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喜多川歌麿《夏姿美人図》肉筆浮世絵の粋
──「内藤正人」

影山幸一
歌麿の絵画
喜多川歌麿《夏姿美人図》
喜多川歌麿《夏姿美人図》
1794〜95(寛政6〜7)年頃, 絹本着色, 掛幅, 101.5×31.9cm, 遠山記念館蔵
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 版画ではない喜多川歌麿の肉筆画を偶然見ることができたのは、今年の夏、東京・三井記念美術館で開催されていた「NIPPONの夏」展だった。歌麿といえば浮世絵である。それまで浮世絵はイコール版画と思い込んでいたのだが、《夏姿美人図★1》(遠山記念館蔵)という掛幅の作品は、注文制作によって特別に描かれた“浮世絵のオートクチュール”などと呼ばれる絵画であった。掛幅の天に広がる空間にすっと立つ粋な女。思いのほか女性は小さいのだが、名画の実物を初めて実際に見たとき意外に小さいことに驚きを抱くような、その作品が発する濃い密度の質感に驚いた。歌麿に何か仕掛けられた感じがした。《婦女人相十品 ビードロ吹き》(東京国立博物館蔵)など、今まで歌麿の版画は見ていたが、古色がかった味わいの版画とは異なる歌麿の現代的なセンスと情熱が伝わってきた。歌麿に絵画があるのをこのとき初めて知ったのだ。調べてみると歌麿の代表的な肉筆画に《更衣美人図》(出光美術館蔵)という重要文化財に認定された作品があるそうだが、今回は歌麿との新たな出会いとなった《夏姿美人図》を探求したいと思った。出光美術館の主任学芸員を一昨年まで務め、現在は慶應義塾大学文学部の准教授として江戸時代(1603〜1867)の絵画史と版画史を研究し、その成果を積極的に発表している内藤正人氏(以下、内藤氏)に喜多川歌麿の《夏姿美人図》について伺った。内藤氏は、ITにも明るい美術史の研究者であった。学生時代より日本美術史に関心を抱き、浮世絵と出会った。史学・文学・哲学を知る必要があると考え、現在もそのあわいが研究領域と言う。俵屋宗達の《風神雷神図屏風》と尾形光琳の《風神雷神図屏風》をデジタル画像で重ね、お互いの線を合わせて光琳の《風神雷神図屏風》が宗達の忠実な模写であることなどを検証してきている。

★1──「なつすがたびじんず」は、『喜多川歌麿(解説編)』(p.79, 朝日新聞社)や『浮世絵ギャラリー5 歌麿の美人』(p.13, 小学館)では「かしびじんず」と読ませている。

浮世絵の歴史
 浮世絵の浮世とは無常の世、享楽の世界、世間、当世風という意味、現実の今を表わすという絵なのだ。浮世絵は、江戸時代の菱川師宣(ひしかわ・もろのぶ, 1618〜1694)から始まったといわれ、幕末の明治期まで二百年以上続いた日本の生活を描いた世界の美術史上稀な風俗画の一様式である。「師宣は、絵を商品と見ていたのであろう。商業的戦略として絵画(painting)、版画(print)、版本(illustrated book)など多様な手法で作品を手がけたうえ、ふっくらと穏やかな顔の美人様式と落款とを組合わせ、作品をブランド化して、全国へ浮世絵を広めていった。以後ほとんどの浮世絵師は、美人画(beauty)、春画(pornography)を含め、幅広い方法で作品を作るのが通例となる。室町時代から続く日本の風俗画の歴史は、版画の歴史ではない。浮世絵以前は絵画しかないと言い切ることができる」と内藤氏は浮世絵の歴史を解説してくれた。風俗画を描くのはかつては御用絵師であり、見るのは公家、将軍家、大名などのやんごとなき人々であった。支配者が庶民を大画面絵画で鑑賞することは、江戸時代前から行なわれていたそうだ。1640年代(寛永)に入り、風俗画に描かれていた遊女だけが切り取られ、掛幅サイズの一人立ち美人画が生まれた。寛文美人図★2はこうして誕生したと言う。師宣の時代の1670年代初め頃、町人出身の在野の絵師が絵を描き、一般の人がそれを商品として購入し、絵を見るようになってくる。新興都市江戸に発達した浮世絵が木版画による複製方法を採用したのだ。それから二世紀を経て開かれた1867年(慶応3)のパリ万博は日本が正式に参加した最初の万博である。徳川幕府、佐賀藩、薩摩藩が、陶器、漆器、金細工、家具製品、浮世絵などを出品し、欧米の人たちへ「ジャポニズム」という衝撃をもたらした。ゴッホの《タンギー爺さん》の背景には浮世絵の美人画が描かれ、マネの《笛を吹く少年》の背景は何もなく無背景である。フランスの小説家・歴史家であるエドモン・ド・ゴンクールは浮世絵に民族資料の価値以上の価値を見出し、著書『OUTAMARO』(1891)をまとめた。

