今までにない新しい
価値を設計するために
- DNPがオープンイノベーションに取り組む目的を教えてください。
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一言でいえば、DNPが新しい価値を生み出し続けるためです。既存の枠組みや視点などに捉われることなく自社以外にもさまざまな企業、研究・開発機関などの持つ強みやアイデアを掛け合わせてイノベーションを起こしていく、というのがオープンイノベーションの基本的な考え方ですが、これからDNPが新しい価値を生み出していく上では、この考え方と向き合うことは非常に意味があり、欠かせないものだと思っています。
- どういった点で意味があるのでしょうか。
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オープンイノベーションに取り組む背景には、ビジネスモデルや価値設計の変革があります。DNPはこれまで得意先の課題に対応する形でビジネスを行ってきました。そして得意先の要望を単純にこなすだけではなく、付加価値のある提案をして、得意先が期待する以上の製品・サービスをつくり続けてきました。
いわゆる「受注型」のスタイルですよね。
その経験があったからこそ、さまざまな製品・サービスを生み出せるようになり、社会であたりまえのように存在している数々のモノやコトをつくり出せています。しかし、その成功体験に固執しすぎては、現在のように急激に変化する社会やビジネスの流れの中では、競争力を失う可能性があります。今後は生活者や社会に対して「どんな価値を提供すべきか」「何が本当に必要か」を考えるところからビジネスを担っていかなければなりません。
得意先ありきではなく、生活者や社会課題の解決の視点で事業創出していくことが、全社的に求められていますね。
「誰も気づいていない新しい価値の設計とその実現に向けた具体策を携えて歩み寄る」。そんなイメージですね。そして、設計した価値の実現をDNPだけで担う必要もないと思っています。類まれな技術やノウハウを持つ企業と出会うことができるのであれば、手を取り合い、前に進んでいけばいい。極めて合理的ですし、それこそがオープンイノベーションの真骨頂なのですから。
