2017年3月24日

資源リサイクルに適した解体しやすいアルコール飲料向け液体紙容器を発売

大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島義俊 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、常温でのアルコール飲料の長期保存が可能な口栓付き紙容器において、廃棄の際に従来よりも容易に解体できる、資源リサイクルに適した「DNP易解体液体紙容器」の新タイプを4月に発売します。

【「DNP易解体液体紙容器」の開発背景と特長】

近年、環境に配慮した生活を心がける人が増えるなか、省資源化やリサイクルなど、環境負荷低減に向けた企業の取り組みが高く評価されるようになってきました。DNPは1983年に水蒸気や酸素の透過を抑える多層バリアフィルムを開発し、パッケージの内容物の保存期間延伸などに取り組んできました。また、植物由来の原料を一部に使用した包装材「バイオマテック」シリーズを提供するなど、生物多様性・持続可能性の確保に配慮した多様な包装材を開発しています。
アルコール飲料向けの液体紙容器は、内容物保護の観点からバリアフィルムの紙への貼り付け強度を高めているため、リサイクルや廃棄の際の解体に手間がかかることが課題とされてきました。DNPは、2016年5月に廃棄時に容易に切り開くことができる「解体しやすいタイプ」と紙層と内装のフィルム層を簡単に剥がして分離できる「紙とフィルムを分離できるタイプ」の2種の液体紙容器を開発しました。今回「解体しやすいタイプ」において、容器の天部に特殊な易開封加工を施すことによって、天部の開封性を大幅に改善することで解体をさらに容易にした「DNP易解体液体紙容器」を開発しました(下図3と4の解体が簡単にできます)。従来品と比べて密封性やシール強度などに差はなく、また既設の充填機などの生産ラインで対応可能のため、設備改造や新規設備導入の必要はありません。

【人間工学的解析手法で開封性を考察】

今回大幅に向上した開封性については、人間工学的解析手法である触動作センサーにて評価を行いました。触動作センサーは、作業時の指腹にかかる力(接触力)や指の動き(加速度)を指腹の感覚を阻害することなく計測できるセンサーです。
DNPはパッケージ評価に特化したオリジナル解析プログラムと触動作センサーを組み合せることで使いやすさに影響を与えている要因を数値データによって特定し、使用行動のどの部分に問題があるのかを明らかにしパッケージの開発、改善を進めています。「DNP易解体液体紙容器」の評価にも同手法を適用し、容器の天部の開封にかかるエネルギーを計測したところ、易開封加工を施した本開発品は、従来品より60%少ない力で開封ができ、牛乳パックとほぼ同等の力で開封できることが確認できました。

※DNPは、パッケージや店頭販促物を「分かりやすく」「買いやすく」「使いやすく」するために、ヒトの 「行動データ」や「プロセスデータ」を活用し、現状把握から課題抽出を行い、改善案を提案しています。
詳細はこちらをご覧ください。 : https://www.dnp.co.jp/biz/solution/products/detail/1188752_1567.html

【今後の展開について】

DNPは本製品を、清酒、焼酎などの酒類業界向けに販売し、2018年度に5億円の売上を目指します。
また今後は、本製品を「DNPキャップ・中栓同時開栓注出口*」と組合せることで、簡単に開栓できて廃棄しやすく、人にも環境にも配慮した液体紙容器として紹介していきます。
さらに、容器をスリム化して持ちやすく、注ぎやすくするなど機能面での改良も続けていきます。

*詳細はこちらをご覧ください。 : https://www.dnp.co.jp/news/detail/1188149_1587.html

※ニュースリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容などは発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承下さい。



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