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展覧会レビュー

村田真 原久子

今野裕一トーク(聞き手:樋口ヒロユキ)
7/9 大阪アーツアポリア[大阪]
 
 
今野裕一トーク(聞き手:樋口ヒロユキ)
『夜想(YASO)』という雑誌をご存じだろうか。いまはなきペヨトル工房が出していたかなりマニアックな雑誌のタイトルだ。毎号、ひとつのテーマを掘り下げて独特のラインナップの書き手たちが登場していた。この編集・発行人であった今野裕一が、本づくりの過程で体験したさまざまな秘話を語ってくれた。そして、ペヨトル工房はなくなったが、この夏『夜想』は復刊される。次号のテーマは「ゴシック」。発行部数は2000部というので、売り切れないうちにネットで購入、というのがお勧めか!?
[7月9日(水) 原久子]
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日本近代洋画への道
6/27〜7/27 そごう美術館[神奈川]
 
 
日本近代洋画への道
司馬江漢、小田野直武ら江戸時代の洋風画から、高橋由一、チャールズ・ワーグマン、山本芳翠、五姓田義松、山下りん、ラグーサ玉、黒田清輝、青木繁あたりまで、ヤンマーディーゼル創業者山岡孫吉の集めた黎明期の日本近代絵画が一堂に。いやーこんな画家のこんな絵がこんなところにこんなにあるとは思わなかった。由一なんか《丁髷姿の自画像》《鯛図》《鮭図》(芸大の《鮭》とは向きが逆)まであるぞ。思わずカタログを買ってしまったのだが、これがなんかヘン。日動美術財団理事長とヤンマー会長の「あいさつ」が2001年3月の日づけで、発行は日動美術財団・笠間日動美術館。そごう美術館の「そ」の字も出てこない。つまりこれ、2年前に山岡コレクションが笠間日動美術館に託されたときに製作されたカタログを流用したものだ。そごう美術館ではこの時期「上海博物館展」を予定してたのがポシャってしまい、急遽このコレクションを借りてきたってわけだ。
[7月11日(金) 村田真]
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神奈川県立近代美術館葉山館プレス内覧会
7/11 神奈川県立近代美術館葉山館[神奈川]
 
  この秋、葉山町一色にオープンする神奈川県立近代美術館の新館(葉山館)の内覧会。鎌倉には本館と別館があるのでこれで3館めとなる。場所は逗子からバスで18分の海岸沿いで、この日は曇りだったが、晴れた日には相模湾越しに富士山がながめられるという。約15,000平方メートルの敷地に建つ白を基調にした建物はけっこうでかいが、展示室は約1,300平方メートルとそれほど大きくない。運営面での新しい試みとしてPFI方式を導入。これは民間活力を公共事業に生かす行政手法で、新築工事と美術館維持管理業務を(株)モマ神奈川パートナーズが実施し、その対価を神奈川県が30年間で分割払いしていくというもの。総額は125億円というから、年4憶円あまりだ。この葉山館には約9,000点のコレクションのうち1951年以降の作品約3,000点を鎌倉から移し、企画展を中心に活動を行なっていくという。開館記念展は、そのコレクションによる「もうひとつの現代展」(10/11〜1/25)。観客動員予想は足の便が悪いせいか、最初の1年で15万人とひかえめだが、酒井忠康館長は「これからはのんびり歩く時代になる」とか妙な理屈をつけて20〜30万人と強気だ。
[7月11日(金) 村田真]
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岡田謙三展
7/5〜9/15 横浜美術館[神奈川]
 
 
岡田謙三展
20年ほど前に西武美術館で開かれた「岡田謙三展」を見て、渡米してから「ユーゲニズム」と称してあからさまに日本的なるものを押し出したことに、7:3の割合で嫌悪と同情を抱いたものだ。今回あらためて初期から晩年まで通して見て、とてもひとりの画家が描いたとは思えないほどのスタイルの不安定さに驚いた。要するにこの画家には一本筋の通った軸というか背骨がないのだ。だから異国の地でユーゲニズムに走ったに違いない。と悪口を書きましたが、戦前は家族に反対されながらもパリに渡り、戦後は50近くになってイチかバチかで渡米するあたり、明治生まれの芸術家の心意気を感じさせます。
[7月11日(金) 村田真]
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Poly Prac. OPEN ! 藤浩志によるプロジェクトのサポーターへの説明会
  7/11 remo[大阪]
 
