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展覧会レビュー
村田真/原久子
9/9-9/10
光州ビエンナーレ2004
9/10〜11/13 ビエンナーレホール[韓国]
光州ビエンナーレ2004
昨夜、羽田から金浦経由で光州に到着。こりゃ楽だが、帰りは金浦-羽田がとれず、光州-金浦、仁川-成田と乗り継がなければならない。さて、今日はプレスオープンの日。朝からうんと辛い韓定食を食べて会場に行く。今年のビエンナーレ、テーマは「一塵一滴(一粒の塵、一滴の水)」だが、テーマなどあってないようなもの。それより今回のユニークな試みは「観客参加」だ。これは農民や学生、主婦など一般人や美術以外の専門家、社会活動家らの「観客」を事務局が選び、アーティストとコラボレーションしてもらおうという企画。これはうまくいけばアーティストにとっても「観客」にとってもメリットがありそうだが、「お見合い」に失敗したりケンカ分かれする可能性もあり、効果はあまり期待できない。実際、大半の作品は「観客参加」によってどこがどう変わったのか、または変わらなかったのかまったくわからないのだ。ゲルハルト・リヒターやリチャード・ハミルトンら大御所は単独で出ているのも不可解。まあ新しい試みに挑戦しようという意欲は買おう。興味をそそられたのは、リンゴに網目状の切れ目を入れてしぼむまでを映像でとらえたマルコ・マッギ(弁護士とコラボ)、大げさな機械で薄っぺらな米菓子を製造・販売するk.h.リー(ミュッシャ・プラダとコラボ)など。
[9月9日(木) 村田真]
その他
9/10〜11/13 5.18自由公園[韓国]
プレスツアーにくっついて近くの店でチゲ鍋をタダ食いし、ビエンナーレ会場から車で15分ほどの場所にある収容所での展示を見に行く。「その他」というのはレッキとした展覧会名「And Others」のこと。ほとんどの作品がインスタレーションと映像で、どこかのどかな学芸会のノリだが、きわめて合理的に設計された収容所と、隣の5.18記念財団自由記念館を見られただけでもよかった。ちなみに5.18というのは1980年の民主化運動(いわゆる光州事件)で市民と軍隊が激突した日。
[9月9日(木) 村田真]
エコ・メトロ
8/11〜11/13 地下鉄錦南路4街駅ほか[韓国]
5.18自由公園から資生堂ギャラリーの樋口さんたちと、大ざっぱな地図を頼りに地下鉄にたどりつく。中心街の錦南路4街駅の構内に20数人がインスタレーション。間島領一、山本基ら日本人も多いのは、広島市現代美術館の小松崎拓男氏が人選に加わっているから。しかしただ地下鉄構内に展示したというだけで、場所の特性を生かした作品が少なかったのは残念。ほかの駅のトイレや車両にも作品が仕掛けられたらしいが、見られず。繁華街で資生堂さんに焼肉をゴチソーになる。今日はほとんどお金を使わなかった。
[9月9日(木) 村田真]
存在と幻
9/10〜11/13 光州市立美術館[韓国]
光州ビエンナーレの開会式が開かれる文化芸術会館に向かおうと、朝10時前にホテルを出たら、道端に怪しげなおにーさんたちがウヨウヨたむろしている。失業で朝からヒマこいてるのかと思ったら、ギャラリーQの上田雄三氏によれば私服の警官だという。そう、今朝は盧武鉉デートーリョーがわざわざ開会のあいさつに来るのだ。会場前ではパスポートの提示を求められ、カメラのなかまで調べられる厳重なチェック。横浜トリエンナーレに小泉首相があいさつに来るか? 来たとしてもこんなに厳重なチェックはないだろう。小泉じゃなくても首相は務まるからな。 混雑を避けて、まずは市立美術館へ。なんだかフォトリアリズムやだまし絵が多いと思ったら、そういう企画展だった。
[9月10日(金) 村田真]
文承根展
9/10〜11/13 光州市立美術館[韓国]
