2017年7月21日

サイバー攻撃対策要員を養成する「サイバーナレッジアカデミー」に新コース開設

産業制御系システムへのサイバー攻撃の脅威と対処法を習得

大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島義俊 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、企業に対するサイバー攻撃の対策要員を訓練、養成するサイバーナレッジアカデミーにおいて、イスラエルのIAI(イスラエル・エアロスペース・インダストリーズ)社の訓練システム「TAME Range」を活用し、サイバー攻撃への対応を訓練・学習する演習コースを提供してきました。今回、産業制御系システムへのサイバー攻撃の対処法を身につける「サイバー・インシデントレスポンス・マネジメントコース(以下、CIRM) 産業制御系・基礎」を9月に開設します。

【「CIRMコース 産業制御系・基礎」の概要】

従来、サイバー攻撃の対象は企業や組織の情報システムが主で、これらのシステムが保有する知的財産や個人情報を狙う攻撃が主流でした。一方、産業制御系システムはネットワークから隔てられており、通信プロトコルも違うため外部の攻撃から比較的安全と言われていました。しかし、機器のメンテナンスやソフトウェア更新時にオフィス機器に接続したり、外部ベンダーによるインターネット経由の遠隔監視など、セキュリティ上のリスクが高まっています。電力・ガス・鉄道・金融・化学などの重要インフラや工場、プラントなどで利用される産業制御系システムが狙われ始めており、その対応が大きな課題となっています。

すでに海外では重要インフラが攻撃され、核燃料施設の機器破壊や、140万世帯に及ぶ大規模停電など、物理的な損害に至った事故も発生しています。日本でも自動車メーカーの工場が操業停止する事例や、水道局のシステムが狙われ停止する事例などが発生しています。こうした産業制御系システムへのサイバー攻撃の対策は、セキュリティ製品やツールによる技術的な対策だけでは完全に防ぐことが難しく、情報系システムと制御系システムの知識を持ち、専門的に訓練されたサイバーセキュリティ技術者による判断や対応が必要となっています。

こうした背景から、DNPは2016年3月に開校した、サイバーセキュリティ技術者を養成する株式会社サイバーナレッジアカデミー(以下、CKA)に、今回「CIRMコース 産業制御系・基礎」を新設します。CKAは、世界トップレベルのサイバーセキュリティ技術を持つイスラエルのIAIの訓練システム「TAME Range」を活用し、サイバー攻撃への対応を訓練・学習できる演習コースを提供しています。すでに情報通信や航空、電力、化学業界の他、中央官庁など幅広い分野のサイバーセキュリティ技術者に受講されています。

新設の「CIRMコース」は、産業制御系システム分野に強みを持つイスラエルのSmartLogic社が、シンガポール内務省で採用実績のあるコースを基に、IAI社と共同で開発。TAME Range上で動作する演習コースに産業制御系システム向けのコースを追加しました。

■「CIRMコース 産業制御系・基礎」の特長

・ 仮想環境上に構築した産業制御系システムの模擬プラントを活用し、システムの脆弱性とサイバー攻撃を体験学習形式(ハンズオン)で学ぶとともに、攻撃の軽減手法を身につけることができます。
・ 多様で詳細な事例を基に、情報系システムと制御系システムの違いに伴うサイバー攻撃の脅威と予防手法を学ぶことで、産業制御系システムのサイバーセキュリティ防御に必要な項目を体系的・網羅的に習得できます。

○「CIRMコース 産業制御系・基礎」  5日間コース(各回9:00~18:00)
日時 :2017年9月25日(月)~30日(金)
場所 : DNP五反田ビル(東京都品川区西五反田3-5-20)
価格 : 60万円/人
※従来の「CIRMコース 基礎/実践演習」の受講は必須ではありません。
下記のサイバーナレッジアカデミーのウェブサイトよりお問い合わせください。
URL https://www.dnp.co.jp/cka/


【今後について】

DNPは、今回の産業制御系システムのセキュリティを対象とした「CIRMコース 産業制御系・基礎」に加え、ホワイトハッカーを養成する上級コースなどのコースを、今秋より順次展開していく予定です。
DNPは、本アカデミー関連事業で2020年度までに30億円の売上を目指します。

【DNPの情報セキュリティ事業について】

DNPは、高いセキュリティ性が求められる金融機関向けICカードの製造・発行などを通じて培ったノウハウを活かし、オフィスや工場のセキュリティ体制構築、内部情報漏洩対策など情報セキュリティ関連の製品・サービスを提供してきました。また近年、脅威となっているサイバー攻撃に対しても、サイバーナレッジアカデミーの運用のほか、未知のマルウェア対策ツール、システムの脆弱性診断サービスなど、様々なソリューションを提供しています。今後も、ますます多様化する情報セキュリティ対策の要望に応えるべく、当分野のソリューション拡充を図っていきます。


※ニュースリリースに記載された製品の仕様、サービス内容などは発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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