ICカード社員証を社内で作成(印刷・プリント)するメリットと方法

ICチップへの書き込みが可能なカードプリンターを導入することで、ICカード社員証を自社内で作成(印刷・プリント)できるようになります。本コラムでは社員証を社内で作成する方法やメリット、社員証を作る際の注意点についてご紹介します。

※こちらのページに記載されている内容は、2023年12月時点の情報です。

ICカード社員証を自社で作成(印刷・プリント)する企業が増加

ICカード社員証の普及により、鍵や現金を持ち歩くことなく出退勤の登録や扉の解錠、複合機の認証、食堂の精算などが可能になりました。これによりセキュリティレベルと利便性が大きく向上しています。
かつてはこれらの社員証を作成するためには外部の専門業者に依頼するのが一般的で、自社で作成するためには社員証作成用のプリンターの導入など高額な費用が必要でした。しかし近年では導入のハードルが下がり、カードの作成数量が少ない場合や作成頻度が高い場合にはカードプリンターを自社で導入することがコスト効率や作業効率の面で有利となってきています。

社員証を自社で作成(印刷・プリント)するメリット

自社で作成(印刷・プリント)する主なメリットは次の通りです。

コストを削減できる

自社で作成(印刷・プリント)することで外注する時よりもコストを抑えやすくなります。特に一度に作成する数量が数十から数百の場合はこの傾向が強くなります。外注では前準備や作業のコストも加味されるため、少量生産だと1枚あたりの単価が高くなります。

一度に作成する数量が数十から数百の場合や、不定期採用のように社員証作成の頻度が高い場合では、自社で作成するメリットを感じやすいと言えるでしょう。

即座に作成(印刷・プリント)できる

必要な枚数を必要なタイミングで社員証を作成できます。外注の場合は発注から納品まで少なくとも1~2週間程度かかるのが一般的です。社員証が届くまでの間は業務が滞ってしまうことも考えられます。

社内で作成できる体制を整えておけば、社員証を紛失したタイミングやICチップが故障したタイミング、不定期採用があったタイミングなどで人数分だけ新しい社員証を作成できます。

従業員の個人情報管理を社内で完結できる

社員証の作成(印刷・プリント)を社内で完結させると、従業員の個人情報を外部の事業者へ渡す必要がなくなります。個人情報漏洩のリスクを抑えられる点も、自社で社員証を作成するメリットです。

社員証作成(印刷・プリント)に最適なプリンターの選び方

カードの券面印刷やICチップに書き込みが可能なカードプリンターを導入することで、自社内で手軽に社員証を作成できます。カードプリンターで採用されている昇華転写印刷の方式は大きく以下の2つにわかれます。カード表面にICチップの凹凸があるICカードへの印刷には1の再転写印刷方式(昇華再転写方式)が選択されることが一般的です。

1.再転写印刷方式(昇華再転写方式)

再転写印刷方式の模式画像

印刷する画像を再転写フィルムに印刷し、熱(ヒートローラー)でこれをICカードへ転写(再転写)する方式です。ICカードへ直接印刷しないので、表面に多少の凹凸があるICカードへもきれいに印刷できます。カード表面の凹凸の影響を受けにくいため、デザインの自由度が高い印刷方式です。

上記の再転写印刷方式(昇華再転写方式)を採用したカードプリンターはこちら

2.ダイレクト印刷方式(昇華転写方式)

ダイレクト印刷方式の模式画像

ICカードに直接印刷する方式で、再転写印刷方式に比べてカードの印刷工程が少なく、ランニングコストを抑制できるメリットがあります。しかし、ICカードに直接印刷するため、ICチップの微細な凹凸や埃などにより印刷品質に影響を受けやすいというデメリットがあります。また、ICカードの素材によっては、インクが定着しないことや、カードの端部に印刷できない点にも注意が必要です。再転写印刷方式とは異なり再転写フィルムが不要なためランニングコストを抑制できる一方、制約が多い方式と言えます。

社員証を作成する際の注意点

ここからは、社員証を作成する際に気を付けたいポイントを解説します。

1.正確な情報の入力

社員証には、社員の名前、社員番号、部署名、役職などの情報を正確に記載することが重要です。誤った情報が記載されていると、社員の識別が難しくなり、セキュリティ上の問題を引き起こす可能性があります。

2.高品質な写真の使用

社員証には、はっきりと社員を識別できる写真を使用することが必要です。写真はクリアで、適切な照明と背景で撮影することが望ましいです。また、定期的に写真を更新することも重要です。

3.デザイン

社員証のデザインは、企業のブランドイメージを一貫して表現することが重要です。また視覚的にわかりやすく、情報が一目で理解できるようなシンプルなものが望ましいです。デザインの過程では、社員証のサイズや素材、耐久性も考慮に入れ、長期間にわたって使用できるようにすることも重要です。

4.個人情報保護

社員証には、社員の個人情報が含まれます。これらの情報は、不正利用を防ぐために適切に保護されるべきです。情報漏洩を防ぐためのセキュリティ対策を考え、社員証の取扱いについてのガイドラインを設けることが重要です。

5.作成・管理プロセスの確立

社員証の作成、配布、更新、再発行など、全てのプロセスについて明確なルールを設けることが重要です。これにより、社員証の管理がスムーズに行われ、混乱を避けることができます。

6.有効期限の設定

社員証には有効期限を設定することが推奨されます。これにより、社員の在籍状況を確認し、不要な社員証を無効化することができます。

まとめ

ICチップへの書き込みが可能なカードプリンターを導入することで、ICカード社員証を自社内で作成できるようになります。おすすめの印刷方式は表面に多少の凹凸があるICカードへもきれいに印刷可能な再転写印刷方式です。自社内で社員証を作成するメリットは、コスト削減、必要なタイミングでの印刷、個人情報の社内管理が可能になることです。特に、少量生産や作成頻度が高い企業にとっては、外注よりも自社で作成した方が経済的かつ効率的です。

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