2016年8月10日

デジタルセキュリティの世界的リーダー・ジェムアルトとIoTのセキュリティで協業

大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島義俊 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、デジタルセキュリティ分野の世界的リーダーであるオランダのGemaltoN.V.(以下:ジェムアルト)と、IoT(モノのインターネット:Internet of Things)のセキュリティ分野で協業します。

【協業の背景】

IoT用のデバイスは、2020年に全世界で500億台規模になるとの予測もあり*1、多様な場所で設置・利用される見込みです。その際、デバイス自身、またはデバイスとサーバー間の通信のセキュリティが低いと、悪意ある第三者によるデータの盗難や改ざんなどの被害を受ける恐れがあります。海外では既に、電力使用量をデジタルで計測するスマートメーターのハッキングによるデータ改ざんなど、IoT用のデバイスが攻撃対象となり被害を受ける事例が生じています。また、今後コネクテッドカーや自動運転車の普及が期待される自動車業界では、ハッキングによる制御の乗っ取りの危険性なども指摘されています。このような状況に対して、IoTのセキュリティ対策のさらなる強化が求められています。

DNPは1980年代から、ICカードのソフトウエア開発や製造・発行および認証サービスなどを手がけており、国内のキャッシュカードやクレジットカード、携帯電話のSIM(SubscriberIdentity Module)カードなどで高いシェアを持っています。これらの実績を通じて培った技術やノウハウを活かし、高セキュリティなIoT環境を実現するゲートウエー端末や関連するアプリケーションなどの開発を進めています。

またジェムアルトは、金融、政府系、モバイル、交通、M2M(機器間通信)などの幅広い分野において、信頼性と利便性を備えたデジタルセキュリティソリューションを、世界各国の企業や政府とそのユーザーに向けて展開しています。

今回、DNPとジェムアルトは、IoTのセキュリティ分野で協業し、両社の技術やノウハウを活用することで、より汎用性のある高セキュリティなIoT環境の実現を目指します。

【今回の協業について】

DNPとジェムアルトは、IoTのセキュリティ分野での協業にあたり、ICカード技術をIoT向けに活用したセキュアなIoTプラットフォームを開発します。

具体的には、本プラットフォームでは、IoT用のデバイスとサーバー間の通信において、インターネットで標準的に利用されているプロトコルであるTLS(TransportLayer Security)*2を用います。TLSの相互認証に用いる暗号鍵やデジタル証明書を、耐タンパ性の高いSAM(SecureApplication Module)*3に格納することで、不正アクセスや改ざんを防止し、より安全にデバイスとサーバー間の相互認証を行うことが可能になります。また、暗号鍵やデジタル証明書、アプリケーション等をセキュアに配信するサービスも行います。本プラットフォームにより、IoT用のデバイスと通信のセキュリティを向上させ、より安心・安全なIoTのエコシステムを実現することが可能になります。

両社は、国内外で本プラットフォームを用いた実証実験、標準化活動、および営業活動などを共同で推進していきます。

【今後の取り組み】

DNPはいま、「知とコミュニケーション」「食とヘルスケア」「住まいとモビリティ」「環境とエネルギー」を成長領域と位置づけ、新しい価値の創出に取り組んでいます。そのなかで、社会的なニーズが高まっている情報セキュリティへの対応を強化して、コンサルティングやマーケティングなどを含めた各種情報セキュリティソリューションを提供しています。

DNPは今回のジェムアルトとの協業を通じて、高いセキュリティが要求される金融、通信、重要インフラ、製造、医療などの分野を中心に、両社で開発した製品やサービスを提供し、2020年度に約35億円の売上を見込んでいます。

 

*1 Cisco IBSG(Internet Business Solutions Group)の調査 2011年
*2 TLS(Transport Layer Security):インターネット上でデータを暗号化して送受信できるトランスポート層のプロトコル
*3 SAM(Secure Application Module):セキュアICチップに、データ暗号化、認証、機密情報保護等のセキュリティ関連のアプリケーションを搭載したモジュール

 

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