電子化が進められない!?よくある課題と事例紹介

帳票の電子化をご検討されている方々へのコラムです。

目次

1.帳票業務の電子化における課題
2.帳票業務電子化の事例
2-1.多数ある帳票の業務整理が必要
2-2.帳票への顧客の押印が必要な事例
2-3.申し込み・契約後に帳票の社内承認が必要な事例
3.まとめ

1.帳票業務の電子化における課題

帳票業務の電子化には業務の効率化、人的ミス削減による業務の精度向上、紙や保管倉庫のコスト削減などのさまざまメリットがあります。しかし、電子化の手段によってはすべての紙帳票を同じように無くすことが困難な場合が多く、特に以下のような課題が発生する場合があります。

①多数ある帳票の業務整理が必要
②帳票へ顧客の押印が必要
③社内の承認が必要

これらの課題により一部の帳票業務の電子化が進められないと、紙帳票のままの運用を残す必要が出てしまい完全な電子化の妨げとなってしまいます。

2.帳票業務電子化の事例

ここからは1章で挙げた電子化の課題とその解決策についてご紹介します。

2-1.多数ある帳票の業務整理が必要

社内帳票や対顧客の帳票問わず、運用中の紙帳票の種類が多いことが帳票業務の電子化の課題のひとつして考えられます。特に、主要業務で利用する帳票業務の電子化ができていても、顧客情報変更届などの簡易的な帳票が紙のまま残る場合があります。
その原因として、帳票の業務整理とベンダーへの電子帳票開発委託に時間・コストがかかることが考えられます。帳票の業務整理では帳票項目の追加・廃止や業務フローの変更を検討する必要があり、帳票一つひとつに対してこの整理を行うには多くの時間と労力を要します。
またベンダーへの電子帳票開発委託では、たとえ簡易的な帳票開発であっても設計・開発・テストのフローを経由する必要があるため、初期開発・改訂時に電子化に大幅な時間・コストをかける必要が出ることが考えられます。

既存帳票のフォーマットを活かしたまま電子化を行う方法として、電子契約サービスが考えられます。電子契約サービスでは既存のPDFに対し電子署名を行い、タイムスタンプを利用することで顧客が本人である証跡を残すことが可能になります。しかし、すべて帳票の電子化を考慮すると利用頻度の低い帳票に対しては費用対効果が合わない可能性があります。
これらの解決策として、既存の紙帳票をベースとした電子化が可能なツールを導入できれば時間・コストを削減できます。

[電子化ツールの活用有無による違い]

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通常の帳票作成フローで発生する委託先の設計・開発・テストにかかる工程を自社開発で行うことで削減できます。また、既存帳票の項目やフォーマットを残すことで業務整理が不要となり、紙のまま大量に残っている帳票の電子化を自社で効率的に推進していくことが可能になります。

2-2.帳票への顧客の押印が必要な事例

紙帳票への押印は顧客からの申込書や契約書を受け付ける場面で必要となることが多くあります。電子押印を利用する方法も考えられますが、電子データのため複製が容易であり、新規の顧客に対しての対応が困難となることが考えられます。

帳票への押印を無くす解決策として、PDF帳票へ電子署名を行い顧客の署名データを取得する方法があります。署名によって筆跡情報をデータとして残すことが可能となるため、顧客本人であることの真贋(しんがん)鑑定も可能となります。
以下は押印の代わりに顧客の署名データを取得する電子化のフローになります。
このフローでは紙を無くすだけでなく、後続の審査業務を申し込み直後から行うことが可能となり業務スピードの改善が可能となっています。また、この事例では社内規定上顧客への紙の控え発送が必要なため、申し込みデータをBPO(Business Process Outsourcing)にて印刷し、申込書の控えを顧客に発送しています。

[顧客の署名データを取得する電子化のフロー]

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押印が必要となる他の事例として、社内規定上帳票に加盟店などの企業の社判押印が必要となり、署名データでは代替できない場合があります。
ここでは、以下フローにより申し込み時のデータを保持しながら、押印済みデータをPDFとして別途取得する運用が可能になります。

①電子帳票への記入申し込みを行った後に申込書PDFをメールで送信
②メールで受領したPDFを印刷して押印
③押印済みの帳票をスキャンしアップロード

[社判押印を取得する電子化のフロー]

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2-3.申し込み・契約後に帳票の社内承認が必要な事例

顧客からの申し込みや契約に対し、内容を確認するために社内審査を通して承認を得る場合があります。紙の場合は直接回覧することで承認を得ていた業務フローに対し、システム上でのワークフロー機能を利用することで申し込みから承認までを電子化し、スムーズに行うことが可能になります。また、承認日や次承認者の確認がシステム上で可能なため、より効率的な承認処理が可能となります。

[ワークフロー機能による承認の電子化フロー]

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3.まとめ

電子化を推進していく上での課題は、業務によって多岐にわたります。電子化が困難であるために紙の運用を続けるのではなく、その課題を解決できるような方法を検討し、紙で運用している帳票が完全に無くなることで初めて電子化ができていると言えるのではないでしょうか。
DNPでは本コラムで紹介した解決策を実現させる「DNPデジタル帳票配信・受信サービス」を提供しています。本サービスを導入いただくことで電子化の課題を解決します。

※記載内容は、2022年11月現在のものです。

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