社長インタビュー

「第三の創業」の実現に向けて

代表取締役社長 北島義斉

「DNPグループの4万人は個々の強みを持った財産であり、その強みの掛け合わせには無限の可能性があります。さらに私たちDNPの強みとパートナーの強みを掛け合わせて、社会に資する価値をつくり出し、それを世界に広げていくことで、より良い未来の実現に貢献できると信じています。」

Q.創業以来、どんな強みを培ってきて、それを今後、どのように活かしていきますか。

他にはない強みを統合的に掛け合わせ、社会課題を解決する価値を創出していきます。

DNPの前身である秀英舎は1876年に創業し、最初の約70年間は、出版印刷を中心とした事業を行ってきました。その後、戦後の混乱期にあって深刻な経営環境に直面しましたが、1951年に「再建5か年計画」を掲げ、印刷技術の応用によって事業領域を拡大する「拡印刷」を推進しました。印刷する対象を紙からフィルムや金属などに拡げることで、証券印刷から包装や建材、エレクトロニクス製品までを手がける、世界でも稀な総合印刷業へと変革してきたのです。その成果を私たちは「第二の創業」と呼んでいますが、1970年代には早くも情報のデジタル化に取り組み、ICカードやネットワーク関連のビジネスを拡げるなど、常に変革に向けた挑戦を続けてきました。

しかし今、私たちは、大きな時代の変化のなかにいます。これまでは取引先企業の課題に対応していれば業績を伸ばすことができましたが、現在は取引先企業自身が課題を把握しきれないような状況であり、DNPが自ら人々や社会の課題を発見し、その解決に真摯に対応していく必要があります。

そのためには、「第二の創業」を超える「第三の創業」を実現させなければいけないと強く思っています。その実現には、他社にはない「P&I(印刷と情報)」の強み、技術や人財といった非財務資本と財務資本、そしてパートナーの強みを掛け合わせていく統合的な活動が欠かせません。それによって、社会課題を解決する“新しい価値”を生み出し続け、中長期の成長につなげていけると考えています。

取引先企業だけでなく社会全体を見据え、そこで暮らす人々のことを考えて、潜在的な課題やニーズを掘り起こしていくことが大切です。視点を変えることで、いち早く多くの社会課題に気づくことができます。そのなかからDNPだからこそ解決できるターゲットを選び取り、それをビジネスに結び付けていきたいと考えています。

「第三の創業」とは、DNPが社会課題を解決する価値を提供し続けていく挑戦であり、グループを挙げてその実現に取り組んでいきます。

Q.「第三の創業」に向けて、どのような施策を推進していきますか。

「価値の創出・提供・拡大」に向けた3つの施策を推進していきます。

1 .成長領域を中心とした事業の拡大による価値の創出

DNPは、「P&I」の強みとパートナーの強みを掛け合わせて、「知とコミュニケーション」「食とヘルスケア」「住まいとモビリティ」「環境とエネルギー」という「4つの成長領域」で、社会課題の解決につながる新しい価値を創出していきます。DNPとして真の強みを発揮できる製品・サービス、つまり「誰も簡単に真似のできないもの」、究極的には「競争すら存在しないもの」を生み出していきたいと考えています。
2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」でも示されているように、まだまだ私たちの周りには解決されていない多くの課題が残されています。つまり、そこには解決策が存在していないわけで、私たちがつくり出す製品・サービスは、そうした課題に直面している人々にとって、待ち望んでいた“新しい価値”となります。DNPは“新しい価値”を生み出し続けることによって、強い事業ポートフォリオを構築していきます。

2 .グローバル市場に向けた価値の提供

市場やバリューチェーンのボーダーレス化が進むなか、国内および海外に広く、課題解決につながる価値を持った製品やサービスを提供していきます。既存の製品・サービスや技術的な強みなども、新たな視点で見直して掛け合わせたり、国内外の新たなマーケットに展開したりすることで、イノベーションにつなげていけると考えています。
そのためには、地域に合わせた最適な設計を行い、その場所に欠かせない製品・サービスとして提供することが重要であり、私たちはグローバルなマーケティング機能の強化にも力を入れていきます。

3 .あらゆる構造改革による利益など企業価値の拡大

こうして生み出していく新しい価値も、時間の経過や、他社の追い上げなどによって、魅力が薄れていくことがあります。そのため、事業競争力を維持・強化し、利益を最大化していくには、常に「新しい価値とは何か」について考え続け、戦略や戦術、取引先や市場を見直すとともに、社内の体制やルールなどを最適化していくことが重要です。DNPはこれまでも、事業部門やグループ会社の統合・再編に取り組んでおり、また、営業・生産・業務の革新活動などを展開してきました。これからも、企業価値の最大化をめざして、あらゆる事業構造改革を進めていきます。

Q.今後注力したいことをお聞かせください。

「対話と協働」を深め、価値を創出できる風土づくりを進めていきます。

DNPが「第三の創業」を果たしていくには、社員一人ひとりの行動と意識の変革も欠かせません。これまでは、個々の事業部単位で、営業・企画・技術・製造・管理等の体制を構築することが効果的でした。しかし現在、人々の価値観やニーズが多様化しているなかでは、変化に合わせた柔軟でスピーディな企業活動が必要であり、単一の事業部では対応できないケースも増えています。DNPグループの4万人の社員は、それぞれがプロフェッショナルとしての強みを持つ貴重な財産であり、その強みの掛け合わせには無限のパターンがあります。だからこそ「第三の創業」の実現には、社員全員が「オールDNP」の意識を持ち、対話を深めてコラボレーションしていく風土が重要となるのです。さらに、国内外のパートナーや多くのステークホルダーの皆様との対話と協働を深めることで、継続的に価値を創出していきたいと考えています。

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