★2──寛文美人図とは、寛永後期から寛文ごろに製作された美人画の総称で、その中心となる年号を取って呼んでいる。基本的には無背景に遊女などが一人立ちの姿で表現されている。

肉筆画と墨摺絵・紅絵・紅摺絵・錦絵
内藤正人氏
内藤正人氏
 鈴木春信が錦絵(多色刷浮世絵版画)を完成させ(1765年, 明和2)、鳥居清長たちが拓いていった錦絵美人画の様式だが、歌麿はそれまでの美人画になかった大首絵を描き、1793年(寛政5)版元・蔦屋重三郎から版行、不動の人気を得、錦絵美人画の様式を頂点まで高めた。歌麿は江戸時代の資料でひらがな表記のものはすべて「うたまる」と書いてあり、江戸っ子なまりなのか本人も「うたまる」と言っていたらしい。面白いことに歌麿は妖怪絵師として名高い狩野派の鳥山石燕(とりやま・せきえん)から絵を学んでいる。ちなみに石燕は漫画家の水木しげるや小説家の京極夏彦に影響を与えたそうだ。1806年に没した歌麿の墓は現在東京・世田谷区烏山の専光寺にあるが、出生はわかっていないという。浮世絵の世界では版画と区別して、絵画のことを肉筆画と呼ぶ慣例があると内藤氏が教えてくれた。肉筆画は、版画のための準備の絵や下絵ではなく、版画の下絵は版下絵というそうだ。きめの細かい豊かな表現、こくのある味わい深い描写が肉筆画の特徴である。主題は美人画や役者絵、名所絵、春画と幅広い。肉筆画は江戸時代から現代に伝わる言葉である。肉筆画とは何とも艶っぽく、また歌麿に似合う呼び名である。この肉筆画に対して、江戸時代の版画の呼称は多彩だ。多色刷り浮世絵版画である“錦絵”、または木版の単色刷りである“墨摺絵(すみずりえ)”に赤い顔料で着色する“紅絵(べにえ)”、あるいは紅絵に2、3色加えて刷った“紅摺絵(べにずりえ)”もあった。内藤氏は当時の用語と近代以降の絵画・版画という用語が混同してしまい、無用な混乱を誘発してしまっていると嘆く。浮世絵を英語のpainting(絵画=肉筆画)と、print(版画=錦絵)に分けて考えた方が理解しやすいのだ。そして内藤氏は次のように加えた。「錦絵を完成させた鈴木春信の陰に隠れてしまいがちだが、浮世絵の絵画史の中で忘れてはならない大事な美人画絵師がいる。師宣一派から出た十八世紀前中期の人気美人画家、宮川長春(みやがわ・ちょうしゅん)や、華奢で可憐な美人を描き、鈴木春信に影響を与えた絵師、川又常正(かわまた・つねまさ)や川又常行(かわまた・つねゆき)など、彼らはまったく肉筆画の専門絵師なのである」。

憂鬱な春峯庵(しゅんぽうあん)事件
 昭和9年(1934)に「春峯庵(しゅんぽうあん)事件」という浮世絵の贋作事件が起きた。それ以来、日本の浮世絵は版画のみを偏重する傾向が強まっていったと内藤氏が教えてくれた。松本清張の小説『真贋の森』にも書かれたという事件である。少年を含む矢田一家と浮世絵商の金子孚水らが、浮世絵の絵画を偽作し、立派な画集を作成して、売立てを行なったという偽造詐欺事件だ。我が国ではこれ以後、浮世絵の絵画を扱うことは危険だと思われてきた。画集「春峯庵華寶集」(1934, 若林翠光)に推奨文を寄せた美術史の権威でもあった笹川臨風は失脚、コレクターも市場から引き、肉筆画を正当に鑑定できる人がいなくなり、研究者も少なくなっていった。浮世絵は肉筆画の信頼性が失われ、版画というイメージが市民に定着していったのだ。「本来浮世絵師は、例外なく絵画を描くのだがそのことが忘れられている。浮世絵は絵画、版画、挿絵などの総体を指すものであり、浮世絵師の画業を見るときはこれら全体を見ないと理解できない。浮世絵の正しい像を今こそ日本人は再認識しておく必要があるのではないか」、内藤氏は事件前の本来あるべき浮世絵の姿に戻すことが今の課題だと主張する。74年の時を経た憂鬱な春峯庵事件を乗り越えることが浮世絵の世界に必要なのだろう。江戸の浮世絵という現代とは異なった質の高い庶民文化の精華を新ためて見直す時期がきているのだ。「今後はアジア美術史という観点が必要だろう。浮世絵はそのための一翼を担えるのではないか」と、内藤氏は21世紀の浮世絵が果たすべき目標を掲げた。

