2023年9月25日

ツヤのないマットな質感で指紋がつきにくい内装用化粧シートを開発

欧米等のインテリア業界のトレンドに合う“質感”と、独自のEB技術による“環境対応”を両立

大日本印刷株式会社(本社:東京 代表取締役社長:北島義斉 以下:DNP)は、マット(低艶)な質感で意匠性が高く、指紋がつきにくい内装用化粧シート「DNP EBオレフィンシート サフマーレ® プレミア」を2024年1月に発売します。本製品は、住宅および非住宅の室内建具(ドア・引き戸)・収納・内装部材(造作材等)として高い支持を得ている「DNP EBオレフィンシート サフマーレ」*1シリーズの上級グレード品で、2023年7月発表の「(同)フロア プレミア」*2に次ぐ第二弾です。

DNPは、基材に塗った各種材料を電子線(Electron Beam)の照射で硬化させ、多様な機能を持たせる独自のEBコーティング*3技術で、長年にわたり市場から高い評価を得ています。この技術を進化させ、人々が暮らすあらゆる空間の価値を向上させる「空間ソリューション」の一環で、室内用の製品として、地球環境にも配慮した“人と環境にやさしい”高質感内装化粧シートを開発・提供していきます。

DNP EBオレフィンシート サフマーレ プレミア

サフマーレ プレミアを使用した空間イメージ

【内装用化粧シート「サフマーレ プレミア」開発の背景】

近年、コロナ禍をきっかけの一つとして、テレワークなどの新しい働き方・暮らし方が定着し、家で過ごす時間が増えるなか、より“安らぎ”や“落ち着き”がある住宅・インテリア空間へのニーズが高まっています。また、欧米を中心に、光の反射を抑えたマット(低艶)な内装材を使った落ち着いた空間やインテリアデザインがトレンドとなっており、フローリングや建具等の化粧シートの一貫性を持たせたデザイン設計が求められています。

こうしたニーズに対してDNPは今回、マット(低艶)な質感と、指紋がつきにくい機能を備え、繊細な曲面加工も可能な内装用化粧シート「DNP EBオレフィンシート サフマーレ プレミア」を開発しました。


【内装用化粧シート「サフマーレ プレミア」の特長】

1.新たなコーティング技術で従来は困難だったマット(低艶)な質感を実現

DNPは、木目柄などを印刷した上で、新たに開発した特殊コーティングを施すことにより、従来オレフィン系樹脂フィルムでは表現が困難だったマット(低艶)な質感と滑らかな触感の意匠を実現しました。この新製品によって、欧米を中心にインテリア業界のトレンドとなっている光の反射が少ないマットなデザインにも対応できるようになりました。

2.表面に微細な凹凸をつけるDNP独自の技術により指紋のつきにくさを向上

オレフィン系樹脂フィルムの表面に微細な凹凸をつけるDNP独自の技術により、指との接触面積を減らすことで、従来製品と比較して指紋がつきにくい機能を実現しました。特に濃い単色や木目柄の扉などで指紋が目立ちやすいという状況に対して、効果を発揮します。

指紋のつきにくい機能の比較。サフマーレ プレミア(左)と従来製品(右)

3.建具(ドア・引き戸)や収納等の高い意匠ニーズにも対応

高意匠な質感を持つ化粧シートとして、室内建具や収納等のデザインの幅を広げるとともに、繊細な曲面のラッピング加工にも対応できます。

4.製造時の有害物質の拡散を防ぎ、温室効果ガスの排出量を削減

DNP独自のEBコーティングを活用した「サフマーレ」シリーズの製造は、建具や収納等に直接塗装する方法と比べて、空気中への有害物質の拡散が少ないため、安全・安心な環境で作業ができます。また、EBコーティングでは電子線硬化型インキを使用しており、熱硬化型インキで製造する場合と比べ、温室効果ガス(GHG)の排出量を約15%、揮発性有機化合物(VOC)排出量を約30%低減できます*4


【今後の展開】

DNPは「DNP EBオレフィンシート サフマーレ プレミア」を集合住宅や一戸建て住宅等向けに、ハウスメーカーや建材メーカー等に販売し、2026年度までに累計約5億円の売上を目指します。

なお、本製品は、DNP社員を窓口として、社外のパートナーにご利用いただいているプレゼンテーションとコラボレーション用の施設「P&Iラボ・東京」に展示しています。


*1 サフマーレ(Safmalle) : SAFE(安全な・危険がない)とMALLEABILITY(適応性・順応性)という言葉を組み合わせたDNPの建材用オレフィンシートの総称。「環境・健康配慮」を意味する造語。DNPは、焼却しても有害なガスがほとんど発生しない環境配慮材料のオレフィンの活用や、シックハウス症候群の原因とされる化学物質の不使用など、環境や健康に配慮した製品開発を推進しています。また、EBコーティング用の複数の樹脂を用途に合わせて最適なバランスで設計して機能を付与することで、MALLEABILITYを実現しています。

*2 「サフマーレ フロア プレミア」について → https://www.dnp.co.jp/news/detail/20169593_1587.html

*3 EB(Electron Beam:電子線)コーティング : 塗工した樹脂を電子線の照射で硬化させる技術。ウレタンやUV樹脂をコーティングした製品に比べ、傷・汚れ・日光等に強く、高い耐久性と実用性能、品質安定性を確保できます。製造工程での省エネルギー化やCO2排出量削減、無溶剤塗工も可能な次世代型の環境対応技術です。

*4 DNPの製造工程で、熱硬化型インキとEB硬化型インキの同一量を塗工した場合のシミュレーション。

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