生活空間インテリア・デザインレポート 話題の国内ホテル編 Vol.6
ご好評いただいている「デザイン トレンドレポート ホテル」。第6弾は横浜と東京のホテルをご紹介いたします。ホテルのコンセプトやデザインの背景をご紹介するとともに、筆者視点でインテリアのポイントやコーディネートについてご紹介します。
※2024年10月時点の情報です。
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・自然環境、横浜とのつながりを感じられるデザイン
・多様なウェルビーイングを促す空間
・木質に包まれたエレガントな客室
Point of Materials
木質・石・金属・ファブリックなど
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・渋谷の多様性・二面性を表現したアート
・長期滞在にも適した多様なサービス
・ブルーの建具がアクセントになった客室
Point of Materials
木質・石・ガラス・ファブリック・など
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・シンプルさと持続可能性を兼ね備えたデザイン
・タイムレスでミニマルな客室
・北欧と日本の感性が融合したスタイリッシュモダンなスタイル
Point of Materials
木質・石・金属・ファブリック・など
- ウェスティンホテル横浜
www.westinyokohama.co.jp
住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい4丁目2-8
TEL: 045-577-0888
アクセス:みなとみらい線みなとみらい駅出口1から徒歩約6分
マリオット・インターナショナルが展開する30以上のホテルブランドの一つ、ウェスティンホテル&リゾートは、2022年6月13日にウェスティンホテル横浜を開業しました。館内のデザインはロンドンの大手建築設計事務所のG.Aデザインが担当。「コネクション(繋がり)」をテーマに、貿易港として長年繫栄してきた横浜の土地柄や自然環境との繋がりを表現し、2023年にグッドデザイン賞を受賞しています。外装に関しても「第65回神奈川建築コンクール」の一般建築部門において、優秀賞を受賞しました。基本設計は株式会社日本設計、施工は株式会社竹中工務店が担当しています。
01-1. 自然や横浜とのつながりを感じられるエントランス
ホテルの外観は「風にたなびく帆船」をイメージしたデザインです。庇の層が一つずつ積み重なっていく様が美しく、横浜の空に向かって優雅にそして力強く航海をしているようなシーンを想起させる景観でした。庇の生み出す深い陰影は、表情豊かな外観をつくるとともに、内部に柔らかく光を取り込むことで、“ウェルビーイングなホテル”というコンセプトを体現しているそうです。またホテルのエントランスではグリーンウォールがゲストを迎えます。ホテルのコンセプトの一つである「コネクション」から、自然とのつながりを感じられる場所となっています。
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ホテルの1階エントランスに入ると、凛とした静寂につつまれたロビーが広がります。水盤に浮かんでいるオブジェ「Voyage」は、広い海へと航海に旅立つような姿をイメージしているそうです。そのほか灯篭を想起させる照明など、和の要素を感じるモダンな空間でした。リラックス感を促す自然の要素と、港町横浜を連想させるシャープで重厚な鋼と金属の要素を共存させているそうです。エレベーターホールの壁面には銀杏の葉が象嵌細工で表現されていました。ホテルから海に向かって一直線に伸びる「いちょう通り」から由来しています。
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01-2. 森林浴をイメージしたシャンデリア
23階のロビーに到着すると、明るく開放的な空間が広がります。レセプションデスクの壁面にはグリーンウォールが設えられ、森林浴をテーマにしたシャンデリアが空間を華やかに彩っています。ゆるやかな曲線を描いた窓際の装飾やパーティションのほか、レセプションデスクも丸みを帯びた形状で、空間を優しい印象でまとめています。またエレベーターホールを挟んでロビーの反対側にはスカイガーデンがあり、植栽の爽やかな空気からウェルビーイングの要素を感じることができました。
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ウェスティンホテル&リゾートは、10年以上にわたりホスピタリティにおけるウェルネス分野を世界的に牽引し、ブランドのウェルビーイングを構成する6つの柱、Sleep Well、Eat Well、Move Well、Feel Well、Work Well、Play Wellを掲げています。ウェスティンホテル横浜では、ホテルでの滞在を通し、多様な視点からウェルビーイングなライフスタイルを体験することができます。ロビーフロアでは、特にFeel Wellを感じられるスペースになっていました。
01-3. 自然や横浜らしさを感じられる客室
ウェスティンホテル横浜は全373室の客室を有しています。客室内は自然界で見られる形状を多く取り入れ、港町である横浜らしさを感じられるデザインになっています。
下の画像はデラックスキング(42m2)の客室です。ホワイトのファブリックやマーブルのテーブルが空間に明るさを与え、ブルーのアクセントカラーは横浜の海を想起させます。ベッドサイドのランプが左右異なるデザインが設えられ、歴史や文化が交錯する横浜らしさを感じられるコーディネートでした。
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フロアや壁面、ドアにはオーク材を使用しています。特に壁面からクローゼット、建具にかけて同じ木質素材で構成することで、空間全体から木質のあたたかみを感じられました。またミニバーや家具にはエレガントなカーブを描いたデザインを採用し、空間全体がエレガントな印象でした。
