村田真/原久子 |
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11/18〜11/23 |
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森村泰昌「烈火の季節/なにものかへのレクイエム・その壱」
11/11〜12/16 シュウゴアーツ[東京] |
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三島由起夫自衛隊乱入・割腹事件、浅沼社会党委員長刺殺事件、ケネディ暗殺容疑者オズワルト射殺事件、ベトナム戦争の処刑……。60年代の記憶(記録)されたイメージを森村がみずから演じてみせる。三島の市ヶ谷における最後のアジテーションをパロッた映像も「よくやるぜ」。どこまで本気なのかよくわからないところがスゴイ。危ない橋を渡ろうとしているようだ。
[11月18日(土) 村田真] |
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蜷川実花「永遠の花2」
11/17〜12/9 小山登美夫ギャラリー[東京] |
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極彩色の花々の写真。よく見たら造花。会場前にもお祝いの花が並んでいたが、こちらはホンモノ。
[11月18日(土) 村田真] |
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大竹伸朗 全景
10/14〜12/24 東京都現代美術館[東京] |
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20年以上も前、最初にギャルリーワタリで見たとき、妙な言い方をすれば、まるで「ニューペインティング」を絵に描いたような、ずいぶん日本人離れしたバタくさい絵だと思ったが、次にロンドンのICAで見たら一転して伝統的な日本を強調した作品を出していたので、調子いいヤツだと思った。その後も、「網膜」やら「ダブ平&ニューシャネル」やら「日本景」やら、個々にはおもしろいものもあったけど、最初の印象がずっと尾を引いていた。でもこの「全景」を見てイッキに氷解した、というか、ムリヤリ納得させられた感じ。巨大な現代美術館の3フロアを占有した(それ以外の場所にもある)全2000点は、見るだけでも疲れると聞いていたが、むしろ見終わったあと爽快な敗北感を覚えた。ここでは圧倒的な作品の量が、質に転換しているのだ。しかも1点1点の作品を見ていくと、無造作な外見よりはるかにテマヒマかかっていることがわかる。この展覧会でだれより喜んだのは、おそらく東京都現代美術館ではないか。いつももてあまし気味だったバカでかい壁面を有効に活用してくれたのだから。
[11月18日(土) 村田真] |
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Henk VIsch at Moriyama House
9/20〜11/26 MORIYAMA House[東京] |
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閑静な住宅街にある個人宅は西沢立衛による建築設計。東近美の保坂さんから話しを聞いて、どうしてもこれは見に行こうって気になった。長方形の敷地のなかにいくつかの棟が分散して建てられ、路地を通って部屋を移動する。室内だけでなく、庭や屋上、浴室にもヘンク・ヴィッシュの人体彫刻が点在。意外な場所にドローイングがあって、階段をあがる途中でのみ見えたり、なかなか楽しい体験をした。場所の移動は靴の脱ぎ履きがあって面倒だが、それもひとつの儀式のようにも思えてくる。キッチンの上のお昼寝部屋から向かいの棟の屋上を観たり、目線を変化させてくれ、受け身にはけしてさせない展示。お家のオーナーの森山さんもとても素敵な方で、手みやげでも持ってくるべきだったと反省。
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森山邸のいたるところに展示されたヘンク・ヴィッシュ作品 |
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[11月18日(土) 原久子] |
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TAP2006
11/11~11/26 取手市内 終末処理場ほか[茨城] |
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冷たい雨のなか取手へ。ホームや車内でアートの仕事をする友人たち複数と遭遇。今日はバスツアーがあるというので朝からどんどん人が取手駅前に集まってきている。今年のTAPは超豪華。野村誠、藤本由紀夫、ヤノベケンジという三人のアーティストがゲストプロデューサーをつとめた。終末処理場という名前からしてヤバイ場所でのヤノベ・プロデュースの展覧会は圧巻!!Antena、淀川テクニック、カワイオカムラ、國府理ほか関西を拠点にするアーティストたちも多数参加。このエネルギーはどこからやってきたんだ?!っていうヤノベ組っぽさが寒さをふっとばしてくれた。
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左:ヤノベケンジの作品である《トラやん》。人形は会場内のほうぼうに文字 プレートを持って隠れていた
右:藤本由紀夫《GARDEN- miyanomae》。リートフェルトの《レッド&ブルー》の図面に基づいて作られた25脚の椅子。さまざまな方向を向いて公園の広 場にランダムに並ぶ椅子に座って目の前の風景を眺めながら、聞こえてくる音 ほかさまざまなものを体験するインスタレーション |
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左上:池田拓馬《PASSAGE》。塔には四方に扉がついている。終末処理場のい ろんな場所から扉をはがしてきた
右上:故障中の足立喜一朗《ジャイアント・モーラー》。青い大きな玉とこの巨大なぬいぐるみが戯れる(?)ところを観たかった!