市立美術館の2階の奥の部屋で開催。同館の名誉館長を務める河正雄氏のコレクションによる。文承根といってもいまや知る人は少ないだろう。70年代におもに関西で活躍し、1982年わずか34歳で早逝した在日韓国人アーティスト。作品は初期のコンセプチュアルな仕事から、写真製版の版画、李禹煥や郭仁植ばりの絵画まで多様で、方向性が固まりかけたときに逝ってしまった。ぼくは美術ジャーナリズムに足を突っ込み始めたころ彼の名前と作品に接したのだが、カタログに載っている顔写真を見て、たしかどこかで会ったことがあると思い出した。しばし感慨にふける。
[9月10日(金) 村田真]
コリア・エクスプレス
9/10〜11/13 教育PRホール[韓国]
韓国の若手アーティスト約30人の特集。事務局としては自国のアーティストを国際的に売り出すための場であり、その意味でここをいちばん楽しみにしている関係者も多い。それなりにおもしろいアーティストをそろえているのだが、強烈に「これだ!」という作品はなかったなあ。2階ではなぜかエロチック・アートの展覧会をやっていて、プレスパスをもっていても入場料を取られるので見なかった。しかし「教育」と名のつく施設でエロをやるかな。あ、性教育か。
[9月10日(金) 村田真]
金門トーチカ芸術館 18の個展
9/11〜2005/1/10 台湾・金門島各所[台湾/金門]
1950年代に中国と台湾とのあいだの激戦地であった金門島は、対岸の中国本土が肉眼でしっかり見える距離にある。この島の各所に残っているトーチカや軍用施設を会場にして、中国人アーティスト蔡國強が展覧会を企画した。9月11日をあえてオープニングの日に選んでいる。もちろん世界中の人にとって9.11というのは忘れ難い日であるが、N.Y.在住の蔡にとっては、とりわけ意味を持つ日である。金門島には約2000のトーチカや軍用施設が残っている。蔡はアートによって、恐怖、暴力、死などが満ちたトーチカを創造的な活用がされる場所にかえてゆくことを目的として、このプロジェクトに着手した。いわゆる美術家だけでなく、音楽家や建築家、女優など異なる表現手段をもった18人(組)が今回は参加。蔡はこれからどんどんこうしたトーチカを増やしてゆきたいと考えている。
金門トーチカ芸術館 18の個展 金門トーチカ芸術館 18の個展

[9月10日(金)、11日(土) 原久子]
 
Index
8/25-8/27
塩田千春新作展
「国立新美術館」施設の貸出に関する記者発表および施設案内
堀浩哉展
大巻伸嗣展
鯨津朝子展Paintiment
門田光雅展
鈴木省三展
8/29-9/4
取手 リ・サイクリングアートプロジェクト2004
キュピキュピランド 歌謡ショー
CABAROTICA
「オレンヂ羊の夏休み」展
いのちを考える
森口ゆたかと中学生たち
野原健司展
氣と遊ぶ
小金沢健人
Dancing In Your Head
建築のフィギュア
9/4-9/6
名和晃平展
富田勝彦展
漆の美展
アンリ・カルティエ=ブレッソン展
扇田克也&畠山耕治「空間の密度」
「sotto」展
金沢21世紀美術館
9/9-9/10
光州ビエンナーレ2004
その他
エコ・メトロ
存在と幻
文承根展
コリア・エクスプレス
金門トーチカ芸術館 18の個展
9/12-9/17
Fiction Love ! 展
2004 Taipei Arts Award
Wang Ya-hui Solo Exhibition
"The Drifting Place"
ダオメ
天明屋尚展「魑魅魍魎」
伊庭靖子展
ピカソ展
9/18-9/19
Re-sports展
西山美なコ "illuminé "
ピカソ展
チンパンジー画伯アスカ展
岸田良子展
オリエンティティ
元永紅子展
9/19-9/24
福島栄利 encounter
中比良真子展
星野高志郎×青野卓司
ヤノベケンジ+ART ZONE Mammoth Project Office OPEN
visible bodies [exsistense]
イエナ(佐々木亮太郎)
明和電機 ナンセンス=マシーンズ展
大兵馬俑展
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