artscape
artscape English site
プライバシーステートメント
展覧会レビュー
村田真/原久子
11/6〜11/11
揺らぐ近代
11/7〜12/24 東京国立近代美術館[東京]
揺らぐ近代
日本画と洋画の誕生と発展を視野に入れながら、たがいににじり寄ったり離れたりする関係を追う。西洋の風物を日本画で描いたり、日本神話を油絵の画題にしたり、あるいは日本画家が油絵を描いたり、その逆だったり。高橋由一の水墨画《捕象図》、橋本雅邦の油絵《水雷命中之図》、川端龍子《龍巻》など珍しい作品も。
[11月6日(月) 村田真]
岡部昌生展
11/6〜12 トキ・アートスペース[東京]
岡部昌生展
「キューポラのある街」として知られる川口市で行なわれたフロッタージュと、そのドキュメント。鉄の飛沫を浴びた鋳物工場の床をひたすら鉛筆で紙に擦りとっていく姿は、まるで求道者のようだ。腰はだいじょうぶだろうか。岡部さんは来年のヴェネツィア・ビエンナーレの日本代表作家。
[11月6日(月) 村田真]
クリエーター・イン・レジデンス内見会
11/7 トーキョーワンダーサイト青山[東京]
東京都が行なうアーティスト(だけでなく広くクリエーターが対象)・イン・レジデンスのお披露目。場所は青山の国連大学のあるビルで、コスモス青山というそうだ。その南棟3〜5階の3フロアを、5つのスタジオ、7つの宿泊室、ラウンジ、ライブラリーなどに改造したもの。とてもシンプルなデザインに統一され、こういう環境で制作できるクリエーターがうらやましい。一方で「スノッブ」との声も聞かれたが。まあこの白い壁がどれくらい汚されていくかが成否の分かれ目でしょう。その前につぶされないよう祈るばかりだ。
[11月7日(火) 村田真]
森鴎外と美術
11/7〜12/17  静岡県立美術館[静岡]
森鴎外と美術
軍医、小説家として活躍する一方で、帝国美術院の初代院長も務めた森鴎外と美術のかかわりを探る企画展。島根、和歌山、静岡の3館しか巡回しない貴重な展覧会だ。鴎外というとミュンヘンに留学した原田直次郎との交流が知られているが、そのほかにも美術評論を書き、文展の審査員や帝室博物館の総長を務めるなど美術とのかかわりは深い。それだけに出品作品・資料は多岐にわたる。うれしいのは、鴎外が擁護した原田をはじめ山本芳翠、五姓田芳柳、川村清雄らいわゆる旧派がたくさん出ていること。といっても鴎外は新派を非難したわけではないので、黒田清輝《智・感・情》をはじめとする新派や、日本画、彫刻も出品されている。結局、明治・大正の美術史ほとんどそのままみたいな。
[11月11日(土) 村田真]
gallerism 2006「現場だ!」
10/30〜11/11 大阪府立現代美術センター[大阪]
gallerism 2006「現場だ!」
関西の現代美術系の画廊14軒による合同企画展。はっきりいってどれもこれもおもしろくなかったが、別室に隔離されていた木内貴志は注目に値する。これは前回人気投票を行なって1位になった木内の「アンコール展」。作品の多くは単なる思いつき、いわば瞬間芸みたいなもんだが、たとえば学校机の表面を彫って版木として刷るとか、思いつきでも数打ちゃ当たることを身をもって証明している。
[11月11日(土) 村田真]
エッセンシャル・ペインティング
10/3〜12/24 国立国際美術館[大阪]
エッセンシャル・ペインティング
久しぶりぶりに見ごたえのある絵画展。とくにここ10年くらい欧米の新しい絵画動向がまとまって紹介されてこなかっただけに、瞳孔からだけでなく皮膚からも絵画のエッセンスがジンジン染み込んでくるようだ。だから「エッセンシャル・ペインティング」なのね。アレックス・カッツ、リュック・タイマンス、マルレーネ・デュマスら日本でも知られた中堅・大御所から、セシリー・ブラウン、ミッシェル・マジュリス、ウィルヘルム・サスナルらぼくも知らなかった30代の画家まで13人。個人的にはジョン・カリン、ネオ・ラオホ、セシリー・ブラウン、ヴィルヘルム・サスナルが興味深い。これらをなんと呼べばいいんだろうか。具象・抽象という分類はおろか、新表現主義でもネオポップでもなければフォーマリズムの追求でもない。あえて共通点を求めれば、奇妙なイメージとブラッシュストロークの強調だが、だったら別に新しくもない。そんな絵画がかたまりとして出てきて、それが異様に受けるという現象が新しいのかもしれないが。いずれにせよ、大阪だけで開かれるこの展覧会で、関西のアートシーンは東京より少なくとも5年は先を進むだろう。たかが5年ともいえるけどね。
[11月11日(土) 村田真]
小川信治展──干渉する世界
9/30-12/24 国立国際美術館[大阪]
小川信治展──干渉する世界
「エッセンシャル・ペインティング」展と同時期開催がよかったのか悪かったのか。小川の超絶技巧には舌を巻くが、技法やコンセプトに目が奪われてしまい、上記展を見たあとでは絵画のおもしろさを堪能しきれなかった。
[11月11日(土) 村田真]
ニッポンvs美術
10/28-12/10 大阪市立近代美術館(仮称)心斎橋展示室[大阪]
ニッポンvs美術
「ニッポン・美術」でもなければ「ニッポン=美術」でもない、「vs」が意味深。手前の部屋は竹内栖鳳から北野恒富、島成園、福田平八郎、パンリアルまで館蔵品(といってもまだ準備室だが)を中心とした日本画、奥の部屋は村上隆、ヤノベケンジ、中ハシ克シゲ、山口晃ら日本的または日本画的現代美術の展示。おもしろいのは後者のほうで、とくに和服の生地を使って韓国の婚礼衣装を仕立てた呉夏枝、解体される建築の部材を利用してウクレレをつくる伊達伸明、イノシシの毛を粉末にして絵具をつくり、それでイノシシを描いたしばたゆりらは、素材をいったん解体して再構築している点で興味深い。みんな関西だ。
