| 小吹隆文／福住廉 |
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| 7/10〜7/13 |
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大舩真言展「time-moment-time」
7/10〜22 ニュートロン［京都］ |
日本画をベースにコズミックかつ幽玄な抽象絵画を描く大舩だが、最近は空間や状況を作品化しようとしている。今回発表したのは、絵画の背後に照明を組み込んだ一風変わった作品。照明はコンピュータ制御され、一日の日光をなぞるようにゆっくりと色調を変える。会場は自然光が入る構造なので、作品は照明と自然光、二つの光の影響を受けて刻々と印象を変えていくという具合だ。技術的な改善点はまだあるだろうが、作家が今後この方向性をどこまで深化させるか大いに興味を感じた。
［7月10日（火） 小吹隆文］ |
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福元なおんど膠絵展──納涼きんぎょまつり
7/10〜15 立体ギャラリー射手座［京都］ |
金魚たちが集って盆踊りに興じる四曲一双の屏風絵を出品。歌川国芳の浮世絵に範をとった作品らしい。作品の周囲に自作の行灯を配するなど、祝祭ムードの演出も。祇園祭の山鉾巡行を目前に控えたこの時期ならではの画題である。現代アートにもこういう季節感を意識した展覧会があってもいいんじゃないかと、改めて思った。
［7月10日（火） 小吹隆文］ |
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KOKUFUMOBIL──國府理展
7/12〜8/5 大阪成蹊大学芸術学部 ギャラリー〈space B〉［京都］ |
ヘルメットにファンを取り付けた風力推進装置やプロペラを取り付けた自転車、ペットボトルロケットと同じ原理で動く（はずの）自転車など、夢が実用性を乗り越えてしまった乗り物がズラリと並ぶ。これまでの作品をまとめた展示だが、それゆえ國府の世界を概観するには絶好の機会となった。彼の作品を見ていると、自動車や飛行機が発明された頃の技術者の息吹をひしひしと感じる。個人の理想や美意識を科学技術と直結できる幸福感。いたずらにネガティヴ思考に走るより、こちらの方が遥かにチャーミングなのである。
［7月12日（木） 小吹隆文］ |
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相原慶樹──woodnote
7/9〜7/14 ギャラリイK［東京］ |
微動する身体を映像にとらえる相原の新作展。暗い会場には竹林が再現され、その奥にプロジェクターで映像が投影されていた。かすかに動く身体部位のクローズアップのほか、今回は全身をとらえた映像もあり、さらには竹林の地表面が波打つかのようなものもある。とりわけ竹林が映像の前に設置されていたせいか、投影された身体のイメージと竹林に代表される自然がさまざまな位相で入れ子状に重なり合い、まるで胎児の視線から宇宙を眺めているかのような錯覚を覚えた。
［7月13日（金） 福住廉］ |
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大辻清司の写真──出会いとコラボレーション
6/5〜7/16 松涛美術館［東京］ |
「実験工房」で知られる大辻清司の全貌に迫る、本格的な回顧展。時系列に沿って大辻の多様な活動を丁寧に追っていく展示は、どこを見ても見応えがあり、決して飽きさせず、ひじょうに充実した内容だった。オブジェを凝視したかのような初期の構成的な写真もよいが、それより何より素晴らしかったのが、大辻独自の写真論を切り開いた「大辻清司実験室」。雑誌に連載されていたこの企画は、実験者と被験者を一人で二役をこなしながら、自分の撮影した写真をもとに写真についての思索を深めていくという、きわめて自己言及的な仕事で、まさに批評の原型ともいうべき模範を示している。写真も文体もともに秀逸で、多くの人が棒のように突っ立ったまま、がっつり読み込んでいた。これを写真の教科書に留めておくのは、あまりにももったいない。写真家であろうがなんであろうが、何はともあれ一度は眼を通しておかなければならない。展覧会を見逃した人は、図録とは別に出版された『大辻清司の写真』に全文が掲載されているので、ぜひご一読を。
［7月13日（金） 福住廉］ |
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