも存在する「未来のあたりまえ」をつくっていきます。

DNPグループの約4万人の社員は、何よりも個々の強みを持った貴重な人財であり、その強みの掛け合わせには無限の可能性があります。また、DNPとは異なる強みを持った社外のパートナーとも、より強力にコラボレーションしていきます。
その効果を高めるためにも、急激に変化する社会全体を視野に入れ、より風通しの良い組織をつくり、働きやすく、価値を創出しやすくしていけるように、人事諸制度の設計・再構築を進めていきます。

また、私たちには、常に変革に挑戦し続けていくという企業文化があります。
社会の課題や人々の期待を先取りして、どのような価値が求められているのかを見据え、最適な製品・サービスを通じて新しい価値を提供していきます。生活者一人ひとりの身近に、DNPの製品・サービスが欠かせないものものとして“あたりまえ”に存在するようにしていきたい。そんな気持ちを「未来のあたりまえをつくる。」という言葉に込めて、DNPはさまざまな事業を展開していきます。

DNPは引き続き、透明性・公平性を確保することはもちろん、株主の皆様をはじめ、多くのステークホルダーの皆様と対話を深め、持続的な成長と企業価値の向上を図ってまいります。今後とも一層のご指導とお力添えを賜りますよう、お願い申し上げます。

「第三の創業」の実現に向けて

DNPは今、他社にはない独自の「P&I(印刷と情報)」の強みを掛け合わせるとともに、多くのパートナーとも広く協業を行い、社会課題を解決するとともに、人々の期待に応える新しい価値の創出に力を入れています。どの時代にも「変革への挑戦」を続けてきたDNPは、グループが一丸となった「オールDNP」の総合力を発揮して「第三の創業」を達成し、DNPと社会の持続可能な成長につなげていきます。

「第三の創業」の実現に向けた3つの重点施策

成長領域を中心とした価値の創出
SDGsにあるように、世界にはまだ多くの課題が残されています。DNPは、社会課題を解決することはもちろん、人々の予想や期待を超える製品・サービスを開発、提供していくことで、これまでになかった「新しい価値」を生み出していきます。
グローバル市場に向けた価値の提供
バリューチェーンがグローバルに広がるなか、DNPは国内だけでなく、世界的な視野に立って事業を展開していきます。DNPは2019年3月現在、15の製造拠点と27の営業拠点を海外で展開しており、「新しい価値」を国内外に広く提供していきます。
あらゆる構造改革による価値の拡大
常に価値の視点から、市場やビジネスモデル等を見直し、事業部門や拠点の統合・再編を含む事業構造改革やコスト構造改革を推進します。また、人財や知的財産等の非財務資本と財務資本を統合的に活かすなど、価値の拡大に努めます。

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