マンションの手すり素材にアルミをおすすめする理由と活用事例

手すりは、建築物のユニバーサルデザインにとって欠かせない部位です。上下階をつなぐ階段での歩行や、トイレから立ち上がるといった動作を補助してくれます。バルコニーに設置される手すりは、墜落防止だけでなく、外観デザインの役割もあります。

とくにマンションは、多くの居住者が利用するため、子どもや高齢者の安全性を確保しつつ美しい外観となるよう、手すりの設計には配慮しなければなりません。

本コラムでは、手すりの基本的な種類と関係法規を説明して、実際のマンションでのアルミ素材の活用事例を紹介します。

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ウィルローズ北浦和の正面

木材のような質感を持つアルミ製の手すりを採用するマンション「ウィルローズ北浦和」

マンションにとって手すりは「安心安全の命綱」であり「デザインのアクセント」

マンションにおける手すりの役割は、大きく「安全面」と「デザイン面」に分けられます。

安全面においては、バルコニーからの墜落事故や階段での転落事故といった、悲惨な事態を防止する役割があります。いつも何気なく使っている手すりは、居住者の「安心安全の命綱」であるといえるでしょう。

デザイン面においては、外観のアクセントとして、マンションの印象を大きく左右します。例えば、木製の手すりは温かみのある印象を与え、ステンレス製の手すりはスタイリッシュな印象を与えます。また、手すりの形状や色調によっても、マンションの雰囲気は大きく変わってくるでしょう。

手すりは大きく分けて3つの種類

手すりの種類は、目的や用途に応じて、大きく次の3つに分けられます。
・墜落防止
・歩行補助
・動作補助

墜落防止手すりはバルコニーや共用廊下などの室外で利用

墜落防止手すりは、バルコニーや屋上、共用廊下、階段の端などの室外に設置されるもので、墜落事故や転落事故を防止する役割があります。

墜落防止手すりには、次のような種類と特徴があります。

種類 特徴
手すり子タイプ 格子部材を縦に配列し、面を表現している
パネルタイプ(アルミパンチタイプ) アルミのパネル面に穴加工を施している
パネルタイプ(ガラスタイプ) 面材にガラス板を使用し、透明感を演出している
パネルタイプ(アルミ樹脂複合板タイプ) 面材にアルミ+PE樹脂+アルミの複合板を使用し、外部からの目隠しとなっている
レールタイプ コンクリート上部に横レールタイプの手すりを施し、意匠機能の向上を図っている

また、建築基準法施行令第126条には下記の条文が明記されています。

屋上広場又は二階以上の階にあるバルコニーその他これに類するものの周囲には、安全上必要な高さが一・一メートル以上の手すり壁、さく又は金網を設けなければならない。

引用:e-GOV

したがって、マンションのバルコニーの場合は、墜落防止のために1.1m以上の手すりを必ず設置しなければなりません。

歩行補助手すりは室内外の階段や廊下などで利用

歩行補助手すりは、室内外の階段や廊下などの段差や狭い場所で、バランスを崩したり転倒するリスクを軽減するために設置されます。高齢者や障がい者、妊婦、乳幼児など、歩行に不安のある方や足腰が弱い方の安全な移動を補助します。

歩行補助手すりには、次のような種類と特徴があります。

種類 特徴
アルミタイプ 手すり本体の表面がアルミ製で、室内・室外に対応できる
ステンレスタイプ 手すり本体の表面がステンレス製で、室内・室外に対応できる
樹脂被覆タイプ 手すり本体の表面が樹脂製で、室内・室外に対応できる
木製タイプ 手すり本体の表面が木製で、室内・室外に対応できる

階段や廊下に設置する歩行補助手すりの高さは、建築基準法では定められていませんが、多くの人に使いやすい歩行補助手すりの高さは、おおむね750~800mmとされています。

動作補助手すりはトイレやお風呂、玄関などの室内で利用

動作補助手すりとは、トイレやお風呂、玄関などの室内に設置される、人の動作を補助する役割を持つ手すりです。

動作補助手すりには、次のような種類と特徴があります。

種類 特徴
I型手すり 壁面に沿ってI型に設置され、立ち上がりや姿勢保持を補助する
L型手すり 壁面に沿ってL型に設置され、便座や浴槽などの立ち上がりを補助する
可動式手すり 必要に応じて手すりの位置の調整が可能で、便座や浴槽の立ち上がりを補助する

動作補助手すりは水まわりに設置されることもあるため、滑りにくくつかみやすい材質を選ぶようにしましょう。

「階段手すりの設置」は2000年以降の建築基準法で義務化に

階段手すりの設置は、2000年の建築基準法の法改正によって義務化されました。具体的な内容は、次の建築基準法施行令第25条に明記されています。

第二十五条:階段には、手すりを設けなければならない。

2:階段及びその踊場の両側(手すりが設けられた側を除く。)には、側壁又はこれに代わるものを設けなければならない。

3:階段の幅が三メートルをこえる場合においては、中間に手すりを設けなければならない。ただし、けあげが十五センチメートル以下で、かつ、踏面が三十センチメートル以上のものにあっては、この限りでない。

4:前三項の規定は、高さ一メートル以下の階段の部分には、適用しない。

引用:e-GOV

この法改正は、日本の高齢社会に対応するためとされており、高齢化社会における安全対策として、大きな意義をもちます。

階段手すりは、高齢者や障がい者だけでなく、一般の方の家庭内事故を防ぐためにも重要な設備です。

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木目とガラスがアクセントとなったバルコニー手すりの事例‐ウィルローズ北浦和

