2015年6月1日

大日本印刷と日本マイクロソフト 全国の小中学校で膨大な量の小テストをデジタル化するプロジェクトを開始

大日本印刷株式会社(以下、DNP)と日本マイクロソフト株式会社(以下、日本マイクロソフト)は共同で、学校現場のテストのデジタル化に向けたプロジェクトを開始します。今回両社は、これまで印刷物やプリントで提供されてきた紙の小テストのデータを、広く普及している文章作成ソフト「Word」用のデータに変換し、テストのデジタル化を進めていきます。 

【プロジェクト開始の背景】

小中学校では、2020年までにタブレット端末が1人1台配備される予定であり、情報通信技術(ICT)の進展とともに、様々なデジタル教材やテストアプリ、コンテンツが開発されています。一方、現在学校で使用されている紙の小テストやドリルを活用したいというニーズもあります。紙の小テストやドリルは、教科書会社・教材会社が提供するものや教員自身が作成したもの、自治体が作成したものなど様々なものがありますが、デジタル化が遅れている状況です。タブレット端末を活用したデジタルテストが普及するためには、大量の小テストやドリルを、いかに速くデータファイル化できるかが重要となっています。DNPの調査では、中学校で1校あたり年間約2000ページの紙の教材を使用、小学校ではそれ以上の紙の教材が使用されており、その総数は約300万ページにもなると推測されています。

この状況に対して両社は、紙の小テストやドリルのデジタル化を共同で推進します。日々の小テストやドリルをWordに変換しタブレット端末で利用できるデジタルテストにすることで、教員が学習履歴をデータとして管理できるようになります。学習履歴データは、単純な正誤の確認だけでなく、生徒のより深い理解や個別指導に活かすことが可能です。

【両社が取り組むプロジェクトについて】

DNPは、教材会社や自治体が作成した大量の紙のテストやドリルを効率的にWordに変換し採点機能を簡単に付加できるシステムの構築とともに、Wordのデジタルテストに変換するサービスを提供します。日本マイクロソフトは、DNPとともに教育ICT販売会社や教材会社と協力し、このサービスを教育委員会、教育機関などに提案します。

この取り組み以外に、両社は以下のサービスを展開していきます。

■DNP

DNPは、自治体や学校に「DNP学校向けデジタルテストシステム AnswerBoxCreator」を提案していきます。本製品は、紙のテストをWordに変換して、デジタルテストを作成するシステムで、記述式のデジタルテストにおける解答プロセスの解析なども行っていきます。

■日本マイクロソフト

・Office環境が整備されていない自治体に対するOfficeのライセンス提案

・データ可視化ツール「Power BI」の提供と、DNPへの技術支援

【デジタルテストの効果】

タブレット端末を活用してデジタルテストを行うことで、教員は1人1人の生徒の理解度をこれまで以上に短期間で正確に把握できるようになります。例えば、デジタルテストでは正誤情報を即時に把握できるほか、解答にかかった時間や途中経過などもデータとして取得できます。たとえ正答であっても生徒がつまずいた箇所を確認できます。また進捗状況や理解度に合わせて、生徒1人1人に合った問題や指導教材を提供するといったアダプティブラーニングへの展開が可能となります。これらのデジタルテストのデータは、学校全体で管理できるため、クラスや学年の傾向を教員同士で共有し、指導計画を練り直すといった活動を、より短いスパンで行うことが可能です。また自治体が作成する小テスト・ドリルを活用すれば、地域内の他校と比較して自校生徒の弱点傾向を把握できるため、個別指導が行いやすくなります。

【今後の展開】

両社は、今年度中に東京や京都などの自治体や学校で、紙の教材をWordに変換したデジタルテストの利活用に向けた実証研究を開始します。東京都内の小学校では、小学5年生向けの算数教材をはじめとする1000ページ分、京都府内の中学校では、3年生向けの3教科300ページ分の教材のWord化を行っていきます。その他、福岡県・神奈川・埼玉県などの小中高校約10校が教材を含めた実証を予定しています。両社は、教材会社とも連携し、約3万ページの教材のWord化を行います。さらに、両社は3年間で1万校分のWord化を目指します。

またDNPが提供する記述式デジタルテストの解答分析システムと、マイクロソフトのクラウド基盤「MicrosoftAzure」の機械学習プラットフォーム「Azure Machine Learning」を組み合わせ、生徒の学習データをビッグデータ化して学習予測を行い、個別指導・教材を提供するシステム・サービスの提供を目指します。

【両社の取組の意義】

DNPは、印刷教材のデジタル化を進めることで、教育ICTビジネスへの本格参入を図ります。

日本マイクロソフトは、21世紀にふさわしい学びの環境づくりを進める教育機関のお客様や、先生方の取り組みを、ICTの側面から支援します。

 

* DNPデジタルテストシステム「Answer Box Creator」の詳細は商品紹介ページをご覧ください。

 

大日本印刷株式会社      本社:東京都新宿区   社長:北島義俊    資本金:1,144億円
日本マイクロソフト株式会社  本社:東京都港区   代表執行役 社長:樋口泰行   
資本金:4億9950万円
 ※ニュースリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容などは発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承下さい。

ニューストップへ

検索・絞り込み

発表時期
カテゴリ
製品・サービスの16カテゴリで絞り込む
IRの9カテゴリで絞り込む

検索