大日本印刷 国立精神・神経医療研究センター病院とTRCと共同で医療観察法病棟電子図書館プロジェクトを開始

2021年3月24日

大日本印刷株式会社(DNP)は、国立精神・神経医療研究センター病院(NCNP)およびDNPグループの株式会社図書館流通センター(TRC)と共同で、全国の医療観察法病棟*1の入院処遇対象者が利用可能*2な電子図書館を立ち上げ、電子図書の読書に関する対象者の実際の行動と効果を検証する研究(医療観察法病棟電子図書館プロジェクト)を2021年2月に開始しました。

背景

医療観察法病棟の入院処遇対象者の入院は長期にわたり*3、この期間中の外出泊の機会は限定的となり、多くの施設では公共図書館の利用も困難になります。また個人情報保護や病棟のセキュリティ確保の観点から、PC・タブレット端末・スマートフォン等の情報通信機器の使用も厳しく制限されます。このように入院生活のなかで、書籍等の情報へのアクセスが長期にわたって厳しく制限される状況は、人権的にも、退院後の社会復帰の促進という医療観察法の目的の観点からも課題となっており、今回、入院中の電子図書館の利用促進に関する研究をスタートします。研究参加者は、ICT機器を使用した電子図書の閲覧が可能となります。

医療観察法病棟電子図書館プロジェクト

本プロジェクトは、医療観察法病棟の入院処遇対象者が情報にアクセスできる環境の改善を想定した新たな試みです。研究期間は最長で2024年3月までを予定しており、電子図書館の活発な利用状況や、対象者の精神状態や社会復帰に対する良い影響などが確認された場合は、すみやかに研究からサービスへと移行することを目指しています。

情報へのアクセス制限は、医療観察法病棟だけでなく、一般の精神科病棟や矯正施設なども含めて、社会生活面での制限がある施設の入所者に共通する課題となっており、本プロジェクトの取り組みと得られる成果について、幅広い場面に展開していくことが期待されています。

DNPとTRCは、本プロジェクトで使用する電子図書館のシステム(プラットフォーム)と各種コンテンツを提供し、電子図書館の技術・ノウハウなどによって社会課題の解決に貢献していきます。

※本プロジェクトは、三菱財団社会福祉事業・研究助成「医療観察法病棟における社会復帰の促進を目的とした情報アクセス環境改善のためのプロジェクト(研究代表者:竹田康二)」の助成を受け、また、国立精神・神経医療研究センター倫理委員会の承認を得て実施します。
※本プロジェクトにおけるコンテンツの提供は有償となります。
*1 医療観察法病棟は、全国33の指定入院医療機関に計833床設置されています。
*2 現時点では、本プロジェクト参加指定入院医療機関の医療観察法病棟入院処遇対象者であり、かつ本プロジェクト参加の同意が得られた方のみ利用可能です。2021年2月の時点では、国立精神・神経医療研究センターのほか国立病院機構さいがた医療センター、岡山県精神科医療センター、国立病院機構小諸高原病院、国立病院機構琉球病院、島根県立こころの医療センター、神奈川県立精神医療センターの7つの指定入院医療機関が、本プロジェクトへ参加しています。
*3 入院期間は、ガイドラインで1年半が目標とされていますが、実際には2年を大きく超える水準で推移しています。