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プライバシーステートメント
展覧会レビュー
村田真/酒井千穂
7/25〜7/26
スタジオジブリ・レイアウト展
7/26〜9/28 東京都現代美術館[東京]
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夏恒例のジブリ展、今年はアニメ制作の設計図ともいうべき「レイアウト」に焦点を絞った展示。でもレイアウトって鉛筆のドローイングに淡彩を施した程度のラフな絵で、そもそも見せるために描かれたものではない。だから見せるなといいたいのではなく、にもかかわらずおそらく何十万人もの観客が訪れるということに、美術館は真剣に向き合わなければいけないし、危機感をもたなければいけないのではないか。
[7月25日(金)  村田真]
パラレル・ワールド──もうひとつの世界
7/26〜9/28 東京都現代美術館[東京]
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かつて「パラレル・ヴィジョン」という展覧会があった。「アナザー・ワールド」という展覧会もあった。どちらも歴史に残る展覧会だった。今回は「パラレル・ワールド」だ。出品は日仏10人。ジャック・ジュリアン、ミシェル・ブラジー、曽根裕らの作品がかたまってるコーナーがおもしろい。とりわけ曽根の雪の結晶彫刻は売れそう(実際売れてた)。
[7月25日(金)  村田真]
PUBLIC‘SPACE’ PROJECT 岡田公彦《Aluminum Landscape》展
7/5〜9/28 東京都現代美術館サンクンガーデン[東京]
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サンクンガーデンと呼ばれる中庭に、建築家の岡田公彦が築いた高さ6.5メートルのアルミの山。アルミの山ったって固まりじゃなく、アルミホイルをくしゃくしゃにしてテーブルに押しつけると銀色の雪山に見えるという、あれを数百倍に拡大したものと思えばいい。展示室から銀世界が見える、といえば涼しげだが、実際は太陽光が乱反射して暑いわまぶしいわ……。
[7月25日(金)  村田真]
ART OSAKA 2008
7/25〜7/27 堂島ホテル8〜10階[大阪]
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昨年から堂島ホテルで開催されているアートフェア。昨年は26の参加ギャラリーだったが、今年は韓国、台湾を含め、47の現代美術ギャラリーが出展。会場も2フロアから4フロアに拡大され、ほぼ2倍近い規模になった。天神祭と重なる初日に足を運んだが、ギャラリーが一室ごとに作品をディスプレイする会場はどのフロアもまさに祭りの盛況ぶり。混雑は想定していたが、もともとホテル内の通路や部屋の入口も広くないため、いっそう来場者で溢れかえっているように感じられる。人の波をくぐるようにしてすべて見終わる頃にはヘトヘトになってしまったが、さすがに充実した内容で、お腹いっぱいの気分。アートマーケットの過熱ぶりもよく聞くが、ただ、イヴェントとしてこの雰囲気は成功といえるのだろう。アートフェア自体もだが、その現場の騒々しくも熱気を帯びた空気を体感する機会は関西ではめったにないし、東京や海外アーティストを知るチャンスとしても貴重だ。こんな状況だとあまりゆっくりと作品を見ることはできないし、ゆっくり見たい人にはキツいけれど。どちらにしろ次回以降も気になる。
[7月25日(金)  酒井千穂]
増田妃早子 展
7/21〜8/2 oギャラリーeyes[大阪]
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以前ドローイングの作品展示を見たときに、同じ場所の同じ風景を繰り返し丁寧に描き、そこから改めてキャンバスに向かう作家だと聞いたのを覚えている。日頃、われわれは毎日見慣れた風景やさまざまな存在を意識することはない。誰もがその風景を記憶にとどめているからだ。目というフィルターを通して理解したもの、見たものはそうして普段はわれわれの意識から消えていくし、もちろん風景は季節として変化していくものだけれど、時の経過や自らの知覚、記憶が移り変わるさま、その不確かさを観察しながら自らの存在の一つひとつを確かめるかのように、措定という無意識の過程を見つめる作家のまなざしが画面にはたっぷりと表われている。いくつもの表情がにじみ出てくるような重層的な色彩が魅力的な絵画だ。
[7月25日(金)  酒井千穂]
足田メロウ「Planetica」
7/21〜8/3 neutron[京都]
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詩人の豊原エスやミュージシャンとのコラボレーションで作品を発表してきた足田メロウの個展。展覧会タイトルと同名の、詩人カワグチタケシの《Planetica》という詩の世界をイメージした作品で構成。民家やビルといった建物や人物の描かれた小さなアクリル画の作品が、まるで街の風景を成すように壁面に展示されている。見るたびに作風の印象が異なるイメージがあったが、今回の新作展には他ジャンルのアーティストとのコラボレーションやそれらの言葉のイメージから解放された自由感があり、作家としての新たな魅力を見せていた。
[7月26日(土)  酒井千穂]
少女マンガパワー!──つよく・やさしく・うつくしく
7/19〜8/31 京都国際マンガミュージアム[京都]
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日本の「少女マンガ」というジャンルの形成に影響を与えたマンガ家23人の作品から、少女マンガのジャンル全体を見通すという展覧会。展示は「少女マンガ」というジャンルの成立と確立に関わる1950〜60年代、1970年代、1980年代以降の発展というように、歴史を追いながら少女マンガを紹介する資料に加え、北米での反響や原画と複製について触れた映像資料など4つのテーマで構成されている。“少女”というジャンル自体やその定義が徐々に固められていく歴史や社会的現象などにふれた解説とともに、タイトルページ用のカラーイラストや原画、少しだけ雑誌の付録、作家の愛用の品なども展示されていて興味深いものも多かったが、少女マンガパワー!という力強いタイトルにしては、全体的に中途半端でもの足りない印象だったのが惜しい。しかし若い親子や40代くらいの女性たちが夢中でマンガを読んでいた「マンガ読書コーナー」が展示空間内にあるのは面白い。その光景に一番少女マンガのパワーを感じた。
[7月26日(土)  酒井千穂]
Index
7/1〜7/2
ウィーン美術史美術館所蔵 静物画の秘密展
アール・ブリュット/交差する魂
中沢研
7/4
太郎千恵蔵 展 二つのタワー
石塚雅子展-庭-
「秘すればこそアート」展
高松次郎「写真の写真」
下西進展
井上隆夫展
眞田岳彦展「あの生まれ出るような感覚」
7/5〜7/15
トーキョーワンダーウォール公募2008
「小さなルーヴル美術館」展
コロー:光と追憶の変奏曲
Chim↑Pom「日本のアートは10年おくれている」
大正の鬼才 河野通勢
TEAM13雨宮庸介/TEAM14竹村京
7/18〜7/20
ケープフェアウェル
トレース・エレメンツ
麻田浩
ジュリアン・オピー
矢津吉隆展 THE CORONA
塩賀史子展 かたすみの光
7/25〜7/26
スタジオジブリ・レイアウト展
パラレル・ワールド──もうひとつの世界
PUBLIC‘SPACE’ PROJECT 岡田公彦《Aluminum Landscape》展
ART OSAKA 2008
増田妃早子 展
足田メロウ「Planetica」
少女マンガパワー!──つよく・やさしく・うつくしく
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