暮らしの身近なものにも
DNPの培ってきた技術が
- 真空断熱材をはじめとするDNPの技術の強みについてまずは教えてください。
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印刷技術の進化とともに事業領域を拡げてきたDNPは多様な技術を持っています。大小の規模や種類を問わず、特許を取得したものを数えるとグループ全体でおよそ1万2,000種類ほど。情報セキュリティ関連からエレクトロニクス系の部材など非常に幅広い製品・サービスの中で、みなさんの暮らしの中で特に身近なものといえば食品や飲料、生活用品向けの包装材でしょうか。
例えばスナック菓子の袋などがそうですね。あれは実は2~4層ものフィルムを重ねることで、充填した窒素が出ないように、また、外部からの紫外線や水蒸気・酸素が入らないようにして食品の品質をキープしています。元をたどれば、印刷の「塗る」「貼る」という工程の応用です。真空断熱材もそこから発展した領域のひとつです。レトルトカレーなどを入れる包装材をレトルトパウチと呼ぶのですが、パウチにグラスウールなどの無機材料を入れることで真空断熱材へと変化し、さらに中身を電解液にするとリチウムイオン電池用バッテリーパウチに変化します。
食料品を密閉していたものを、中身を変え、内部を真空にする。そうして、断熱材として、いわば「魔法瓶」のような働きをするものをつくり上げました。すでにある素材や加工技術を応用、発展させ、さらに視点を変えて用途を拡げていくのは私たちが得意とする部分でもあります。