右下:終末処理場に放置されていたモノを組み立てたアーティストユニット・ 淀川テクニック《大王鬼神(だいおきしん)》 |
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[11月19日(日) 原久子] |
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カーク・レイナート来日展
11/22〜26 横浜ワールドポーターズ6階特設会場[神奈川] |
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いわゆる癒し系というんでしょうか、あるいはラッセン系といったほうが早いかもしれませんが、キラキラ星降る夜になぜかオーロラがひるがえり、イルカや白馬や妖精が戯れるゴージャスで陳腐な版画。受付でにこやかにほほえむ美人おねーさん(しかもふたりも)につられて入ってみると、ホストみたいなおにーさんやおねーさんが観客にぴったり寄り添い、笑顔の裏に「買うまで帰さないぞ」みたいな。ぼくは足元を見られたのか、たまたま人手がたりなかったのか、だれも寄り添ってくれなかった。作品はだいたいエディション500前後で、1点50万〜150万円といったところ。完売すれば5億円! それが30点くらいあったから……ああ計算できない。ちなみにカークさんも大竹伸朗と同じ1955年生まれ。どこで道が分かれたのか。
[11月22日(水) 村田真] |
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第3回「絵画修復と模写」展
11/20〜26 赤レンガ倉庫1号館2階[神奈川] |
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先月まで北仲ホワイトに入居していた青木絵画修復工房の展覧会。修復された絵のなかには旧東独のホーネッカー議長の所蔵品や、黒田清輝の弟子で白馬会の創設にも参加した中沢弘光の作品もあるが、大半は安っぽい売り絵。修復される絵の作者より修復師のほうがよっぽど絵がうまいことは、名画の模写を見ればわかる。日本で絵画修復を続けるつらさと限界がかいま見える。
[11月22日(水) 村田真] |
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日豪写真交流展 まなざしの交換 ペトリーナ・ヒックス展
11/21〜12/9 アーリーギャラリー[大阪] |
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そっと目を閉じた少女が口に小鳥をくわえている。一瞬ドキリとさせられる写真だ。小鳥は寝るときに暗くしてあげないと眠れない、だから少女は小鳥の頭を口にくわえ、眠っていいよ、と教えてあげたのだとか。少年が精悍な犬を抱きかかえているが、指で口をちょっと持ち上げて、犬の「犬歯」を見せている。
コンセプトや設定を構想して、イメージに合うモデル探しからはじめるという。ただ人が写っているのだが、時間の止まったその画面のなかには表現しがたいものが漂っている。
[11月23日(木・祝) 原久子] |
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日豪写真交流展 まなざしの交換 Daniel Crooks展
11/23〜12/17 remo[大阪] |
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展覧会オープン前夜の22日にダニエル・クルックスを迎えに関西空港へ行った。彼が展示する作品のDVDをクーリエしてきているから。そして、大きな荷物をもった彼と会場であるremoに到着したのはすでに深夜0時すぎ。そこからがたいへんだった。しかし、その甲斐あってすばらしい3作品のインスタレーションが完成。アーティストトークでは、技術的なことも含め作品について語ってくれた。とにかくよくしゃべる人である。時間や空間を歪めて、いつも私たちが身近で観ているものを、想像もつかないような形状にしてゆくが、彼はもしかしたらこの映像の世界で観ている世界が本当で、いつも観ている世界がウソかもしれない、と思うと面白いでしょ、てなことを言った。そりゃあそうです。オモロイ。でもってそんな世界をつくり出してしまうのがダニエルのスゴイところ。
[11月23日(木・祝) 原久子] |
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