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展覧会レビュー
小吹隆文/福住廉
8/2-8/7
日本×画展
7/15〜9/20 横浜美術館[神奈川]
結論からいえば、しりあがり寿の一人勝ちだった。ここ数年の「おれの王国」シリーズの延長線上にある作品とはいえ、展示空間の特性を生かしつつ、マンガというより落書きの力を存分に見せつけていた。その一方で、その他の作家は同館所蔵の日本画と自作を関連づけるという共通のお題に縛られすぎていたように感じた。小瀬村真美の映像による障壁画は依然として美的な感性をくすぐる完成度を誇っているが、橋口五葉の《長襦袢を着たる女》や《髪剥ける女》を映像化した作品だけ奇妙に浮いてしまっていたし、松井冬子も同様だった。藤井雷の絵手紙も面白い活動だけれど、これも絵巻という形式に無理やり対応させられたせいか、見せ方が単調になっていた。こうしたことは、現在の「日本画」が何らかのかたちで不自然な操作を加えない限り、もはや成立し得ないことの現われとも言えるが、それが作家たちの足かせになっては元も子もない。
[8月2日(水) 福住廉]
若冲と江戸絵画展
7/4〜8/4 東京国立博物館・平成館[東京]
たしかに若冲の緻密な描写力には感服させられるし、これを見た後でいまどきの作家の絵を見たら悲惨な気持ちを味わうことになるとは思う。けれども、長沢芦雪や河鍋暁斎の「バカっぽい」絵と比べてみると、若冲はいかにも「マジ」で、ちょっとひいてしまう。
[8月4日(金) 福住廉]
岡村桂三郎
6/30〜8/26 高橋コレクション[東京]
岡村桂三郎
おなじみの巨象。それほど広くない空間に目いっぱい敷き詰められ、照明を一点に限っていたため、異様な迫力を効果的に演出していた。
[8月5日(土) 福住廉]
集積と痕跡の彼方から 原廣司の終わらない絵画「原爆ドーム」と会田法行の写真「被爆者−60年目のことば」
7/15〜8/5 GALLERY MoMo[東京]
集積と痕跡の彼方から
原廣司は被爆者で22年間ものあいだ原爆ドームを描き続けている画家。色紙に描かれた絵は、一見するとほのぼのとした水彩画にすぎないが、よく見ていくと、広島に残るこの廃墟をさまざまな角度から今も見つめ続けている原の行為が浮彫りになる。おそらく原にとって「描く」ことは「祈り」にそのまま通じているのだろう。ただ、それは原爆の直接的なイメージをたえず現代に召喚しようとしているわけではない。阿鼻叫喚のイメージは被爆という事実が遠ざかっていくのにしたがい、定型化された記号として消費されがちだからだ。原の絵は原爆の痕跡である廃墟を淡々と描き出すことによって、そうしたイメージ化を拒否しつつ、その根底にある「祈り」の振る舞いを前面化させている。それは見る者の意識を原爆という陰惨な事実に立ち返らせるというより、今も廃墟を抱えて生きている現代人の心のありように気づかせる「祈り」なのだ。
[8月5日(土) 福住廉]
角文平展
8/7〜12 キュービックギャラリー[大阪]
角文平展
会場にデンと居座る巨大な宇宙戦艦ヤマト。よく見ると艦橋部分が金ピカの天守閣で、造形も相当にワイルド。台座には『宇宙戦艦 江戸城』と銘記されている。他にも東京タワーと往年のTVゲームを合体させた『六本木ギャラクシアン』や、漫画雑誌『コロコロコミック』を樹脂に浸しそれを削って作られた置物など、独特のセンスが光る作品が並ぶ。様々な解釈・批評が可能な作品だが、それ以前に表現の突き抜けっぷりがあまりにも見事。半ばあきれつつ爽快な気分で見とれてしまった。
[8月7日(月) 小吹隆文]
Index
7/21-7/26
現代「日本画」の展望
藤原勉写真展
羽良多平吉
谷口順子展
Lady SNOW
7/27-7/28
山本竜基
画廊からの発言
ハンアンギャラリー
金子潤展
8/2-8/7
日本×画展
若冲と江戸絵画展
岡村桂三郎
集積と痕跡の彼方から
角文平展
8/7-8/12
技法考察
松山広視
混沌から躍り出る星たち
アルベルト・ジャコメッティ展
8/12-8/19
原田和男
便利堂コロタイプ工房展
イサム・ノグチ展
嘉納洋平
須田悦弘展
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