代表取締役社長 北島義斉インタビュー

「オールDNP」の総合力によって「中期経営計画」を推進し、
社会課題を解決するとともに、人々の期待に応える新しい価値を創出

コロナ禍を乗り越え、新しい価値の創出へ

世界的な新型コロナウイルス感染症の広がりにより、お亡くなりになられた方々、ご家族や関係者の皆様に謹んでお悔やみ申し上げますとともに、感染された方々や生活に影響を受けられている方々に、心よりお見舞い申し上げます。また、感染の拡大防止に尽力されている医療関係の皆様をはじめ、人々の生命や暮らしを守るために働かれている多くの方々に深く感謝するとともに、心より敬意を表します。
DNPグループは、社員とその家族、取引先やパートナーの皆様の健康と安全を最優先として感染拡大防止に努めながら、さまざまな施策を推進しています。2020年1月には、代表取締役社長の私を本部長とする「中央新型コロナウイルス対策本部」を設置し、さまざまな施策を迅速かつ適切に推進してきました。事業活動については、社会生活の維持に不可欠なビジネス、例えばEC取引に関わるデータセンターや決済サービスの安定的な提供、食品・飲料・日用品・医薬品等の生活必需品のパッケージや医薬原薬の安定供給などを、事業継続計画(BCP)に沿って積極的に展開しています。
また、この間、テレワークが大きく進展し、教育ICTやオンライン診療などの需要が高まってきました。消費のスタイルも変わり、ネットとリアルの組み合わせによる新しいサービスが広がっています。DNPはこうした変化に対応するだけでなく、高度な情報セキュリティ基盤の強み、バリューチェーンや企業の業務プロセスの全体に関わっている強みなどを活かし、自らが変化をつくり出していきたいと考えています。
コロナ禍のなかで、ニューノーマル(新常態)への移行が模索されていますが、収束後も、過去の姿に戻すのではなく、より良い経済・社会・環境の形成に貢献していきます。そのための変革を一気に進めるチャンスだと捉え、人々の暮らしや企業活動に「なくてはならない価値」を開発、提供し続けることによって、DNP自身を中長期にわたって「社会に欠かせない会社」にしていきます。

企業価値の向上と持続可能な社会の実現に向けて、中期経営計画を推進

DNPグループのありたい姿

社会や環境が大きく急激に変化し、人々の価値観なども変化するなか、DNPグループは「人と社会をつなぎ、新しい価値を提供する」という企業理念に基づき、社会課題を解決するとともに、人々の期待に応える新しい価値の提供に努めていきます。そして、DNPの製品・サービスを、生活者一人ひとりの身近に常に「あたりまえ」に存在する「なくてはならない価値」にしていきたい。その気持ちを「未来のあたりまえをつくる。」という言葉に込めて、さまざまな変革に挑戦し続けていきます。
世界には現在、新型コロナウイルスだけでなく、多くの変動要因(リスク)が存在しています。私たちはそれらをしっかりと把握し、マイナスの影響を抑えるだけでなく、先んじて課題解決に取り組み、より良い社会、より良い暮らしにつなげていきます。

中期経営計画(2020-22年度アクションプログラム)について

DNPは2025年3月期に、営業利益目標を750億円とし、安定的にROE5.0%以上を確保することをめざしています。その実現に向けて、次の2つを基本方針とする中期経営計画を推進しています。

【基本方針1】P&Iイノベーションによる価値の創造

1-① 成長領域を中心とした価値の創出

DNPは、グローバルな社会課題やメガトレンドを分析し、ステークホルダーの関心・影響やDNPにおける重要度などを勘案して、「重要課題」を設定しています。「知とコミュニケーション」「食とヘルスケア」「住まいとモビリティ」「環境とエネルギー」の4つの成長領域を中心に、事業ビジョンにある「P&Iイノベーション」を推進しています。これは、「P&I」(印刷と情報)の独自の強みを掛け合わせ、パートナーとの連携を深めていくことで、革新的な新しい価値をつくり出していく取り組みです。
特に、国内トップシェアのICカードや、世界トップシェアのリチウムイオン電池用バッテリーパウチ、有機ELディスプレイ製造用部材、写真プリント用熱転写記録材、ディスプレイ用光学フィルム等を中心に、事業の拡大に努めていきます。

1-② 各国・地域への最適な価値の提供

現在、バリューチェーンや情報ネットワークがグローバルに広がり、緊密に連動するなか、DNPは世界No.1シェアを獲得している製品・サービスの強みを活かすとともに、各国・地域の特性やニーズにきめ細かく対応し、個々に最適化した価値を提供していきます。
グループの従業員のうち、約8分の1が海外の拠点で働いており、2020年3月期の海外売上高は約18%を占めています。海外での市場探索や先端技術の獲得を行うグローバルマーケティング部門などの体制も強化し、国内外の連携を深めていくことによって、さらなる価値の提供に努めていきます。

1-③ あらゆる構造改革による価値の拡大

個々の事業が生み出す価値を評価基準のひとつとして、強い事業ポートフォリオを構築し、収益性向上に向けて、さまざまな構造改革を推進していきます。
リソースの選択と集中に努め、人的資本や研究開発投資、土地・設備等を注力事業に振り向けることで、事業構造を転換・強化し、価値を一層拡大していきます。

【基本方針2】成長を支える経営基盤の強化

2-① 財務・非財務資本の強化

DNPグループは、中長期的な成長に向けて、財務資本と非財務資本を統合的に活かすことで経営基盤を強化していきます。特に、「資本政策」および「環境に関する取り組み」「人財・人権に関する取り組み」を強化し、具体的な行動計画を策定して、実行していきます。これらの施策を通じて、変革に挑戦し続ける組織風土を醸成し、持続可能な成長を支える基盤を形成していきます。
「資本政策」に関しては、基本方針1と連動させて、成長領域を中心とした注力事業への投資などを進め、今後3年間は、年間1,000億円規模の投資を計画しています。これらの事業投資の財源として、自己資金だけでなく、他人資本の活用による成長資金の調達や、遊休資産の圧縮などを進めていきます。そのほか、資本効率の向上、財務基盤の安定化と株主還元の実施など、さまざまな資本政策を総合的に勘案して推進していきます。

2-② コーポレート・ガバナンスの強化

DNPは経営の重要課題のひとつとして、コーポレート・ガバナンスの強化に努めています。迅速かつ的確な経営の意思決定や業務執行、およびそれらを監督・監査する強固な体制を構築して運用するとともに、社員の研修・教育を徹底するなど、多様な施策を連動させて取り組みを加速させています。
DNPは、ガバナンスの強化も含むESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みを積極的に推進しており、その取り組みが社外からも高く評価されています。例えば、世界的なSRI(社会的責任投資)の指標「FTSE4Good Global Index」に20年連続で選定されているほか、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用する4つのESG指数の構成銘柄のすべてに、印刷業界で唯一選定されています(2020年7月時点)。

DNPは、社会の持続可能な発展に貢献し、私たち自身の企業価値を向上させることによって、あらゆるステークホルダーから信頼される企業になることをめざしています。
例えば、今回のコロナ禍のなかでも、社会の課題を解決するとともに、人々の期待に応える新しい価値を提供するという「DNPの務め」を果たすことに力を尽くしています。人々の暮らしと社会をより良いものにしていく価値を提供し続けるため、さまざまな変革に挑戦していきます。
そのためにも多くのステークホルダーの皆様との「対話」を深めていきたいと考えています。今後とも一層のご指導とお力添えを賜りますよう、お願い申しあげます。

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