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展覧会レビュー
小吹隆文/福住廉
5/13〜5/22
KYOTO ART MAP 2008 京都美定書
5/13〜25 京都市内の13画廊[京都]
KYOTO ART MAP 2008 京都美定書
1997年にスタートし、今年で7回目を迎えた《KYOTO ART MAP》。サブタイトルの「京都美定書」はもちろん「京都議定書」(奇しくも1997年に議決)と同様に京都の現代アートシーンが広く世の中に影響を与える存在でありたいとの希望を込めたものだ。今年は参加画廊数13と過去最小だったが、内容的には最上の部類に入る良い出来栄えだった。イタリアから帰国した三瀬夏之介の絵画作品は現在の充実ぶりが伺える力作だったし、國府理は廃自動車を天地逆さまにして上部にコケを植えたインパクトの強い立体作品を出品した。宮永甲太郎が粘土とライとボックスを用いて作った水墨画風の作品は摩訶不思議な逸品だったし、小山田徹が監修した《The Act of Looking》も実測図と洞窟探検をテーマにした見たことのない(でもめっぽう面白い)企画だった。ほかにも、吉村敏治、成田久、日野田崇の展示が上出来だったし、全体的にも外れがなかった。このイベントの継続については未定らしいが(5/29現在)、10年を経てようやく関西以外でも知られるようになったのだからフェイドアウトさせるのはもったいない。 更なるブラッシュアップを図り、今後も続くことを望む。
[5月13日(火) 小吹隆文]
第14回 尖
5/13〜18 京都市美術館[京都]
第14回 尖
関西在住の若手・中堅日本画家によるグループ展。今年はメンバー13人とゲスト3人が出品した。多くが大作を出品したが、なかでも、兼若和也、マツダジュンイチ、神戸智行の作品は10メートル級の特大サイズで、日本画に対する先入観を鮮やかに打ち砕いてくれるくれるものだった。また、奈良・飛火野の森を存在感たっぷりの線で描いた林孝二と、ワスレナグサを描いた絵とコピーを用いてコンセプチャルな展示を見せた今井康雄の作品も忘れがたい印象を残した。
[5月18日(日) 小吹隆文]
大舩真言「どこでもない場所」
5/20〜6/1 アートスペース感[京都]
大舩真言「どこでもない場所」
作品単体だけでなく、展示空間との親和性に富んだインスタレーションを得意とする画家、大舩真言。展示室と坪庭、和室がガラス窓を隔てて並ぶこの画廊は、彼にとってまさに格好の空間と言えよう。入口を入ってすぐの展示室では、作品を床から少し浮かせ、寝かせた状態で坪庭に接するように設置。奥の和室では、壁面いっぱいの大作が1灯の照明で浮かび上がるように展示されていた。実は展示室の作品の高さは和室の床面と同じであり、これによって3つの空間が緩やかに連続するよう計算されていたのだ。絵具にはパール系の素材が混ぜられており、見る角度や天候、時間帯によって作品の表情が刻々と変化する。私が訪れたのは午後1時過ぎだったが、夕刻の方が色彩が引き立ってよりドラマチックらしい。それを知っていたら時間をずらしたのに。ちょっぴり残念。
[5月20日(火) 小吹隆文]
ガレとジャポニスム
5/22〜7/13 サントリーミュージアム[天保山][大阪]
ガレとジャポニスム
今年春に東京のサントリー美術館で開催された展覧会が大阪に巡回。アール・ヌーヴォー期を代表する工芸家エミール・ガレと、彼と同時代の作家、彼らに影響を与えたと思われる日本の諸工芸品を並べて展示している。既にガレの作品を何度も見ているからだろうか、私の興味はもっぱら日本の工芸品へと傾いてしまった。特に、平田宗幸作《茄子水滴》、正阿弥勝義作《瓜形花器》、初代宮川香山作《色絵蟹高浮彫水鉢》の超絶技巧は凄まじく、明治時代の工芸がいかにレヴェルの高いものだったかを改めて思い知った。また、瀬戸黒の茶碗や備前の火入をガレのガラス碗と共に並べるなど、節々で気の利いた展示が見られたのも良かった。
[5月20日(火) 小吹隆文]
Index
4/21〜4/25
鴻池朋子 展 隠れマウンテン&ザ・ロッジ
英国美術の現在史:ターナー賞の歩み展
サスキア・オルドウォーバース
太田三郎 HIROSHIMA 1990-2008/有隣荘・太田三郎・大原美術館
4/27〜4/30
ファブリス・イベール たねを育てる展
松田と栗原と森元、
液晶絵画 Still/Motion
内藤絹子 祈りの言葉
5/5〜5/6
今村源 わたしとシタワ
川内真梨子展 鹿曼荼羅
大谷かほる展 diary2
5/7〜5/12
アフリカ 希望の大地 写真展
LandmarkProject3 国道16号線を越えろ! ←野毛に行こう
お釈迦様の掌
小川信治 展 “SOUVENIR”
こおり 中山恵美 展
5/13〜5/22
KYOTO ART MAP 2008 京都美定書
第14回 尖
大舩真言「どこでもない場所」
ガレとジャポニスム
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