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展覧会レビュー

村田真 原久子

ブルターニュの海と空
3/21〜4/21 うらわ美術館
 
 
ブルターニュの海と空
雨のなか、さいたま新都心のパブリックアートを見に行った帰り、うらわ美術館を初訪問。ビルのなかにあるのだが、もっとこじんまりした美術館かと思ったら意外と広い。この展覧会はフランス・ブルターニュ地方にあるカンペール美術館のコレクションを紹介するもの。はっきりいって作品は、ブルターニュの風土や文化を素朴に描いた19世紀リアリズム絵画の2流3流品ばかり。でもそれだけに日本のとりすました美術館では味わえない、ヨーロッパの田舎の小美術館を訪れたときのような、どこかなつかしい土着的な匂いを感じさせる展覧会だった。好きだな、こういうの。
[3月29日(金) 村田真]
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美術館物語
3/12〜5/6 埼玉県立近代美術館
 
 
美術館物語
タマキンは開き直るとなにをしでかすかわからない。開館20周年だというのにおそらく予算がないため、コレクションを使ってなにか展覧会を組み立てなければならないのだが、単なるコレクション展では芸がないので、今回は作品の鑑定書や購入時の書類、輸送用の木箱まで公開しちゃったのだ。たとえば、同館の目玉であるモネの《ジヴェルニーの積みわら》の購入には、例の月光荘がからんでいたことがわかったりして興味津々。そういえば5、6年前にも同館では「夏休みの美術館」と称して、学芸員全員がコレクションを使ってひとりひとつずつの企画展を開いたことがあったっけ。掛け値なし、舞台裏まで見せてしまうタマキンはよくも悪しくも日本の美術館の鑑だ。
[3月29日(金) 村田真]
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光州ビエンナーレ2002 PAUSE Project3〈執行猶予〉
  3/29〜6/29 5.18自由公園[光州・韓国]
 
 
光州ビエンナーレ2002 PAUSE Project3〈執行猶予〉01
光州ビエンナーレ2002 PAUSE Project3〈執行猶予〉02
これまで光州という土地はいくつもの劇的な出来事に見舞われてきた。市民が国の民主化に向け立ち上がった「5.18民衆抗戦」(1980年)。その事件を記念してつくられた公園には旧憲兵隊の建物がある。いくつかの建物には、見張り台も、牢獄も、食堂もあれば、裁判のための部屋もある。地元光州やソウル在住などの韓国アーティスト49名によって、サイトスペイシフィックな作品が建物と屋外を使って展示されていて、何がここで起こったか、そのことと肌で感じることのできるプロジェクトが完成していた。
[3月30日(土) 原久子]
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Blink展
  3/16〜4/14 アートソンジェ・センター[ソウル・韓国]
 
 
Blink展
Kim Sora, Nam Zie, Yang Haegue, Chung Haeseungという4人の若い韓国のアーティストたちの展覧会。Nam Zieの健康器具のような作品は実際には機能は持たず、運動や健康とはほとんど関係なさそうだが、造形的にはスマートで完璧な姿をしている。1Fの受付にキオスクのようにお菓子を整然と並べ、2Fではマクドナルドのドナルドおじさんの人形を使って作品を作ったのはKim Sora。3つの作品は〈3M〉Project: The Price, 〈3M〉Project: The Market, 〈3M〉Project: The Businessといずれも「価値」について考察した作品である。天井の高い美しい空間なのでそう見えてしまうのか、4人とも作品がとってもcool。
[3月31日(日) 原久子]
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Soo-Kyung Lee off-short Flower/Painting/Pottery
  3/12〜4/20 Samzie Art Space[ソウル・韓国]
 