 
Poly Prac. OPEN !
Breaker Projectの第1弾である藤浩志によるPoly Prac.超再生産工房ワークショップ(9月開催)のサポーターへの説明会。これまで藤が行なってきたビニール/プラスチック類を用いたプロジェクトを説明し、大阪でのプロジェクトを実施するためにはいろいろな支援が必要であることが語られた。出席したのはほとんどが大学生。今後、サポーター達がどう積極的にかかわってこれそうか、それぞれに内在する能力や意識を引き出すような導き方がうまい藤浩志の“語り”に感心。
[7月11日(金) 原久子]
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PHスタジオ「船、山にのぼる―森の引越しプロジェクト」
  7/3〜27 広島市現代美術館(第1会場)
7/9〜27 旧日本銀行広島支店 (第2会場)[広島]
 
 
PHスタジオ「船、山にのぼる―森の引越しプロジェクト」
広島県の山間部で建設中の灰塚ダムの水没予定地に、5年前からPHスタジオが「船をつくる話」というアートプロジェクトを展開中。そのドキュメンテーションを広島市の2会場で公開している。まずは第2会場の旧日銀へ。ここは戦前に建てられたモダン建築で、がらんとした空間に、PHスタジオが灰塚ダム周辺で行なっているワークショップの模様をインスタレーションやビデオで紹介。そこから車で10分ほど離れた第1会場の現代美術館では、地図やマケット、映像、オブジェなどを使ってこれまでのプロジェクトの軌跡をたどっている。日銀のほうだけ見てもなにがなんだかわかりにくいが、こちらを見れば「船をつくる話」の全体像がよくわかる。しかし現代美術館を訪れる人より、市街地にある日銀にぶらっと入る人のほうが圧倒的に多いというのが悩ましい。午後2時からPHスタジオのメンバーと対談。
[7月12日(土) 村田真]
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絵画新世紀
  6/21〜8/10 広島市現代美術館[広島]
 
 
絵画新世紀
人形のような少女をフォトリアリズム風に表わす加藤美佳、イラストのように人物をフラットに描く長谷川純、1枚の絵を細かく分割して2枚にしてしまう渡辺聡ら、6人の絵画展。別に絵画は技術がすべてだとは思わないけど、最近お手軽に描けそうな作品が多くて食傷気味だったので、上記3人の作品が目を引いた。とくに渡辺は今回建築の絵に絞り、2枚の大きさを変えるなど新機軸を打ち出している。それにしてもこの観客の少なさには寒気がする。ぼく以外もうひとりいると思ったらPHの小杉くんだったりして。雨天で閉館まぎわだったせいもあるが、土曜の午後だぜ。
[7月12日(土) 村田真]
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アートフロンティア2003
  7/12〜8/2 アートコートギャラリー[大阪]
 
 
アートフロンティア2003
アートフロンティア2003
ギャラリークラヌキがその運営の方針などを変更するのに伴い名称変更も行ないアートコートギャラリーという新しい名前で活動することになった。そのこけら落としの展覧会が「アートフロンティア2003」。
アーティスト、コレクター、学芸員、ジャーナリスト、画廊主といった異なる立場で美術にかかわる地元関西の15名が、それぞれ1名の若手アーティストを推薦。この15名のアーティストたちによるグループ展が開かれた。テーマは特にあったわけではないが、若手で今後が期待される関西を拠点に活動する人たちが集まった。若手といっても20代から40代まで20歳ほどの年齢の幅はある。この場ではじめて顔を合わしたアーティストたちもいたという。バラバラな印象はなく、しっくりおさまりのイイ展覧会になっていた。
[7月12日(土) 原久子]
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