人権・労働

DNPは、一人ひとりの「違い」を尊重し、互いに受け入れ、その多様性を活かすことにより、人と社会をつなぎ、新しい価値を提供します。(ダイバーシティ推進)また、職場の安全、衛生の維持・向上ならびに従業員とその家族の心身の健康保持・増進に努めることによって、DNPグループの永続的発展と健康で安全な活力ある職場づくりを推進します。(労働安全衛生)

中長期ビジョン

あらゆる人が固有に持つ文化、国籍、信条、人種、民族、言語、宗教、性別、年齢や考え方の多様性を尊重し、人権保護の責務を果たす。また、誰もが安全で健康的に働ける職場環境の維持・向上をめざす。

対応するSDGs

  • 3 すべての人に健康と福祉を
  • 5 ジェンダー平等を実現しよう
  • 8 働きがいも経済成長も
  • 10 人や国の不平等をなくそう

達成状況を測る指標および実績

中長期ビジョン達成状況を測る指標 目標値 2017年度実績
  • 女性管理職層の人数
  • 障がい者雇用率
  • 年次有給休暇取得率
  • 休業災害度数率
  • 2019年度までに女性管理
    職層の人数を2015年度末
    (96名)より2倍
  • 2017年度2.0%以上
    2018年度以降2.2%以上
  • 前年度より増加
  • 0.2以下
  • 1.65倍(158名)
  • 2.06%
  • 50.8%
    (2016年度48.9%)
  • 0.32

マネジメントシステム

ダイバーシティ・マネジメント(推進体制)

DNPは、2000年前後より女性をはじめとする多様な人財が活躍できる風土醸成をめざし、ダイバーシティを推進しています。2016年には、本社労務部に「ダイバーシティ推進室」を、各事業部・グループ会社に「ダイバーシティ推進委員会」を設置し、活動の強化を図りました。2018年6月には、「ダイバーシティ推進室」を専任組織として独立させ、重点対象を女性だけでなく、外国籍社員、障がい者、シニア社員などに拡げて、さらに取り組みを進めています。

多様な人材の活躍を支援する取り組み・制度

労働安全衛生の推進体制

DNPは、安全で健康的な職場環境を実現するための基本方針や推進体制を「DNPグループ安全衛生管理規程」に定めています。安全衛生活動の推進にあたっては、「安全は全てに優先する」という方針のもと、グループ全体を統括する「DNPグループ安全衛生連絡会議」を中心に、事業部・グループ会社ごとの委員会、各職場における安全衛生委員会を通して活動内容を具体化し、労使一体となってグループ全体の安全衛生レベルの向上を図っています。

人財開発・育成の推進体制

DNPは、社会に貢献するという事業ビジョンの実現及び社員自らの成長と自己実現を同時に図ることのできる創発的な企業風土づくりが重要であると考えています。それぞれの価値観を尊重し、自らの能力を高め、努力を惜しまず、お互いに協調して対話を深めることができる自由闊達な風通しの良い職場づくりのため、さまざまな施策を展開しています。DNPでは、特に自立した社員を支援する人事制度や自己実現を支援する研修制度の充実を図っています。

人材開発・育成の取り組み・制度

社会課題と解決に向けた取り組み

DNPが認識する社会課題

日本のジェンダー不平等指数:114位/144カ国

(ジェンダー・ギャップ指数2017/世界経済フォーラム(WorldEconomicForum))

世界経済フォーラムによると、世界各国における男女格差を測るジェンダー・ギャップ指数(GenderGapIndex:GGI)について、2017年の日本の順位は、144ヵ国中114位でした。本指数は、健康、経済参画、教育、政治参画の4つの分野のデータから作成され、日本は、健康(1位)を除き、経済参画(114位)、教育(74位)、政治参画(123位)と、低い結果にとどまっています。こうしたなか、日本国内では、女性の職業生活における活躍を推進し、自らの意思によって職業生活を営み、また営もうとする女性が、個性と能力が十分に発揮できる豊かで活力ある社会の実現を図るため、2016年に「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(女性活躍推進法)が施行されました。

解決に向けたDNPの取り組み

DNPは、多様性を尊重し活かすことで新しい価値創造につなげるため、①多様な人財の育成、②多様な人財が活躍できる風土醸成、③多様な働き方の実現を方針として、ダイバーシティの推進に取り組んできました。施策の柱の1つである「女性活躍推進」では、女性活躍推進法にもとづき、2018年度末までに、女性管理職層の人数を2015年度末時点の2倍にすることを目標に、以下の施策を進めています。

女性管理職層を増やすための施策

「次世代女性リーダー育成研修」(対象:課長職候補の女性社員)

指導的立場での活躍を期待する女性社員を、マネジメントの疑似体験を通じて、次世代幹部として育成する研修を実施しています。対象者は、研修修了時に会社からメンターとして認定され、若手男女社員のキャリアに関する相談を受ける役割を担います(メンター制度)。

