雇用契約書・労働条件通知書の電子化により運用上の課題を解決します

非正規従業員と取り交わす契約書は、電子化することでコスト削減や業務の効率化が期待できます。電子化のポイントについてご紹介します。

2024年1月時点の情報です

対象のお客様

・流通小売業(ホームセンター、量販店、ドラッグストア、運送会社 等)などのパート・アルバイトといった非正規従業員を雇っている会社
・店舗責任者、事務部門、総務部門、ITシステム部門の方々

1.パート・アルバイトの雇用契約書・労働条件通知書の現状

働き方の多様化が推進され、パート・アルバイトなど非正規従業員数は年々増えています。非正規の職員・従業員は2,101万人と7年連続で2,000万人を超えている状況です(出典:「労働力調査結果」(総務省統計局))。これは、役員を除いた従業員の約37%となっており、およそ5人に2人は非正規従業員という計算になります。

非正規雇用者数の推移

正規で採用される社員と異なり、非正規従業員の場合、雇用契約の期間を明記する必要があります。期間の定めのある契約は終了日を具体的に記入する必要があり、この終了日は従業員によって異なります。
契約更新の際には、雇用契約書の他に、就業する曜日や時間、時給など労働条件を取り決めた労働条件通知書があります。この帳票は企業側の必須文書で、記入項目が多く、従業員に交付することが義務付けられており、詳細な取り決め事項を更新するため、従業員と対面で話しながらまとめるケースが多いです。
更新された雇用契約書・労働条件通知書は、企業側で保管すると同時に、従業員にも交付されますが、雇用契約書・労働条件通知書は依然として紙で取り交わされるケースが多く、パート・アルバイトの従業員が多くなると、この雇用契約書・労働条件通知書の更新作業に時間を割かれることになります。
また、保管についても紙の状態で保管されることとなり、紙の雇用契約書を店舗ごとに保管する企業も多いようです。個人情報を保管する上でもセキュリティ面に配慮した適切な管理が求められます。
さまざまな作業を電子化することで業務負荷を軽減するDXが進んでいますが、この業務の電子化も求められているようです。

2.紙帳票のメリットとデメリット

紙帳票が今でも大多数の現場で利用されている理由は、その手軽さにあります。使い慣れたレイアウトで見やすい、キーボード入力ではなく手書きでの署名・捺印もできる、コピーを取れば控えも渡せるなど、対面で話し合いながら契約締結を進めていくシーンだけを考えれば、紙帳票で十分問題ないと思います。
しかし、どんな種類の帳票でも、紙帳票のデメリットとして、製造・配布・回収・システム入力・保管に関わる人件費などのコストが挙げられます。また、この種の帳票は、「個人情報」となりますので、セキュリティに配慮した適切な回収方法や保管体制が求められ、これも高コストにつながります。
もう一つ、紙帳票のデメリットとして、記入漏れや記入不備のリスクがあります。記入項目が多く、内容が複雑になると、そのリスクはさらに高くなります。
契約した内容は、記入後、システムに登録して管理されます。最終的には、電子化して管理するケースが多いため、紙帳票でミスがあると、後に続く入力の負荷や入力ミスにもつながります。
最後に、契約が無事締結されたあと、企業側では原紙を保管します。上述したように店舗ごとに保管しているところもあるようですが、セキュリティを念頭に置いて考えると1カ所で保管する方が望ましいでしょう。ただし、1カ所に集める際の運送コストや運送時のセキュリティ管理は課題になります。 

3.帳票電子化のポイント

最終的にシステムに登録して管理せざるを得ないのだから、電子化が望ましいとは思いますが 、入力に時間がかかってユーザーの利便性を著しく損なうようであれば、電子化は進まないでしょう。また、電子化にかかる費用が紙帳票に比べて高すぎると、費用対効果がネックとなって電子化は進まないと思います。
「紙帳票の良いところ=記入の手軽さ」をどこまで電子化に反映できるかが、帳票電子化のポイントになると言えるでしょう。

紙帳票の良いところを反映した電子化のポイント例:項目ごとではなく、帳票全体を見られる

紙帳票の良いところを反映した電子化のポイント例:記入の手軽さ(キーボード入力ではなく、手書き記入からテキスト化できる)

4.最適な電子化手段

紙帳票の良いところを電子化に反映することで、ユーザーにとっても使いやすい電子化が実現できるでしょう。双方の良いところを組み合わせれば、理想的な電子化が可能になります。
ここでは、雇用契約書・労働条件通知書を中心にお話ししましたが、これらの他にも服務規則承諾書、雇用契約承諾書など、非正規労働者の雇用については、まだ必要な帳票があるようです。電子化の仕組みは複数ありますが、より多くの帳票業務に対応できる、つまり、対象となる紙帳票の種類を容易に増やすことのできる仕組みを選ぶことが、費用対効果が高まると言えるのではないでしょうか。

DNPでは、紙帳票をそのまま電子化する「DNPデジタル帳票配信・受信サービス」を提供しています。紙帳票と電子化の良いところを取り込んだシステムになっています。貴社の電子化の課題解決に、ぜひ本サービスの導入をご検討ください。

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