「定期テスト廃止」など先進的な学校改革を進める麹町中学校で「リアテンダント」の実証研究を実施

テスト採点時間を6割削減し、生徒と向き合う時間を拡大

2020年3月27日

大日本印刷(DNP)は、「働き方改革」を実現するとともに、児童・生徒一人ひとりに応じた学びと教員の指導を支援する学習支援プラットフォーム「リアテンダント🄬」*1を全国の自治体や学校に提供しています。これまで、神奈川県相模原市、岡山県倉敷市、奈良県奈良市、東京都荒川区、東京都武蔵村山市、静岡県藤枝市、大阪府泉大津市などで全校導入されてきました。2020年3月には、全国100校(教員150人以上、自治体数では政令市含む42自治体のモデル校)で、「リアテンダント」の2020年度導入に向けた実証研究を完了しました。そのなかで今回、東京都千代田区立麹町中学校にて、「リアテンダント」を活用したテスト採点業務の改善に関する実証研究を行いました。

麹町中学校の学校改革と、「リアテンダント」実証研究の背景

麹町中学校は、これまで中学校で慣習的に行われてきた「学校の当たり前」をやめる独自の改革を行い、全国から注目を集めています。代表的な取り組みとして、「定期テスト」「担任制」「宿題」を廃止し、生徒の自律性を育むユニークな学校改革を実施しています。廃止した定期テストに替えて、何度も再チャレンジできる単元テストや実力テストを実施して、生徒一人ひとりが自発的に学べる環境づくりを行っています。一方、その取り組みの推進に当たって、教員の採点業務の負荷が高まるという課題がありました。その課題に対して、今回「リアテンダント」を用いた採点デジタル化の実証研究を実施した結果、従来の採点業務に比べて、教員の業務時間が60%削減されるという効果が得られました。同校では、採点の効率化によって、教員が個々の生徒に向きあう時間の創出につなげていきます。

また、同校の工藤勇一校長は、教育再生実行会議委員などの公職を数多く務めるほか、著書や講演、テレビ等を通じて教育改革の必要性や同校の取り組みについて情報発信しており、多くの注目を集めています。*2

【工藤校長のメッセージ】

「麹町中学校は定期テストを廃止し、教科ごとの単元テストへ切り替え、希望する生徒には何回でも再チャレンジすることを認めています。この改革によって得られた最大の効果は、生徒が他人との差を気にしなくなったことだと思います。『その単元が、自分として十分に理解できているか?』『単元テストの結果は、自分として満足できるものか?』に意識が向くため、他人と比較することが無くなり、学びに向かう姿勢が変わりました。生徒たちのアンケートには『(定期テストが廃止され)学校の空気が丸くなった』という声もあり、学校の雰囲気も変わり始めています。

一方で教員にとっては、頻繁なテストの採点業務が負荷となってしまうため、採点業務の効率化は喫緊の課題でした。リアテンダントのように、ICT技術を用いて教員の負荷を軽減する仕組みは不可欠であり、非常に意義あるものだと感じています。」

実証研究の概要と効果

期間 : 2019年9月~2020年2月

実証に参加した教員 : 7名

実証対象学年(科目) : 1学年(数学)、2学年(数学・英語・理科・社会)、3学年(社会)

効果例(採点業務の所要時間) : 従来675分→リアテンダント利用後258分(60%の時間削減)


※グラフは、1回のテスト(生徒約135人分)を7名の教員がそれぞれ実施して算出した実測値です。

実証研究に参加した教員からは、「採点時間が短くなった」「合計点や観点別得点が自動で集計され、作業がラクになった」「点数の細かい分析ができるようになった」「空いた時間で生徒を見る時間が増えた」などの声がありました。「働き方改革」にもつながり、削減された時間で生徒と向き合う時間が増えたことについて、高い評価を得ています。

DNPは、実証を通して得られた学校現場の需要や効果をもとに、「リアテンダント」の機能やサービス強化を図りながら、引き続き、学校や自治体に応じた「働き方改革」「個に応じた指導」を支援していきます。


*1 「DNP学習クラウドリアテンダント🄬」:https://www.dnp.co.jp/biz/theme/edu/ 
*2 工藤勇一(くどう・ゆういち)氏: 東京理科大学理学部応用数学科卒。山形県公立中学校教員、東京都公立中学校教員、東京都教育委員会、目黒区教育委員会、新宿区教育委員会教育指導課長等を経て、2014年から千代田区立麹町中学校長。(2020年3月現在)教育再生実行会議委員、経済産業省「未来の教室」とEdTech研究会委員などの公職を歴任。