「ダイバーシティ推進リーダー育成研修」(対象:本部長クラス)

自部門のダイバーシティ推進委員会の執行責任者を育成する研修を実施しています。研修では、ダイバーシティを阻害する要因を抽出し、課題解決のための施策の立案・運営に必要な知識・スキルを習得するとともに、「次世代女性リーダー育成研修」の対象者のメンターを担います。推進リーダーにより、女性をはじめとする多様な社員が能力を最大限に発揮できる風土醸成を目指しています。

「次世代女性リーダー育成研修」「ダイバーシティ推進リーダー育成研修」の合同研修の様子

指導的立場の女性社員を継続的に輩出するための施策

「若手女性社員キャリア研修」(対象:中堅女性社員)

将来、管理職・リーダーとして、活躍を期待される中堅女性社員が、自律的に仕事と個人生活を設計できるよう、キャリア意識を醸成します。

「部下育成のためのキャリア形成支援研修」(対象:女性を部下に持つ上司)

中長期的なキャリアについて、会社の期待と女性部下の意思をすり合わせながら、仕事を通じた適切な育成とそのための対話ができる上司を育成します。こうした取り組みの結果、女性管理職層は2015年度末の1.7倍の158名に、リーダークラスは、同1.3倍の443名に増加しています。

DNPが認識する社会課題

労働災害・職業性疾病による世界の経済的損失:年間2.99兆ドル

(国際労働機関(ILO))

ILOの支援を受けて、フィンランド、シンガポール、欧州連合(EU)、国際労働衛生委員会(ICOH)が導き出した推計値によると、業務関連の負傷によって発生する年間コストはGDP世界合計の3.94%に相当する2.99兆ドルにのぼり、業務関連の負傷や疾病によって毎年約278万人の労働者が命を落としています。国内では労働安全衛生法にもとづく「第13次労働災害防止計画」(2018年度〜2022年度)が始まりました。この中でも引き続き製造業における労働災害防止は重点施策として取り上げられており、また働く環境の変化を反映し、長時間労働対策、メンタルヘルス対策などの健康確保対策も重要性が高まってきています。

解決に向けたDNPの取り組み

DNPの安全衛生は、社会動向や国の労働安全衛生施策にもとづき、かつ社内における活動実績および課題をふまえ、3年ごとの中期計画として「労働災害防止基本計画」「健康保持増進基本計画」を策定して活動の推進にあたっています。

労働災害防止に向けたDNP独自の取り組み

「第3次労働災害防止基本計画」(2015〜2017年度)では、製造職場の機械災害撲滅を最重点施策と位置づけ、全社を挙げて取り組みました。これにより設備の安全対策が進み、職場の地道な4S活動とあいまって、事故の未然防止活動の道筋が見えてきました。2018年度からの第4次計画においても設備安全活動を継続し、また作業の改善に取り組むことによってハードとソフトの両面から安全レベルの向上を図っていきます。また、従業員の高齢化にともない増加傾向にある転倒災害対策として、「STOP!転倒災害プロジェクト」による防止活動を展開します。さらに、こうした活動を支える人財を育成し、適切に配置するため、これまで蓄積してきた活動のノウハウを活かしたDNP独自の安全教育の普及に努めます。

心身の健康保持増進に向けた取り組み

「第3次健康保持増進基本計画」(2015〜2107年度)では、健康教育の充実とメンタルヘルス対策を中心とした施策を推進しました。からだの健康づくりについては、一人ひとりが主体的に取り組めるよう、栄養指導や運動指導、社員食堂でのヘルシーメニュー提供等、健康に関するイベントや教育プログラムを実施しています。こころの健康については、2006年から実施しているストレスチェックを中心に位置づけたセルフケア、ラインケア等の教育を行っているほか、自身のこころの健康状態をいつでもチェックできるツールを提供しています。また、各職場では組織分析結果を参考に、「働き方の変革」活動と連携した職場環境改善やワーク・エンゲイジメントの向上に取り組んでいます。

人権問題への対応について

近年、ビジネスが人権に与える影響への関心が急速に高まっています。DNPは、人権デューデリジェンスの一環として、事業活動における人権に関するリスクの特定・把握を目的とした調査を段階的に行っています。具体的には、2014年から2016年にかけて、全ての事業部へのヒアリング調査のほか、海外の全ての連結グループ会社22社に対する書面調査を通じて、進出国/地域社会、サプライヤー/業務委託先、原材料の原産地、消費者/顧客、従業員など幅広い観点でリスクの把握に努めました。これらの調査から得られた情報の範囲において、人権に係る重大なリスクはないと認識しています。2017年は、人権方針の策定および詳細なリスク評価を行うため、その進め方についての検討を有識者の意見なども取り入れながら進めました。