2015年4月3日
より鮮やかな色を実現する高輝度ブルーレジストを開発、液晶用カラーフィルターとして提供
光の透過率が高く、高輝度で省電力型の液晶ディスプレーを実現
大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島義俊 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、液晶用カラーフィルター(以下:カラーフィルター)で従来使用されているブルー(青色)の顔料系カラーレジストに代わり、高輝度、高透過、超耐熱性の染料系カラーレジストの開発に成功しました。DNPは、加工技術に加え材料技術のビジネス化を目指し研究開発を進めており、当染料系カラーレジストと、染料系カラーレジストを使用したカラーフィルターを、高精細スマートフォンや4K・8Kテレビに対する新たなソリューションとして提供していきます。
なお当製品は、4月8日(水)~10日(金)に東京ビッグサイトで開催される「第6回高機能フィルム展」のDNPブースに出展します。この展示会では、DNPが成長領域と位置づける「食とヘルスケア」「暮らしとモビリティ」「環境とエネルギー」「知とコミュニケーション」において、DNPの強みを持った「未来のあたりまえ」となる製品・サービスや仕組みを創り出すために、販売機会の拡大と次期研究開発テーマの発見を目指しています。
【開発の背景】
近年、テレビやスマートフォンなどのディスプレーと紙など、異なる媒体で表示される色を一致させるためのカラーマネジメントが一般的に利用されるようになりました。そのため、色域が広く鮮やかな色再現が可能なAdobeRGB(Red,、Green、Blue)やDCI(Digital Cinema Initiatives)などの規格への対応したディスプレーが求められており、モバイル端末やテレビを製造・販売しているセットメーカーでは、より広い色域の再現が可能なソリューションへの要望が高まっています。こうした要望に応えて、各社は、ディスプレーの輝度を向上させる技術開発に取り組んでいます。液晶カラーフィルターの輝度を向上させる方法として、従来よりカラーレジストの色材を顔料系から染料系に代えることが検討されてきましたが、染料系色材の耐熱温度は低く、安定して製造することが困難でした。
今回、DNPは、独自の材料技術を活かして、染料系でありながら耐熱性に優れたブルーのカラーレジストを開発し、カラーフィルターの輝度と透過率を高めることに成功しました。
今回開発したカラーレジストは、従来のカラーフィルターの製造プロセスを変えずに使用することができます。DNPは、このレジストを使用したカラーフィルターの販売を開始するともに、レジストの使いこなしなどの技術サポートを含めたビジネスも行っていきます。また、DNPが提供する色域拡大に効果がある光学フィルムとの組み合わせに最適化したカラーフィルターも提案していきます。
【高輝度ブルーカラーレジストの特長】
・カラーレジストの中で相対的に輝度の低いブルーの透過率を改善することで、パネル全体の色再現性の向上と効率的な輝度の向上を可能としました。
・染料系でありながら、カラーフィルター製造プロセスの製膜温度に耐えられる高耐熱性のレジストです。
・顔料系のブルーカラーレジストと比較して、透過率が約17%向上します。
・当カラーレジストを使用したカラーフィルターと最適なバックライトの組み合わせによって、効率的に輝度を高めてLEDの使用数を抑えることができ、省電力化につながります。また、色再現領域が広がり、より鮮やかで自然な色味を表現することが可能です。例えば日亜化学工業株式会社のLEDを使用した場合、色再現領域がDCIのカバー率100%を実現することができます。
【今後の展開】
今後DNPは、今回開発した染料系カラーレジストを使用したカラーフィルターをパネルメーカーに提供するとともに、カラーフィルターを内製しているパネルメーカーには本カラーレジスト技術を販売し、2016年には高精細液晶ディスプレー市場の30%のシェアを目指します。また、8Kテレビの規格とされるBT2020を見据え、ブルー以外のレッド、グリーンの染料系カラーレジストにおいても開発を進め、ディスプレーのさらなる高輝度化や色再現性の向上に貢献していきます。
※ プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容などは発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承下さい。
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