分譲マンション「ウィルローズ北浦和」のバルコニーに使用されている墜落防止手すりは、アルミとガラスを用いています。木目調に見える部分には「DNP内・外装焼付印刷アルミパネル アートテック®」が使用されており、天然の木材のような質感を表現しながら高い耐候性も備えています。

ウィルローズ北浦和の手摺の外観

外観は、磨りガラスと木目がアクセントとなっている

ウィルローズ北浦和の斜めからの手摺の外観

植樹されている樹木の緑とも相性が良く、天然物と人工物がうまく調和している

ウィルローズ北浦和の手摺の裏面

裏面は、アルミ原板のため、耐久性に優れている

手すりの裏面はアルミの原板で、風雨や日光による劣化が緩やかで耐久性にも優れています。まさに、金属素材の特性を活かしつつ天然物との調和が取れている好事例といえるでしょう。

アートテックでは、アルミニウムの素地を活かした新質感のアイテム「アートアルミシリーズ」と、自然素材のエッセンスを活かした工業化アイテム「マテリアルシリーズ」の2種類を展開しており、用途やデザインに合わせたオーダーが可能です。バリエーションが豊富で、内・外装の両方にも対応しているため、さまざまな建築物で活躍できるでしょう。

アルミの手すりは機能性とデザイン性が高く、マンションと相性が良い

アルミの手すりは機能性とデザイン性に優れ、マンションとの相性が良い部材です。

軽量で強度が高いという特長をもち、マンションの外壁や内壁に負担をかけることなく設置できます。また、錆び(さび)にも強く、雨風にさらされるマンションの外壁に設置しても、長期間きれいな状態を保つことが可能です。

機能性が優れているうえにメンテナンスが簡単なため、マンションの管理や維持にかかるコストの削減にも期待できるでしょう。

デザイン性の面では、シンプルでスタイリッシュなデザインが可能なため、マンションの外観や内装を損なうことなく、手すりを設置できます。

マンションの手すりにアルミを使う2つのメリット

本章では、マンションの手すりにアルミを使うメリットについて紹介します。具体的には次の2つがあります。
・資産価値が減損しにくい
・メンテナンスの負荷が軽減する

資産価値が減損しにくい

マンションの手すりにアルミを使用することで、他の部材に比べて資産価値が減損しにくくなります。アルミは耐久性に優れており、長期間使用しても劣化の進みが緩やかなためです。

また、アルミは寸法安定性が高く、例えば窓のサッシに使用することで高い気密性を維持できます。そのため、マンションの資産価値を向上させるためには、アルミ製の部材を使用することが効果的だといえるでしょう。

メンテナンスの負荷が軽減する

マンションの手すりにアルミを使うことで、メンテナンスの負荷を軽減できます。鉄や木材などの素材と比べて、アルミは腐食や変形などの劣化に強いためです。

また、アルミ製のサッシ手すりやルーバーは、長期間の使用においてもメンテナンスをあまり必要としないため、メンテナンス費用や労力の負荷を軽減できます。メンテナンスの際は汚れが落としやすく、軽量であるため取替修理も容易です。

手すり以外の「マンション×アルミ」の活用事例

本章では、マンションの手すり以外の部位にアルミを活用した事例を紹介します。具体的な活用事例は次のとおりです。
・マンション×アルミルーバー
・マンション×アルミサッシ
・マンション×アルミフェンス

マンション×アルミルーバー

マンションにアルミルーバーを設置することで、防犯性の向上や採光の調整が可能になります。羽板の角度を調節すれば、視線を遮ったり風や日光を調整したりすることもでき、自然エネルギーを使った省エネ効果が期待できます。

また、アルミルーバーは軽量で、比較的少人数で施工しやすい点も特長です。

さらに、表面に特殊なコーティングを施し、汚れや水への耐性を高めることで、メンテナンスの負担を軽減できます。

マンション×アルミサッシ

アルミは寸法安定性に非常に優れた材料で、熱の流入・流出の要となる窓のサッシにも活用できます。

かつての日本では、住宅に木製サッシを使用していました。木材は吸放湿材料であるため、空気に含まれる水分量によって、寸法が変化します。この寸法変化は、四季のある日本の自然と調和する住まいづくりに役立っていました。

しかし現代では、断熱性や気密性が重視されており、寸法変化が少ないアルミサッシが主流となっています。また、樹脂とアルミを組み合わせたサッシや、窓からの熱の流入・流出をより抑制したサッシも開発されています。

マンション×アルミフェンス

マンションの敷地境界や塀にアルミフェンスを活用することで、怪我や犯罪の被害を防止できるなど、安全性の確保が期待できます。

他の材料と比較すると、ブロック塀は地震が起きたときに崩れ落ち、周囲の人に怪我をさせる危険があります。木製フェンスの場合は、経年劣化による表面の毛羽立ちで怪我をするおそれがあるでしょう。

その点、アルミフェンスは軽量で、倒壊や転倒のリスクも低いです。そのため、地震の際には、怪我人が発生するリスクを軽減でき、マンションの安全性を確保できます。

安全性とデザイン性が高いアルミ素材の手すり

本コラムでは、手すりの種類をはじめ、事例やマンションにアルミを使うメリットを紹介してきました。マンションには、多くの人が安心安全に生活できるよう、細やかな部分への配慮が必要です。

手すりは、「安全面」と「デザイン面」の重要な役割を担っており、まさに細やかな部分のひとつといえます。また、アルミは、「安全面」と「デザイン面」を兼ね備えた材料でメンテナンスの負担も少ないことから、マンションの手すりに適しています。

2023年12月現在の情報です。

【参考】出典元
e-Govポータル 建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号)
一般社団法人リビングアメニティ協会 住宅部品の基礎知識 アメニティCafe *2023年度版

*アートテックは、DNP大日本印刷の登録商標です。

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