印刷技術の強み:後加工

製本・紙製品の加工から始まりフィルム包装やプラスチック成型などの加工技術開発へ

包装パッケージのイメージ画像

印刷において、重ねる・折る・綴じる・断裁するなどの加工を行う「製本・加工」から「後加工」へと技術を発展させてきたDNP。これは用途に合わせ使いやすいように形を整えるための技術だ。この技術は飛び出す絵本をはじめ、紙の箱の製作やプラスチック製品の成形・印刷、ペットボトルの無菌充填などのさまざまな加工技術に応用してきた。複数のフィルムを貼り合わせる“ラミネート技術”も、この後加工のひとつ。

1970年代以降、それまで缶詰に加工されていたものがレトルトパウチへと切り替わっていった。レトルトパウチに求められるのは、中身の成分を維持しながら、開封もしやすいといった点。
DNPは後加工で培ったラミネート技術を活用し、レトルトパウチの開発に成功した。このラミネート技術は、包装パッケージ以外にも活用されている。

製本、型抜き・組み立てなど立体などからはじまった「後加工」技術は、食品・飲料日用品等パッケージや、無菌充填などのシステム開発、各種製品の検査・計測・解析などにつながり、これからもさまざまな分野へ発展させていく。

無菌充填システム

無菌の環境下で内容物を充填。デリケートな風味をそのまま封止!

無菌充填技術

DNPは、滅菌した包装材料に無菌環境下で飲料や食品を充填する「無菌充填システム」を開発し、食の安全性の向上や環境負荷の低減に貢献してきた。開発には、食品保存・殺菌の技術に加えて、充填機の機械設計、制御、センシング技術や、包装材料の設計技術など多岐にわたる技術が活かされている。

さまざまな形態で採用されている無菌充填システム

ペットボトル用無菌充填システム

DNPの無菌充填システムは、さまざまな包装形態や充填容量への対応が可能であり、高品質な内容物の充填が可能だ。環境意識の高まりから注目されている紙容器においても、スイスのSIG Combibloc社との協業により新たな無菌充填システムの導入を開始した。これにより、小さな固形物の入った飲料や液体状の食品の無菌充填を行うことが可能となった。このシステムは生産性が非常に高く、食品や包材のロスが少なく、現在まで無菌液体紙容器では困難であった、充填機の容量変更も可能。また、PETボトル用無菌充填システムでは、従来の高温充填から常温充填が可能となったためボトルの軽量化・薄肉化が可能となり、環境負荷の低減にも役立っている。

真空断熱材用フィルム

真空状態で封止し、熱伝導を防ぐ。

DNP多機能断熱ボックス

DNP多機能断熱ボックス

真空断熱パネル(VIP:Vacuum InsulationPanel)は、家庭用大型冷蔵庫や飲料自動販売機などに薄型で高性能な断熱材として広く使用されている。DNPはVIPの芯材(グラスウールやシリカ粒子など)を包んで真空を維持するための積層バリアフィルムを提供している。省エネや地球温暖化対策の重要度が年々高まる中、VIPを適用する領域がこれからますます拡大すると考えられる。DNPは、その高性能なVIPを用いた断熱ボックス「DNP多機能断熱ボックス」を物流分野に提供することで、省電力、CO2排出量削減、フードロス低減、トラックドライバー不足といった社会課題の解決に貢献できると考えている。

「DNP多機能断熱ボックス」は、保管時や返送時に折り畳んで省スペース化でき、適切な量の蓄熱材を併用すれば、断熱ボックスが魔法瓶のような働きをして、電力を消費せずに長時間、定温を維持できる。この製品が評価され、「第28回地球環境大賞」を受賞することができた。

コンバーティング技術の掛け合わせ

VIP性能を支配する積層バリアフィルムは、酸素や水蒸気を通しにくいガスバリア性を有するDNP透明蒸着フィルム(IB-FILM)を中心に、独自の設計思想で複数の素材を積層して構成され、高断熱、高耐久で信頼性の高いVIPを実現するための重要な材料の一つだ。その製造プロセスには、これまでにDNPが培ってきたコーティング技術、ラミネート技術、製袋などのコンバーティング技術が組み合わされている。
DNPはVIPの性能・品質をさらに向上させ、プラント設備や住宅・建築材料といった新しい領域にも展開することで、環境にやさしい社会づくりに貢献し、「未来のあたりまえ」を実現していく。

印刷技術の拡がりと高度化