[11月11日(土) 村田真]
STAY WITH ART 2006「もてなし」
11/11, 12 ホテルTポイント[大阪]
STAY WITH ART 2006「もてなし」
2001年から始まったホテルの客室で2日間だけ公開される展覧会。グラインダーマン、ログスギャラリー、イチハラヒロコらが出品。似たようなプロジェクトは京都や福岡でも行なわれているが、ここで驚いたのは1室ごとに異なるデザインで差別化され、すでに部屋自体がアート化していること。だから作品がなくてもインテリアを見るだけで満足してしまい、作品の印象が薄くなる。いってみれば、スター建築家による作品としての美術館で開かれる展覧会みたいなもんで、アーティストにとってはやりにくいのか、やりがいがあるのか。その点、インテリアをとっ払った改装中の部屋にインスタレーションした横谷奈歩は得をしたかもしれない。
[11月11日(土) 村田真]

今年のテーマは「おもてなし」。ホテルの客室等を使った展覧会は、最近では珍しくなくなったが、それぞれの部屋が個展形式でアーティストたちによって考えられた「おもてなし」が待っていた。受付でヘッドフォン付き小型FMラジオを借り、グラインダーマンのパフォーマンスを観覧。大勢の観衆もパフォーマーたちもヘッドフォンをつけているので、無音のなかで身体運動が行なわれているのを、息をのんで観るような奇妙な空間となっていた。
STAY WITH ART 2006 STAY WITH ART 2006
左:廊下で踊るグラインダーマン
右:イチハラヒロコ作品のある部屋
[11月12日(日) 原久子]
Index
10/26-10/27
「ルーヴル──DNPミュージアムラボ」オープニング記念シンポジウム
素景──陳若冰 平田五郎 尹熙倉
のぎすみこ かくれんぼ
大野一雄フェスティバル2006
今村源展・連菌術 Over the Ground / Under the Ground
10/28
(Rx3)3(アールエックス・キューブ・キュービック)
「20061006-1111」しみず賛
宮本隆司「forgotten忘れていた」
ルース・ルート、アレックス・ブラウン、キャメロン・マーティン、サリー・ロス
クリスト&ジャンヌ=クロード講演会
田名網敬一・ビックリ箱構造の解剖展
10/29
アートプログラム青梅2006「緑化する感性──街道を読む」
ルーヴル美術館展 〜古代ギリシア芸術・神々の遺産〜
浅井忠と関西美術院展
村住知也
三瀬夏之介展「奇景」
Trans-Acting 未来の記譜法
10/30-11/3
オフィス展 杉山優子
DARK SEED 02
森口裕二個展 丑寅からの宴
GARDENS ガーデンズ──小さな秘密の庭へ
エマニュエル・アンティル展
sketch furniture by front
Design Tide in Tokyo 2006
Super White by gf
100% DESIGN TOKYO
11/4-11/5
サスティナブル・アートプロジェクト2006 台東・言問い通り現代美術展「言の聞え」
Dzine -stealing dreams-
浅田政志個展「浅田家」
青木淳 taro nasu bambi
日野田崇個展
プライスコレクション 若冲と江戸絵画展
中村協子展「スイートホーム・殺人事件」
11/6-11/11
揺らぐ近代
岡部昌生展
クリエーター・イン・レジデンス内見会
森鴎外と美術
gallerism 2006「現場だ!」
エッセンシャル・ペインティング
小川信治展──干渉する世界
ニッポンvs美術
STAY WITH ART 2006「もてなし」
11/12-11/14
incubation 06
中ハシ克シゲ展 ZEROs
快走老人録
クリーブランド美術館展
ビル・ヴィオラ:はつゆめ
スーパーエクスタシー 至福への旅路
11/15-11/17
ルソーの見た夢、ルソーに見る夢
空間に生きる──日本のパブリックアート
土と色 ひびきあう世界
日豪写真交流展 まなざしの交換 ポール・ナイト展
日展
大エルミタージュ美術館展
ユニヴァーシティ・ミュージアム合同展
タリエ
11/18-11/23
Henk Visch展
森村泰昌「烈火の季節/なにものかへのレクイエム・その壱」
蜷川実花「永遠の花2」
大竹伸朗 全景
TAP2006
カーク・レイナート来日展
第3回「絵画修復と模写」展
日豪写真交流展 まなざしの交換 ペトリーナ・ヒックス展
日豪写真交流展 まなざしの交換 Daniel Crooks展
前ページ 次ページ
ページTOPartscapeTOP 
DNP 大日本印刷 ©1996-2007 DAI NIPPON PRINTING Co., Ltd.
アートスケープ/artscapeは、大日本印刷株式会社が運営しています。
アートスケープ/artscapeは、大日本印刷株式会社の登録商標です。
artscape is the registered trademark of DAI NIPPON PRINTING Co., Ltd.
Internet Explorer5.0以上、Netscape4.7以上で快適にご利用いただけます。