2021年12月3日

カメラで撮影したデジタル画像を製品本来の色に補正するソフトウェアを開発

スマートフォンで撮影した画像もソフトウェアを搭載したパソコン上で色の補正が可能

大日本印刷株式会社(本社:東京 代表取締役社長:北島義斉 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、ECサイトや医療・化粧品業界等での利用に向けて、画像の色をパソコン上で製品本来の色調に補正するソフトウェアを開発し、2022年1月5日に発売します。

本ソフトウェアは、DNP等が提供する小型のカラーチャート*1を被写体と同時(もしくは同じ条件下)に撮影し、本ソフトウェアを搭載したパソコンでこの画像データを処理することで、カラーチャートの色を基準に、自動計算で色補正用のプロファイル(解析結果)を生成します。撮影した画像を表示する際に、このプロファイルを適用することで、パソコン上でより正確な色に補正することができます。

【本ソフトウェア開発の背景と特長】

コロナ禍をきっかけのひとつとして、オンラインでのショッピング・医療・教育など、非対面でのコミュニケーションのニーズ拡大が加速しています。その際、ECサイトや各メーカー・流通会社、医療機関や教育機関等で使用する画像は、撮影時のカメラの性能や光の影響などによって、本来の色調そのままに撮影することが困難であり、個々の条件に合わせて補正する必要がありました。

こうした課題に対してDNPは、色の基準となるカラーチャートのデータと、撮影した画像データを照合して解析し、補正用のプロファイルを自動生成して、補正後の画像を画面に表示するPC用のソフトウェアを開発しました。

主な特長と、処理の流れは以下の通りです。

  1. 各企業や医療機関等の担当者が使用するPCに、本ソフトウェアと、基準となるカラーチャートのリファレンスデータをインストールする。
  2. DNP等が提供する、小型のカラーチャートを被写体の上や周囲に置いて撮影する。本ソフトウェアをインストールしたPCに、この画像データを読み込む。
  3. 撮影した写真のカラーチャートと、基準となるカラーチャートのリファレンスデータを照合し、基準に合致させる色補正用のプロファイル(解析結果)を個々の写真に対して自動計算によって生成する。
  4. このプロファイルを使用して撮影した写真の色補正を行い、PCのディスプレイに表示する*2。これによって、撮影時のカメラ性能や屋外・室内光などの条件の違いに関わらず、被写体の本来の色に近い、一定水準の色調の画像を利用者は見ることができる*3

【DNPのカラーチャートの取り組み】

DNPは、印刷を通じて培ってきた“正しい色を再現”する技術・ノウハウを活かして、約60年にわたってカラーチャートを開発・提供しています。1960年代初頭のカラーテレビの誕生に合わせて開発したDNPのカラーチャートは、現在もテレビ放送の業界スタンダードとして使われています。また、テレビやデジタルカメラ等の色の基準となる「テストチャート」をはじめ、画像補正のモジュールやソフトウェアなどを提供してきました。また、従来のHDTV(High Definition Television)放送方式の国際規格BT.709に加え、高精細画像4K・8Kの新国際規格BT.2020*4に対応したテストチャートの開発も完了しています。今回開発した本ソフトウェアは、これらの色補正に対する技術・ノウハウを活用しています。

<参考>DNPの超微細加工、カラーマネジメントによる高精細・高品位なテストチャートはこちらをご覧ください

【価格】

オープン価格/1年間のライセンス使用料を想定

【今後の展開】

DNPは、主に化粧品関連メーカーのほか、ECサイトやオンライン診療等を扱うサービス・プロバイダなどに本ソフトウェアを販売し、2022年度からはクラウド展開も行うことで事業を拡大していきます。

また、8K以上の高精細画像や広色域画像の研究開発を推進し、獲得した技術・ノウハウを今後のオンラインショッピングや診療などに活かしていきます。

*1 ニュースリリース「オンライン診療時の画像の色を補正するサービスの提供を開始」 
*2 プロファイルを使用して補正した画像データは、本ソフトウェアがインストールされていないPCでも表示できます。
*3 なお、本ソフトウェアは入力画像の補正をPC上で行うものであり、カメラ等の撮影機器やディスプレイ等の表示機器の画像補正を行うものではありません。
*4 テレビ放送(BT=Broadcasting Service Television)用の何番目の規格かを示しています。
※ニュースリリースに記載された製品の仕様、サービス内容などは発表日現在のものです。今後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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