泉太郎──トロッコ
11/11〜12/2
ヒロミヨシイ
［東京］
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泉太郎の新作展。例によって自らの身体パフォーマンスを映し出しただけの簡素な映像だ。深夜の国道を行き交う自動車を追いかけては諦めることを繰り返す、無茶な指令に翻弄され続ける、モニター上に現われてくる自分を次々と叩き潰す。いずれの映像にも通じているのは、他者との接点を見出せないまま、自閉的な自転運動を繰り返す泉本人の「私性」である。けれども、それがナイーヴな内面を吐露する私性と異なるのは、泉の自転運動がそうした類の私性を寄せつけないほど、とてつもない速度で回転しているからだ。その強力な運動性があるからこそ、閉じているにもかかわらず開かれているという矛盾が成立してしまうのだろう。こうした、一見すると弱々しいが、じつは逞しいという気質こそ、希望である。
［11月21日 福住廉］
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