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Exhibition Reviews & Guide ..

アート・イン・ザ・ホーム
10/28〜11/10 山口市各所[山口]
 
 
アート・イン・ザ・ホーム
山口市内の9軒の民家に日英の若手アーティストが作品を設置する展覧会。民家を使った展覧会では、1986年にベルギー・ゲント市でおこなわれた「シャンブル・ダミ」が有名だし、最近では香川県の直島で「スタンダード展」が開かれたばかりで珍しくはない。ただ、市が率先してやるというのは珍しいかも。この日は2時から鑑賞ツアーがあるというので、宇部空港からバスと電車を乗り継いで到着。そしたらなんと、ツアーガイドは以前ギャラリーなつかにいた齊藤佳代が務めているではないか。彼女は東京に住んでるのに、山口県出身ということで駆り出されたんだとか。ギャラリーにいたころはか細かったけれど、いまは身も心もたくましくなっている。そんなことはよろしい。肝心の作品はたぶん予算も時間も少なかったんだろう、はっきりいってショボい。操作しなければ始まらないビデオインスタレーションに、操作すべき作者本人がいないのは致命的だし、制作中の作品も何点かあったが、それを「公開制作」としたのは必ずしも作者の本意ではないだろう。そもそもチラシに島袋道浩の名前があったから見に行ったのに、彼はシンポジウムのみの参加だという。不備をあげつらえばキリがないが、でもなぜか好感がもてたのは、小ぢんまりした山口市のたたずまいと、にもかかわらず熱心な市民(鑑賞ツアーは満員だった)に触れたせいだろうか。それと佳代ちゃんにも会えたしね。
[10月30日(火) 村田真]
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画廊の視点
  10/29〜11/10 大阪府立現代美術センター[大阪]
 
 
毎年、それぞれの画廊が1人のアーティストの作品を出品する京阪神の画廊のグループ展。今年から新しく参加する画廊も増えたが、まとまりがないのが関西のごった煮的。それぞれの画廊が彼らの視点で選んだ作家の作品を出すのは悪いとは思わないし、バラエティに富んでいるともいえる。だが、この展覧会を継続してゆくことに目的が移行しているとしたら、一度リストラすることもひとつの選択ではないかと思う。
[10月30日(火) 原久子]
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光の記憶展
  10/20〜11/18 三菱地所アルティアム[福岡]
 
 
光の記憶展
前日、山口から福岡に来て、定宿の山野真悟邸に泊まる。朝はすっかり二日酔い。まずは、片山雅史と金沢健一の全国巡業展をやっている天神のアルティアムへ。片山はすっかり印象派になっちゃったし、金沢はすっかり楽器屋になっていた。
[10月31日(水) 村田真]
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ミニマル マキシマル
  10/23〜11/23 福岡市美術館[福岡]
 
 
ミニマル マキシマル
千葉市美での展示を見逃していたので、ちょうどよかった。ジャッド、ソル・ルウィット、ダン・フレイヴィンら元祖ミニマルアートから近ごろの若僧まで勢ぞろい。ひとことでいって、おもしろい。ミニマルアートがこんなにおもしろくていいのだろうか、ってくらい笑えるのだ。壁の一部だけをぴかぴかに磨いたカーリン・ザンダー、まるで陳列ケースそのものの竹岡雄二、『サタデー・ナイト・フィーバー』のダンスフロアを再現したピオトル・ウクランスキー、壁面を正方形に切りぬいたローレンス・ウェイナーなど、みんなひょうきん。なのに、それをいかにも難解でつまらないものに見せかけたのはだれだ。
[10月31日(水) 村田真]
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絵画・彫刻2001
  10/4〜11/4 福岡県立美術館[福岡]
 
 
絵画・彫刻2001
広橋勲と黒鳥晴男という地元作家の2人展。広橋はカラーシートで構成したシュポール・シュルファス風の平面を1点、黒鳥は角材を正方形に組んだミニマル風の立体を1点。広橋作品を絵画の中身、黒鳥作品を額縁と見れば、ふたりで1点ともいえる。あるいは「ミニマル マキシマル」展の福岡版。
[10月31日(水) 村田真]
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THE“MOTENASHI”EXHIBITION
  10/4〜11/18 福岡県立美術館[福岡]
 
 
THE“MOTENASHI”EXHIBITION
「もてなし」のテーマのもと、和田千秋+中村海坂+坂崎隆一による「障碍の茶室・峠の茶会」と、きむらとしろうじんじんの「野点・焼立器飲茶美味窯付移動車」の出品。どちらも「茶の心」だ。ただし「野点」はこの日お休みなので、「障碍の茶室」のみの体験。車イスに乗って和田の選んだ県美のコレクションを見ながら茶室へ向かう。茶会も土日と祝日のみの開催なので、すごすごと車イスで戻る。でもなんでタイトルが英語なの? 川浪千鶴さん。
[10月31日(水) 村田真]
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藤内達彦展
  10/31〜11/17 モダンアートバンク・ヴァルド[福岡]
 
 
藤内達彦展
新聞にはさまる広告チラシが床一面に敷きつめられ、イスのうえにはそのチラシを真っ白になるまでコピーしたファイル。壁には金属の骨組みの家型オブジェがかかってる。いったいどういうコンセプトなの? 藤内さん。
[10月31日(水) 村田真]
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SOLO EXHIBITIONS 2001 Part2 河口彩展
  10/25〜28、11/1〜4 共同アトリエ3号倉庫[福岡]
 
 
SOLO EXHIBITIONS 2001 Part2 河口彩展
海岸近くにある倉庫を匿名の篤志家が出資して、若いアーティスト4人に無料でスタジオとして提供しているという。その4人の連続個展の2回目。実はこの日、展覧会はお休みだったのだが、その次に個展をやる高田麻衣子さんに連絡がついたので開けてもらい、藤内さんや宮本初音ちゃんたちと駆けつける。河口さんの作品は、自分の家のカーテンとさまざまな場所で撮った風景を合成した写真。倉庫には風倉匠の作品もあった。
[10月31日(水) 村田真]
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