開発した技術が、
思いもよらない分野で
活かされる可能性も
- まずは現職に至るまでのお二人のキャリアを教えてください。
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大学時代に「紙の画像再現性」というテーマで木材セルロースに関する研究をしており、その知見を活かせる職場を求め、DNPに入社しました。当初はデジタル画像をより綺麗に紙の上に印刷する技術の開発に取り組んでいました。そこで習得した情報処理技術を活用し、ITシステムの開発などを担当した後、現在のモノづくりを中心とする分野に異動しました。具体的には、「射出成型」という加工法を用いたシャーレの開発や、細胞観察画像の分析手法開発などに携わっており、システム部門時代の経験も今の業務に活かされています。
私は籠田さんのように幅広い職務を経験していません。むしろ正反対です。入社後に配属されたのはインクジェットカラーフィルターの開発部門でした。そこで、3色のインクを塗り分けるために、基板表面に親水性と疎水性のパターンを形成する技術の開発を担当しました。以来、ずっと研究開発センターで、様々な表面・界面での相互作用を制御する技術の開発に取り組んでいます。大学時代は無機化学の研究室で、「ゾル-ゲル法」という手法を応用して、物体の表面に有機-無機ハイブリッド材料をコーティングすることで多様な機能を付与する研究に取り組み、修士論文では主に、水蒸気透過防止膜に関する研究をしていました。その研究内容が活かせるのではないかと思い、DNPを志望しました。
- お二人が研究開発の過程で協働するのは、どのような部分でしょうか。
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DNPのライフサイエンス分野では、研究を行う組織と、製品化を担当する組織が協働して開発を進めています。私が所属するABセンターでは、将来の製品化、事業化を見据えた市場開発及び技術開発を手掛けています。具体的な開発を行うにあたり、基礎となる技術を山下さんの所属する研究開発センターに求める形で協働しています。そのわかりやすい一例として、微細な形状を持つシャーレの開発があります。
私が現在所属している部署では、印刷技術を応用したDNPの新しい基盤技術の研究開発をミッションとしています。例えば、超撥水や超親水、防汚、摩擦・接着の制御など、物体の表面に微細な加工やコーティング・蒸着等を施すことで、新たな機能を付与する研究を手掛けています。
シャーレの開発では、特定の機能を付与する表面の微細加工の部分を、山下の部門が担当しており、その微細加工が細胞培養時に、その動きを制御する役割を担っています。「このようなシャーレをつくりたいのですが、その基礎となる技術はDNPにありますか」と、こちらから声を掛けた形になりますね。
- 籠田さんの部門に製品案があり、実現にあたって山下さんの部門との連携が始まる、ということですね。
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実は、私たちが協働するケースというのは、開発の開始時点ではまだ、どこに向けたどのような製品になるとは完全に決まっていないものも多く、今回実用化した受精卵用シャーレ*も、同様でした。
私が現在所属している部署では、印刷技術を応用したDNPの新しい基盤技術の研究開発をミッションとしています。例えば、超撥水や超親水、防汚、摩擦・接着の制御など、物体の表面に微細な加工やコーティング・蒸着等を施すことで、新たな機能を付与する研究を手掛けています。
シャーレの開発では、特定の機能を付与する表面の微細加工の部分を、山下の部門が担当しており、その微細加工が細胞培養時に、その動きを制御する役割を担っています。「このようなシャーレをつくりたいのですが、その基礎となる技術はDNPにありますか」と、こちらから声を掛けた形になりますね。