【夏姿美人図の見方】
赤い三角形《夏姿美人図》(部分)
赤い三角形《夏姿美人図》(部分)
目と髪《夏姿美人図》(部分)
目と髪《夏姿美人図》(部分)
団扇の朝顔《夏姿美人図》(部分)
団扇の朝顔《夏姿美人図》(部分)
印章《夏姿美人図》(部分)
印章《夏姿美人図》(部分)
(1)モチーフ
夏衣装の女性の全身を立ち姿で無背景に描写している。これが肉筆浮世絵の特徴である。版画は、大首絵に見られるとおり、顔のクローズアップが多い。

(2)構図
上部の間は画讃待ち状態のためか、文字が入る予定で天が空いている。寛文美人図でも同様に空いており、その伝統を受け継いでいるのかもしれない。立ち姿と衝立が呼応して、縦のラインを強調している。

(3)色彩
帯の緑色は歌麿が好んで用いる白緑(びゃくろく)という顔料を使っている。帯の下にあるわずかな三角形の赤色が絶妙で、絵に生き生きとした生命感を与える。

(4)目
目尻が丸い。歌麿が作る目の線には止めたところがない。曲線で丸く描かれた特徴があり、やわらかな表現である。

(5)髪
よく見ると二度、三度と絵具を重ねて描いている。髪の生え際など髪の美しさは美人画の見どころである。

(6)季節
手回りの道具により季節がわかる。床に置かれた団扇の朝顔の絵やその上に置かれた虫かご、手拭い。あるいは絽や紗といった、薄い着物の質感から夏ということが伝わってくる。

(7)時間
女性が化粧をして出かける準備をしている様子、団扇の朝顔から想像すると、早朝の初々しい時を描いたと思われる。朝に化粧をする女性を北斎も描いている。

(8)鑑賞法
現代のアイドルポスターともいえる浮世絵の美人図。当時浮世絵の掛幅を床の間に掛けて鑑賞していたわけではなく、時々出して見てはしまうという鑑賞方法だったらしい。

(9)印章
歌麿の印は絵画ではほとんど一つが使い回された。上昇と下降する竜のような動物の間に歌麿とある。


デジタル画像で味わうもう一つの見方
 浮世絵をしっかり見ると、江戸時代の庶民の暮らしが情感豊かにリアルに表現されている。作品を読み解けば主人公の姿は、そのまま歴史小説や映画の一コマにもなりそうだ。《夏姿美人図》の夏の日常の美しい場面を、朝ではなく夕方と感じる人もおり、悩ましいところだろう。しかし、鑑賞者に身を任せたような浮世絵の自由度に物語性が宿っている。虫籠に鈴虫が入っていないとすれば、女性はこれから恋人と蛍でも捕りに行くように見える。行水のあと団扇を足元に置いて、化粧を整えて凛々しい色香が漂う。背景全面に敷かれている薄墨色が夜を連想させる。絵の重心は下部に置かれ、女性がピンと正した全身の立ち姿は、天の空白とともに、精神性を強調する構図となっている。美人をとらえる歌麿の視点は腰の高さにあるとわかる。しなやかな小さい手は優しさを、少し見える足の指は控えめなところを、衝立越しに化粧をする女性の内面性を表わしている。そして肉筆画には歌麿ならではの色彩センスが発揮されている。“人”と書いたような紺絣の着物をベースに、鉄線の模様が描かれた帯の緑色、着物の袖口の水色、長襦袢の襟の肌色よりも淡い色、リズムを作っている絣の白色、手拭いの白色、微妙な濃淡の色差があり、しっとりと味わい深くモダンである。特に手拭いに結びつけられた赤い布は、垢すりの袋という一説もあるが、帯の下の小さな三角形の赤色と呼応して、絵に生命感を与えている。性的な意味も覗かせる。透けるような着物の質感や裾のたるみ、帯を緩やかに結び、手拭い同様だらりと垂らし、髪は生え際や髪の流れを描くなど、繊細で流麗な線の描写から歌麿のこだわりが見て取れる。四角い手鏡、縦長の衝立、立方体の虫籠、横へ張り出す髪飾り、幾分柄の長い丸い団扇など、小道具の形と配置も縦長の画面から考えられたものであろう。大首絵では見ることのできない味わい深い浮世の小道具も楽しい。細部を鮮明に見せるデジタル画像によって、意外な事実が浮かび上がってくる。

