| 小吹隆文／福住廉 |
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| 9/4-9/10 |
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COCOA──現代美術の回廊
常設展示 大阪府庁本館［大阪］ |
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大阪府所蔵の現代美術コレクションから、約60点を展示。吉原治良、元永定正、津高和一、松谷武判、木村秀樹ら昭和以降の関西を代表するアーティストが顔を揃えており、美術史のお勉強としても使える内容だった。会場が庁舎なので展示スペースとして万全ではないが、大正生まれのレトロモダンな建築が作品を引き立たせていたのもまた事実だ。これで作品のセレクトが議員の審美眼によるものだったら「大阪府議もやるもんだ」となるのだが……。ともあれ、作品と建築の相乗効果で予想以上に楽しませてもらった。
［9月4日（月） 小吹隆文］ |
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萌芽のとき2006──樫木知子展
9/5〜16 ギャラリー16［京都］ |
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日本画を思わせる繊細な筆遣いで描かれた女性や室内の断片が、ベージュ系の濃密な色面に埋もれるように存在している。色面は何度もサンダーで削られており、所々下の絵が露出したりノミで削った跡も。さらに、図案化された花模様など装飾的な要素も盛り込まれており、非常に複雑で重層的な絵画空間が作られている。しかし、作品を一見した時の印象は決して重くない。むしろアンニュイな風情を漂わせており、そのギャップに魅了された。
［9月5日（火） 小吹隆文］ |
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タワー展──内藤多仲と三塔物語
9/1〜11/18 INAXギャラリー1［東京］ |
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塔博士・内藤多仲の展覧会。名古屋テレビ塔、東京タワー、通天閣の構造を設計した内藤の仕事を通覧的に見ることができる。いつものことながら綿密な取材にもとづいた展示構成で見応えがあるが、倒れるはずがないと思い込んでいた建造物の神話が崩壊しつつある昨今、内藤の仕事ぶりには妙な説得力を感じさせられる。
［9月5日（火） 福住廉］ |
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藤田匠平展
9/9〜10/1 ヴォイス・ギャラリーpfs/w［京都］ |
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オブジェ系の陶芸作品を発表していた藤田だが、今回の作品は器。といっても実用品ではなく、置物として楽しむ小品群だ。繊細極まりないフォルム、2種類の釉薬を用いた後に研磨することで生まれる深みのある色彩と風合いが素晴らしい。どの作品も手に取った感触が非常に心地よく、いつまでも触っていたい誘惑にかられる。現代アートではあまり味わえない掌の美に浸ってしまった。
［9月7日（木） 小吹隆文］ |
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篠原有司男展──イキスギタリヤ74〜早く、美しく、リズミカルであれ〜
9/9〜10/29 KPOキリンプラザ大阪［大阪］ |
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五条大橋の傾き者とジャンヌ・ダルクと自由の女神が邂逅する新作《洛中洛外 京都・パリ・ニューヨーク》、昨年神奈川県立近代美術館で発表された《セザンヌについて語る二匹の蛙》、二つの大作を中心に構成されている。特に前者は、舞台装置のような書き割り構造と派手な色彩のためか、祝祭性が顕著。会場のある道頓堀界隈との相性が抜群だった。展覧会前日には道頓堀川沿いのボードウォークでボクシング・ペインティングも行なわれ、関西の人々に「ギューちゃんここにあり」と強烈にアピールした。
［9月9日（土） 小吹隆文］ |
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今村源展・連菌術 Over the Ground Under the Ground
9/9〜10/29 伊丹市立美術館／旧岡田家住宅［大阪］ |
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今年に入り美術館やギャラリーでの展示が連続する今村源。その勢いは本展でも続き、美術館の庭や、隣接する旧岡田家住宅（元造り酒屋）といったホワイトキューブ以外での展示が大きな見所となった。庭や美術館の壁面に増殖する《受動性・チョウコク》、薄暗い酒蔵で優雅に旋回する《あるコマ・ホウシ》はその代表。今村が以前から表現していた日常の隣に潜む異世界、それを代表するモチーフである菌類、そして菌類との関連が密接な酒蔵、それぞれの要素が有機的に結合して、必然性に満ちた企画に仕上がっている。
［9月10日（日） 小吹隆文］ |
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ギィ・ブルダン写真展
9/6〜18 大丸ミュージアム・梅田［大阪］ |
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ギィ・ブルダンと言えば、大胆な構図や色彩、グロテスクを伴ったエレガンスというイメージが一般的。本展でもそんな彼の代表作が網羅されていた。一方、ファッション写真家になる以前のストレート・フォトやプライベートのポラロイドも出品されており、ファンにはむしろこの部分が貴重だったかも。個人的には、ファッション写真に潜む過去のアート作品へのオマージュや、プライベート・フォトに見られるエドワード・ウェストン他への憧れが興味深かった。
［9月10日（日） 小吹隆文］ |
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