責任ある調達

DNPはサプライヤーとともに、サプライチェーン全体で社会適合性を高めるように努めています。どのように優れた製品・サービスであっても、その製造プロセスや材料調達プロセスで、社会の規範から逸脱したり、社会に迷惑をかけるようでは意味がありません。価値創造とコンプライアンス意識の両立をめざし、DNPは多様なマネジメントを進めています。また、地球規模の環境破壊や人権侵害、労働問題などに加担することのないよう適切に対処することによって、DNPは社会的責任を果たしていきます。

中長期ビジョン

高い価値創造と高いコンプライアンス意識の両立をめざし、サプライチェーンにおけるステークホルダーとともに、人権や環境等に配慮した調達を行う。

対応するSDGs

  • 8 働きがいも経済成長も
  • 12 つくる責任つかう責任
  • 13 気候変動に具体的な対策を
  • 15 陸の豊かさも守ろう

達成状況を測る指標および実績

中長期ビジョン達成状況を測る指標 目標値 2017年度実績
  • 主要サプライヤーにおけるCSR調達ガイドライン調査の平均スコア
  • 海外拠点におけるCSR調達ガイドライン調査の運用率
  • 「印刷・加工用紙調達ガイドライン」適合率
  • 2030年後までに90点
  • 海外拠点における運用率100%
  • 2030年度までに100%
  • 81.7点
    (海外拠点主要サプライヤー)
  • 100%
  • 92.4%

マネジメントシステム

社内体制およびマネジメント

2017年10月、サプライヤー説明会を実施(102社・136名が参加)

DNPはCSR・環境委員会(委員長:常務取締役)において、サプライチェーン全体で人権や環境などに配慮した責任ある調達に取り組んでいくことを確認し、各種ガイドラインの整備やそれらの実効性を高めるためのさまざまな取り組みを進めています。具体的には、「DNPグループCSR調達ガイドライン」を定めるとともに、重要度の高い個別テーマについては、「DNPグループ印刷・加工用紙調達ガイドライン」や「DNPグループ化学物質に関するグリーン購入ガイドライン」など、個別のガイドラインを整備しています。また、これらガイドラインの実効性を高めるため、CSRの専任部署と購買部門などの関係部署が緊密に連携を図り、サプライヤー説明会の開催、定期調査やその結果のフィードバック、面談・意見交換を通じてPDCAサイクルを回しています。

社会課題と解決に向けた取り組み

DNPが認識する社会課題

サプライチェーン上の人権侵害によるビジネスインパクト:1社あたり1,000億円以上

(デロイトトーマツコンサルティング合同会社)

サプライチェーン上で人権侵害が発生した場合の事業への影響について、過去の事例をもとに、デロイトトーマツコンサルティング合同会社が試算したところ、不買運動や操業停止などにともなう売上損失が1,000億円以上となりました。企業はこうしたビジネスインパクトの大きさを認識した上で、人権への負の影響を防止・是正するためのプロセスを確立する必要があります。

解決に向けたDNPの取り組み

CSR調達マネジメントの強化について

2017年3月、これまでの「DNPグループCSR調達規準」(2006年制定)をよりグローバルな視点で見直し、「DNPグループCSR調達ガイドライン」へと全面改定を行いました。このガイドラインは、EICC(現RBA)※1の「EICC行動規範」やJEITA※2の「サプライチェーンCSR推進ガイドブック」をベースに国際社会の要請事項を反映したもので、「人権・労働」「安全衛生」「環境」「製品の安全性・品質」「情報セキュリティ」「公正取引・倫理」「社会貢献」の7テーマ40項目で構成されています。同時に、このマネジメントの適用範囲も見直し、これまで国内拠点および主要海外拠点にて実施してきたものを全拠点へと拡大しました。具体的には、2017年11月、海外の全拠点とそのサプライヤーに「DNPグループCSR調達ガイドライン」にのっとった活動を要請するとともに、サプライヤー調査を行いました。サプライヤーの規模などを勘案して2種類の調査票(標準版:130問/簡易版:30問)を用意し、あわせて主要130社の取り組み状況について確認・評価しました。全130社の総合平均スコアは81.7点(標準版83.4点/簡易版79.4点)で、「人権・労働」「環境」など各テーマの平均スコアに著しい偏りは認められませんでした。一方で総合スコアが70点と平均を大きく下回るサプライヤーが21社であることが解りました。今後、これらのサプライヤーのレベルアップを含めた取り組みを進めていきます。

  • ※1EICC:電子業界CSRアライアンスRBA:責任ある企業同盟
  • ※2JEITA:一般社団法人電子情報技術産業協会

紛争鉱物への対応について

アフリカのコンゴ民主共和国およびその周辺諸国において、当該地域で採掘される鉱物(金、スズ、タンタル、タングステン)の一部が反政府武装勢力の資金源となり、これら勢力による人権侵害や紛争を助長している可能性があることが懸念されています。こうした課題を改善するため、米国金融規制改革法第1502条にもとづき、米国の証券取引所に上場する企業は当該地域で採掘されたこれら4鉱物の使用状況について、毎年報告することが義務づけられています。DNPは、米国当局への直接的な報告義務はありませんが、社会の持続可能な発展の妨げとなるこうした動きに加担することがないよう、「DNPグループCSR調達ガイドライン」の一項目として「責任ある調達」を規定し、サプライヤー各社と適正な事業活動を進めています。当社の電子部品関連事業などでは、該当する鉱物が使用されているため、それが紛争地域に由来するものではないことを確認しています。2017年度もこの確認作業を継続し、当社の製品やその原材料で、人権侵害や紛争に加担しているとみなされるような鉱物の使用は認められませんでした。

DNPが認識する社会課題

森林面積の純消失面積:1.29億ヘクタール

(国連食糧農業機関(FAO)/1990〜2015年)

FAOの調査によると、世界の森林面積は1990年の41.28億ヘクタールから、2015年には39.99億ヘクタールにまで減少しています。この純消失面積1.29億ヘクタールの93%を占める天然林は、遺伝的多様性の保全、天然の樹種構成の維持に貢献するなど、地球環境の存続に欠かせません。しかし、違法伐採をともなう農地などへの転用によって、特に熱帯地域において天然材の減少が続いています。DNPにとって「紙」は印刷事業に必要な原材料のひとつであり、持続可能な森林管理に貢献していくことを重点テーマに据えて取り組みを進めています。

解決に向けたDNPの取り組み

「DNPグループ印刷・加工用紙調達ガイドライン」について

環境負荷低減の実効性を高めていくために、DNPは環境への影響が大きい原材料調達に関わるサプライヤーとともに、責任ある調達を行っています。なかでも、主要な原材料である「紙」については、森林資源の維持に配慮し、原材料を有効活用するため、間伐材の利用や森林認証紙の使用などを積極的に進めています。また、2012年より製紙メーカーや販売会社などのサプライヤーとの連携を強化し、「DNPグループ印刷・加工用紙調達ガイドライン」にもとづく調達方針の共有、合法性を確認する管理体制の構築・運用、トレーサビリティの確保、森林資源に配慮した用紙の購入比率の向上に努めています。2017年度もこの取り組みを継続し、主要サプライヤーに対して定期調査と面談を行い、対象サプライヤー(購入金額の92.4%をカバー)が当ガイドラインに適合していることを確認しました。