多彩な浮世絵展
 近年、浮世絵展は特に人気があるようで現在東京・ 江戸東京博物館では、開館15周年を記念する「ボストン美術館 浮世絵名品展」が11月30日まで開催されている。2009年も東京では興味深い企画展が続く。国際基督教大学博物館湯浅八郎記念館では「帰ってきた浮世絵 CHIKANOBU」展が1月に、3月には太田記念美術館で「生誕170年記念 明治の鬼才 楊洲周延展」が、日本橋高島屋では「浮世絵──ロイヤルコレクション展」が4月に、三井記念美術館では「夢と追憶の江戸──高橋誠一郎浮世絵コレクション名品展(仮)」が9月から開催される予定という。また未定だが、ギリシャ・コルフ島のアジア美術館(Museum of Asian Art)に東洲斎写楽の肉筆扇面画が所蔵されていることが今年発見され、江戸東京博物館で「写楽展(仮)」開催の話題が出ている。

一点でない肉筆画
 浮世絵師の多くが春画を描くという。歌麿は北斎とともにエロティックな春画でも有名だ。江戸時代春画は、一家に一枚蔵や箪笥の中にあるもので、嫁入り道具にもなっていたようだ。虫除け、魔除け、火事防止の意味付けがされて、春画制作が肯定されていった部分もあると内藤氏は言う。線が柔らかく、艶っぽくなるといって春画を描く昭和の漫画家もいたそうだ。内藤氏は日本の春画は、人体の動きの形が多様でエロティックアートとして世界一優れていると太鼓判を押している。春画から浮世絵研究に入るのもいい。肉筆画は、オリジナル一点と思われがちだが、一点に限らず版画や版本のように同じ絵柄で複数制作される場合もあると内藤氏は言う。また、肉筆画に落款のある画家が必ずしも一人で描いたわけではなく、庶民の需要に応えるために、量産体制が取られる作品があるのだ。肉筆画の醍醐味は鑑賞者の眼力により楽しむことである。当時浮世絵師の身分は大工などと同じ職人であり、画料ではなく手間賃である。顔料や染料などの画材は良いものではなかったろうと言う。地方への土産物でもある安価な肉筆画がある一方、地方の豪農や豪商が一点もののオートクチュールとして肉筆画を江戸の評判絵師に描かせていた。おそらく《夏姿美人図》はその一点であったろう。評判絵師の一人、歌麿の肉筆画は現在二十数点しかない。


【画像製作レポート】
 喜多川歌麿の代表的な肉筆画に《更衣美人図》(出光美術館蔵)という重要文化財に認定された作品がある。画像借用の申請を出光美術館へしたが、毎週木曜に行なわれる事務処理後に写真貸出しの回答とのことで、時間的余裕がないことと作品を見ていないことから、文化財指定はないが今夏出会った《夏姿美人図》に決めた。作品を所蔵する遠山記念館から、この画像を1点15, 000円で借りた。まず依頼書を先方へFaxし、所定の申請書を郵送してもらう。その申請書に要件を記入して正式に画像借用の申請をする。承諾を得た後に、作品とカラーガイドが一緒に写っている4×5カラーポジフィルムをクロネコメール便で送付してもらった。Power Macintosh OS9.2+Photoshop 7.0+EPSON GT-X700により、48bit・2400dpi・RGBでスキャニング。細部に見どころの多い《夏姿美人図》を拡大表示させるため、解像度は2400dpiとした。17インチ液晶ディスプレイで目視による色調整を行ない、《夏姿美人図》を168MB ・Photoshop形式に保存した。またセキュリティーを考慮して画像には電子透かし「Digimarc」を埋め込み、高解像度画像高速表示Flashデータ「ZOOFLA」によって安心して拡大表示できるようにしている。