 
Soo-Kyung Lee off-short Flower/Painting/Pottery01 Soo-Kyung Lee off-short Flower/Painting/Pottery02
3つのフロアーでそれぞれ異なる素材・テーマを設けた作品を展示していた。個性的なフラワーアレンジメントの展覧会といっても皆信じるかもしれない。広い会場に大胆に生花を用いたインスタレーション(《Too Eary Too Late》)をしている。ペインティングの作品《Painting for 'Out of Bady Travel'》は既視感のある花や馬の絵、風景画などがあるのだが、垂直に裂けた部分の色がストライプのように伸びている。もっとも興味をひかれた《Translated Vases》は、韓国の伝統的な陶器の壷の焼き損じた破片を無数につなぎ合わせてつくった有機的な造形。水を入れて植物を生けることもできる。そして、韓国の伝統的な焼き物について言葉で記述、翻訳してイタリアの陶芸家や陶芸家などに説明し、参考図版などのヒントなどを与えないままその言葉からイメージした壷をつくってもらうというプロジェクトにもひかれた。言葉で与えられた情報から各自が想像し、さらに、それぞれの言語でカメラに向かって説明するビデオ作品と、実際に想像して作った壷の写真と実物のひとつが展示されている。そこに生まれたズレに、それぞれが親しんできた文化が確認できて面白かった。
[3月31日(日) 原久子]
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Hyounsoo Kyung個展
3/9〜4/6 LOOP Alternative Space[ソウル・韓国]
 
 
Hyounsoo Kyung個展01 Hyounsoo Kyung個展02
弘益大学の近くのLOOPへはじめて行ってみる。LOOPは光州ビエンナーレ Project1にも出展していたオルタナティヴ・スペース。細くて短いマッチ棒のようなパーツをどんどん接続して作られたインスタレーションを発表していたのはHyounsoo Kyung。どこへでもエンドレスに増殖してゆく建物のようにも見える。
[3月31日(日) 原久子]
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イー・ブル展
  3/22〜5/5 ロダン・ギャラリー[ソウル・韓国]
 
 
Blink展
写真はロダン・ギャラリーの外観と大きなイー・ブル展のビルボード(右)。ロダン・ギャラリーはその名の通り、入るとアトリウムにロダンの《地獄門》や《カレーの市民》が展示されている。重々しいブロンズのロダンの作品を見下ろすようにイー・ブルの「サイボーグ」のシリーズを高い位置に宙吊りにして展示している。展示室では冷蔵庫のようなボックスに入れるようになっている。扉を開けるとそれはなんと一人用のカラオケボックス。見に来た人が選曲して、カラオケで歌えるようになっている。映像は白いシャツに黒いスカートの女学生が無邪気に手をとりあっている様子のビデオだ。次の展示室は3面にイメージ映像の大プロジェクション。ヘッドホーンをつけるとまたもやカラオケだ。日本でも発表したことのある周囲についたポンプを踏んで空気を送り込む巨大なバルーン。仁王立ちするイー・ブルの凛々しいいでたちのセルフポートレイトと、その裏には黄色い角のような突起がたくさん飛び出している。あれもこれも展示しないで、カラオケだったらそれだけでいいようにも思ったが、いかがなものか。
[3月31日(日) 原久子]
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Urban Pradise
  2/20〜4/7 イルミン美術館[ソウル・韓国]
 
  東亜日報(新聞社)の社屋にあるイルミン美術館では「Urban Pradise」というグループ展が開かれていた。8人の出品者のなかには、韓国滞在中の4日間に作品を見たことのあるアーティストも含まれている。ついさっきIHN Galleryでデジタル山水を見せていたWhang In-keはここでもレゴブロックで作った風景画を出していた。光州ビエンナーレにも福岡トリエンナーレにも、北京でのFANTASIA展にも出していたJung Yeon-dooはまたここにも出品していた。こちらも光州に出品していたが、20台のモニターを用い、マルチヴィジョン・インスタレーションにしたHan Kye-ryoonのビデオ作品《Journal of City》がこの展覧会では一番心を奪われた。特にリンゴの芯を油で揚げているシーンと、パジャマ姿の本人、都会の道路のシーンの対比は愉快だった。
[3月31日(日) 原久子]
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