DNPの分散型IDソリューション

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DNPが貴社の分散型ID対応をサポートします

なぜ分散型IDなのか

分散型IDとはこれから普及が期待されている、デジタルアイデンティティ管理の考え方です。

現在、私たちの個人データは多くの場合、Web検索やSNSなどを提供する巨大プラットフォーマーなどの企業に集中・管理されています。これらのプラットフォーマーは私たちの個人データにインターネット上の行動履歴や購買履歴を紐づけ、ビジネスを行っています。
こうした「中央集権的」な個人データ管理によって、私たちは便利さや楽しさを享受する一方で「個人データが流出するリスク」や「自分の情報がどこで、何に使われているかわからない不安感」にさらされるという課題が存在しています。

分散型IDに取り組むことで

これらの課題を解決するのが、分散型IDという仕組みです。

VC(Verifiable Credentials)と呼ばれるデジタル証明書技術を通じて、生活者は個人データを主体的に管理することができるようになります。その結果、生活者はプライバシーを保護しながら必要に応じて企業・団体へ本人情報を正しく開示できるようになり、企業は偽造された情報の受け入れリスクの軽減や、提出された情報の検証負荷の軽減が期待できます。

分散型IDの活用イメージ

分散型IDに期待されること

個人データの管理のイメージ

ユーザーによって提出されたデジタル証明書は、プラットフォーム上で自動で正しさの検証がなされます。そのため、例えば提出された情報の目視での確認など、人的コストや設備コスト、個人データを扱う社員に向けた教育コストなどが減らせます。

分散型IDによるデータ改ざん防止のイメージ

デジタル証明書(VC)はデータの改ざんに非常に強い仕組みです。万が一、悪意を持ったユーザーから改ざんされたデータが提出されたとしても、検証不可となるため、偽造されたデータを受け入れてしまうリスクを減らせます。

サービスをまたいだ個人データを流通のイメージ

異なるサービス同士でユーザーの資格情報を発行・検証しあうことで、サービスをまたいだエコシステムが生まれ、エコシステム全体でユーザーの信頼性を担保し合うことが可能になります。

関連サイト 分散型ID管理システムを活用した共助アプリエコシステムの社会実装に向けた実証実験がスタート

分散型IDの市場動向

分散型IDの世界の取り組みの概要

EU圏では先行して検討が進んでおり、2023年8月からはEU加盟国で、行政サービス・企業・教育機関・オンライン取引・電子署名・電子処方箋等のデジタルIDサービスと相互連携する「EUデジタルアイデンティティウォレット」の実証実験を開始※1しています。また、eIDAS※22.0加盟国には、2026年中にデジタルアイデンティティウォレット(EU Digital Identity Wallet)を国民に無償提供する義務が課され、分散型IDの活用が一気に進み始めています。
日本政府もこうした動きに呼応し、内閣官房のデジタル市場競争本部が「Trusted Web※3推進協議会」を設立しました。2030年頃には、特定のサービスに過度に依存せずに、データ自体とそのやり取りを検証できる領域を拡大して信頼性を向上させるフレームワークの実現をめざしており、今後日本国内でも対応する企業が増えていくと予想されています。

※1 デジタル庁「日本におけるデジタル資産・分散台帳技術の活用、 事業環境整備に係る調査研究」より。
※2 Electronic Identification, Authentication and Trust Services(電子識別、認証、および信頼サービス)の略で、EU圏内での電子取引がより安全・安心に行われるための枠組みを確立したEU規制。
※3 内閣官房(デジタル市場競争本部)の「Trusted Web推進協議会」で提唱された、「特定のプラットフォームやサービスに依存せずに、Verifiableなデータを通じてWebで流通するデータの信頼性を保証する仕組み」に関する概念のこと。

分散型IDで想定されるユースケース

事務作業の省力化のイメージ

事務作業の省力化

例えば、卒業証書などの資格をデジタル証明書で発行することで、発行手続きの省力化やユーザー利便性の向上に。

手続きの簡略化のイメージ

手続きの簡略化

例えば、事前に当人認証とチケットの確認を済ませておくことで、当日の受付業務の負荷軽減やユーザーエクスペリエンスの向上に。

エコシステムの創出のイメージ

エコシステムの創出

例えば、ユーザーの普段の安全運転データをデジタル証明化し、旅先でのレンタカーの割引や保険の割引など、企業をまたいだ証明書の活用に。

DNPのご支援範囲

DNPは分散型IDを使ったビジネスに取り組みたい企業様を、分散型IDに関する知識取得からビジネス立ち上げまで一貫して支援いたします

分散型IDは今後世界的な活用が進んでいくことが見込まれる一方で新しいコンセプトでもあるため、仕組みを提供するプラットフォーマーにはセキュリティに関する高度な知見と実績が欠かせません。また、世界各国で研究や実証実験が進む現在において、国際連携が必須であるとDNPは考えています。

DNP分散型ID管理プラットフォーム CATRINA

DNP分散型ID管理プラットフォーム CATRINAのロゴ

本プラットフォームは、国際間で信頼性の高いデータ流通の実現に向けて、先行しているEU圏で検討されている技術仕様に準拠しています。また、DNPは本プラットフォームの開発にあたり、豊富な開発実績・知見・ネットワークを持つオーストラリアのMeeco社の技術提供を受けており、オーストラリアを始めとした国際間の実証実験やネットワーキングに取り組んでいます。

関連ニュース 分散型IDで事業化を目指す大日本印刷と三菱UFJ銀行 オーストラリアの企業と分散型IDの接続実証に成功

DNP分散型ID管理プラットフォーム CATRINAの説明

DNPは、2022年からデジタル庁の「Trusted Webの実現に向けたユースケース実証事業」に2年連続で採択されるなど、国内企業とのユースケース検討を含めた実証実験に取り組んでいます。実証実験では、VCの発行・検証の要件定義や組織運用体制などのルールメイキングをサポートしており、実装に向けた豊富なノウハウを有しています。

Indicioアカデミー

Indicioアカデミーのロゴ

本プラットフォームを利用する企業に、分散型IDに関する教育プログラムも提供します。分散型IDの知見を持っているアメリカのIndicio社と協業して、分散型IDに関する基礎知識や、経営者層や新規事業開発担当者、システム開発者向けの教育プログラムを提供します。

ニュースリリース

2024年8月28日 分散型IDに基づくデジタル証明書の発行・検証を構築するプラットフォームを提供開始
2024年7月1日  信頼性の高いデジタルIDの実現を目指す 国際的なコミュニティ「Open Identity Exchange」に日本企業で初めて加入
2024年6月3日  分散型IDで事業化を目指す大日本印刷と三菱UFJ銀行 オーストラリアの企業と分散型IDの接続実証に成功
2024年3月18日 「Trusted Web」の社会実装に向けた汎用的なトラストフレームワークを策定
2023年3月29日 大日本印刷と三菱UFJ銀行が分散型IDに関する技術および事業化検証に向けて基本合意

  • ※2024年10月1日時点の情報です

  • CATRINAは商標登録出願中

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