主な日本の画家年表(15世紀〜19世紀)
主な日本の画家年表(15世紀〜21世紀) 作成:筆者
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■内藤正人(ないとう・まさと)
慶應義塾大学文学部人文社会学科哲学系准教授。博士(美学)。専門は江戸時代の絵画史・版画史。1963年愛知県名古屋市生まれ。1986年慶應義塾大学文学部史学科卒業。1988年同大学院文学研究科修士課程終了。1988年財団法人出光美術館学芸員。2007年4月より現職。美術史学会、国際浮世絵学会等に所属。主な著書は『江戸名所図屏風―大江戸劇場の幕が開く (アートセレクション)』(2003, 小学館)、『浮世絵再発見 大名たちが愛でた逸品・絶品』(2003, 小学館)、『もっと知りたい歌川広重―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)』(2007, 東京美術)など。

■喜多川歌麿(きたがわ・うたまろ)
江戸中後期の浮世絵師。?〜1806。生れは江戸・川越・京都など諸説ある。画名は北川豊章、豊章のち喜田川、喜多川に改め、天明元年(1781)に歌麿と称した。鳥山豊章、鳥豊章、石要、木燕、紫屋とも。狩野派の町絵師である鳥山石燕の門人。絵俳書『ちよのはる』に石要の号で描いた挿画が初作。大判錦絵など美人画の一枚絵に新味な画風を拓き、斬新な画面形式の大首絵の美人画を版元・蔦屋重三郎から版行し一世を風靡した。代表作に《青楼仁和嘉女芸者部》《婦人相学十躰》《歌撰恋之部》など。春画のほか、《画本虫撰》など動植物等の写生的表現にも優れていた。

■夏姿美人図デジタル画像のメタデータ
タイトル:夏姿美人図。作者:影山幸一 。主題:日本の絵画。内容記述:喜多川歌麿, 江戸時代(1794〜95年頃)制作, 絹本着色, 掛幅(縦101.5×横31.9cm)。公開者:(株)DNPアートコミュニケーションズ。寄与者:遠山記念館。日付:2008.11.14。資源タイプ:イメージ。フォーマット:Photoshop, 168MB。資源識別子:EDUPE 111。情報源:─。言語:─。体系時間的・空間的範囲:─。権利関係:http://www.e-kinenkan.com/

■参考文献
図録『春峯庵華寶集』1934.5.8, 若林翠光
東京朝日新聞「幽霊〔名門〕で釣り ニセ逸品売立」1934.5.23, 朝日新聞社
読売新聞「鑑定三大家が對立 浮世絵〔ニセ〕論争」1934.5.23, 読売新聞社
読売新聞「大評判の浮世絵が全く偽物と判る」1934.5.23, 読売新聞社
読売新聞「ニセ物の浮世絵に効いたぞ鑑定料」1934.5.27, 読売新聞社
矢田三千男「生きている春峰庵」『芸術新潮』通巻198号, p.146-p.152, 1966.6.1, 新潮社
瀬木慎一「肉筆浮世絵の贋作〔春峯庵事件〕」『芸術新潮』通巻403号, p.46-p.49, 1983.7.1, 新潮社
木村東介「私の〔春峰庵事件〕体験」『芸術新潮』通巻405号, p.128-p.130, 1983.9.1, 新潮社
図録『肉筆浮世絵』1988.11.15, 出光美術館
内藤正人「肉筆浮世絵の華──出光美術館所蔵〔肉筆浮世絵展〕開催にちなんで──」『古美術』1989.1.10, 三彩社
「肉筆浮世絵に御用心 幻の肉筆浮世絵〔春峰庵〕贋作一家、長兄の告白」『芸術新潮』通巻503号, p.37-p.46, 1991.11.1, 新潮社
小林忠 編著『肉筆浮世絵大観1 東京国立博物館I』1994.10.5, 講談社
図録『喜多川歌麿』(図版編・解説編)浅野秀剛・ティモシークラーク執筆編集, 1995, 朝日新聞社
小林忠 編著『肉筆浮世絵大観3 出光美術館』1996.7.24, 講談社
久保三千雄『小説 春峰庵浮世絵贋作事件』1997.2.25, 新潮社
エドモン・ド・ゴンクール著 隠岐由紀子訳 『歌麿(東洋文庫745)』 2005.12.12, 平凡社
図録『江戸の誘惑 ボストン美術館所蔵 肉筆浮世絵展』2006, 朝日新聞社
『國華』1229号, 1998.3.20, 國華社
内藤正人『浮世絵再発見 大名たちが愛でた逸品・絶品』2005.9.20, 小学館
小林忠『浮世絵ギャラリー5 歌麿の美人』2006.2.10, 小学館
内藤正人「第251回水曜講演会 出光コレクションの肉筆浮世絵──豊穣なる浮世絵の絵画作品──」『出光美術館館報』第141号, 2007.11.30, 出光美術館


2008年11月
[ かげやま こういち ]
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