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Exhibition Reviews & Guide ..

MoMAニューヨーク近代美術館名作展
  10/6〜2/3 上野の森美術館[東京]
 
 
MoMAニューヨーク近代美術館名作展
マジックで「タネもシカケもない」というのはタネもシカケもあるからだが、今回のMoMA展はタネだけあってシカケがない。たしかにルソーの《夢》をはじめ、マティス、クレー、デ・クーニング、ポロックなど名作ぞろいではあるものの、ほんとに単なる名作展。なんの工夫もないのだ。つまり、作品さえよければヘタな細工などしないほうがいいということだ。逆にいえば、多くの展覧会がコンセプトやらテーマ性にこだわるのは、作品だけでは見るに耐えないからなのだ。ところで、ルソーの《夢》の右下に描かれてるピンク色の細長い生き物、あれ、ずーっと巨大ミミズだと思ってたけど、よく見たら背中側が黒いヘビだったんですね。

[10月5日(金) 村田真]
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「ヌーベルまんが」原画展
10/1〜9 東京芸術大学正木記念館[東京]
 
 
「ヌーベルまんが」原画展
在日フランス人漫画家フレデリック・ボワレが提唱する「ヌーベルまんが宣言」の一環としておこなわれた、約10人の日仏漫画家による原画展。畳敷きの部屋に陳列ケースが置かれ、座布団にすわって原画を鑑賞するという形式がなんともおかしい。これでせんべいやミカンをつまみながら寝っころがって読めたらなおいいのだが。
[10月5日(金) 村田真]
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松田隆作展 From Roses ―孵化・腐化―
  10/1〜14 アートフォーラム谷中[東京]
 
 
松田隆作展 From Roses ―孵化・腐化―
10個ほどの巨大な卵形のハリボテに、5万本もの紅いバラの花びらを砕いた粉を吹きつけ、カビるがままにしたオブジェ。孵化しそこなって腐化したピータンですね。
[10月5日(金) 村田真]
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スキマプロジェクト02
  9/29〜10/14 CASA周辺[東京]
 
 
スキマプロジェクト02
ここらへん(谷中地区)には中村政人、鈴木真悟、加藤チャコの作品が点在。喫茶店の看板みたいな鈴木真悟の「Flash Art」がすばらしい。そういえば鈴木くんは「新宿少年アート」でも秀逸なイリュミネーション作品を出していた。彼はスキマでひっそりと輝くタイプですね。しかし、作品を探して家と家のスキマをのぞきながら歩くというのもあまり気分のいいものではない(住人はもっと気分悪いと思う)。根津まで歩いてたら岡倉天心記念堂というのがあった。六角堂のなかに平櫛田中による金色の天心像が鎮座して不気味。
[10月5日(金) 村田真]
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斎藤美奈子展
  9/7〜10/6 ビューイングルーム[東京]
 
 
病院の窓から撮った写真を裏から蛍光灯で照らし、その病院で使われていたベッドの残骸を組み合わせたインスタレーション。なにかわかったようなわからないような曖昧さの残る作品だが、作者によれば物事の本質は白か黒、善か悪ではとらえきれず、ひとまわりすれば裏が表につながってしまうメビウスの輪のようなものだという。でも見るほうとしてはどっちかにしてほしいんだよね。
[10月5日(金) 村田真]
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村岡三郎新作展 SALT BOOK
  8/30〜10/13 ケンジタキギャラリー[東京]
 
 
村岡三郎新作展 SALT BOOK
鉄箱が5個、なかに塩がつまってた。本だそうだ。鉄のコンテナに塩のコンテンツ。いずれコンテナはコンテンツに腐食されるだろう。
[10月5日(金) 村田真]
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エゴフーガル:イスタンブールビエンナーレ東京
  10/6〜12/24 東京オペラシティアートギャラリー[東京]
 
 
エゴフーガル:イスタンブールビエンナーレ東京
今年のイスタンブール・ビエンナーレの出品作家のうち、映像を中心に13組を選んで公開。なるほど、こうした同時多発展もこれからの国際展の新しいあり方かもしれない。でもこんなことやってたら、だれもイスタンブールまで見に行かなくなるんじゃないかしら。いや、イスタンブールといえばトルコ、トルコといえばソープ、ソープといえばオペラだから、オペラシティでやるんだという説も。ちなみにタイトルの「エゴフーガル」とは、近代的な自我(エゴ)からの離脱(フーガル)を意味する造語。私はてっきり「ウゴウゴルーガ」の妹だと思ってた(なつかしい)。作品は映像ばかりだけれど、さすがに13組に厳選してるだけあって楽しめた。こんなんが50組も100組も続いたら怒り倒すところだが。
[10月5日(金) 村田真]
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今澤正展
  10/6〜12/24 東京オペラシティアートギャラリー4Fコリドール[東京]
 
 
今澤正展
まただ。またフラットなペインティングだ。いえ、別に彼の作品が悪いっていうんじゃないですが……。
[10月5日(金) 村田真]
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Sex & Consumerism 日本現代美術展
  10/4〜31 University of Brighton Gallery & Sallis Benny Theatre[ブライトン]
 
 
イギリスでは日本年だけあって、あちこちで日本関連のイヴェントが多い。ブライトンでも会田誠、ピーター・べラーズ、BuBu、嶋田美子などの作家による展覧会が開かれていた。日本ではこうも真正面から「 Sex & consumerism(性と消費主義)」というテーマの展覧会が企画されることはあまりない。作品はけっこう沢山あるのに、日本では何故こういった展覧会が企画されることが少ないのだろう……。
[10月6日(土) 原久子]
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