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ウェスティンホテル横浜では、消費エネルギーを極力抑えるべく、全ての客室の温度を検知し、使用電力を必要最低レベルに管理する最新型のセンサーを導入しています。客室内の照明は調光が可能で、時間帯や過ごし方に合わせて照明を調整できるだけでなく、省エネにも貢献しています。またペットボトルを最大限に排除し、世界で最もサステナブルなノルダック・プレミアムウォーターを館内でリサイクルボトルに瓶詰し提供しています。さまざまな視点からウェルビーイング、サステナビリティに取り組んでいることを感じることができました。
下の画像は84m2の広さを持つエグゼクティブスイートです。そのほかの客室と同様に、木質のあたたかみを感じられる空間ですが、グロッシーなメタル素材のテーブルが映え、よりラグジュアリーさを感じられる空間になっています。このテーブルは職人が一つ一つ丁寧に仕上げた銅板のテーブルで一部の客室に設えられているものです。
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ベッドは、ウェスティンホテルの代名詞ともいえるヘブンリーベッドの次世代モデルを全室で採用しています。また全室を通し、ベッドサイドには「ラベンダーバーム」が用意され、五感を通し快適な眠り、Sleep Wellを体験することができます。さらにベッドサイドのドレッサーには、ジュエリーボックスが置かれているのも印象的でした。
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01-4. 多様なウェルビーイングを体験できるサービス
画像左は22階に設けられたクラブラウンジです。上質な家具に囲まれた空間で、ドリンクや軽食を楽しみながらEat Wellが体験できる場所です。画像右は屋内プールです。5階のウェルネスフロアには屋内プールのほか、ジム、サウナ、スパが完備されています。プールエリアは外気浴ができるテラスにもつながっています。まさしくMove Well & Feel Wellを体感できる場所となっていました。
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画像左は23階に位置しているシグネチャーレストラン「アイアン・ベイ」です。長年、鋼鉄の貿易港として栄えた横浜港に由来したこのレストランでは、炎・煙・炭をテーマとしたグリル料理を提供しています。画像右は3階に位置している日本料理のオールデイダイニング 喫水線です。店内の天井には、横浜港にとって主要輸出品であった生糸の織り機をイメージした木組が施されています。五感で横浜らしさを感じながらEat Wellを体験できる場所となっています。
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- ハイアット ハウス 東京 渋谷
hyatthousetokyoshibuya.com
住所:東京都渋谷区桜丘町3−3
TEL: 03-5428-3898
アクセス:最寄り駅はJR、東京メトロ、私鉄各線 渋谷駅
ハイアットのホテルブランド「ハイアット ハウス」の東京初進出となる「ハイアット ハウス 東京 渋谷」が2024年2月26日に開業しました。100年に⼀度とも⾔われる渋⾕駅中⼼地区の再開発プロジェクトにおける主要施設の⼀つ、「SHIBUYA SAKURA STAGE」内に位置し、客室はスイート18室を含む全125室を有しています。コンセプトは「暮らすように泊まる」。全室にキッチンや洗濯乾燥機といった家電などが完備されています。渋谷の多様性を表現した館内のインテリアデザインは株式会社GARDEが手掛けています。設計は戸田建設株式会社、施工は鹿島・戸田建設共同企業体が担当しています。
02-1. 明るく爽やかなロビーフロア
エレベーターでロビーフロアに上がると、明るい空間が広がります。小石の版築で構成された壁面と木質素材が柔らかに調和し、ホテルのロゴにも使われているブルーのアクセントカラーが爽やかな雰囲気をつくりだしてしています。ロングカウンターが特徴的でレセプションからバーエリアに繋がり、気軽にレセプションスタッフやゲスト同士で交流できるソーシャルな場所になっています。
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画像左はHバー、画像右は24時間営業のHマーケットです。このマーケットでは、お菓子や飲み物、渋谷にちなんだ商品など地域の個性を感じられる商品を取り揃えています。冷凍食品も幅広く取り扱っていて、客室のオーブンレンジで調理することが可能です。また渋谷にある人気のインテリアショップ「Gallery1950」とのコラボレーションによるハイアット ハウス のオリジナル のウォッシャブルスリッパなども販売されています。
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02-2. 渋谷の多様性・双方性を表現したアート作品
館内では渋谷の多様性・双方性を表現した8名のアーティストによる作品を見ることができます。左の画像は、桜丘のまちの特徴の一つでもある「音楽」をテーマにした藤本由紀夫のオルゴール作品「V.-6-GREEN」です。右の画像は、今年逝去した三島喜美代のセラミック作品「Box Coca Cola Zero 22-3」「Newspaper 20-6」です。
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02-3. 長期滞在にも適した多様なサービス
ロビーフロアには、充実した滞在をサポートするさまざまなサービスが展開されています。画像左は、ガラス張りの窓から屋外の庭園を眺めながら小規模なミーティングや展示などの用途で利用できるマルチファンクションルームです。外にはルーフトップガーデンテラスがあり、渋谷という都市の真ん中に居ながらも、喧騒を忘れてリフレッシュできるスペースになっています。
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続いて、左の画像は宿泊者専用のビジネスポッドで、ゆっくりとくつろいだり、静かに仕事をすることができるスペースです。画像右は、同じくロビーフロアに完備されている屋内プールです。約15mのプールとジャグジーも用意されていて、渋谷の街並みを眺めながらリラックスすることが可能です。館内にはフィットネスセンターも完備されています。
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02-4. ブルーのドアがアクセントになった明るい客室
客室は全室、キッチン・洗濯乾燥機・バスタブ付きで、32m2以上の広くて快適な居住空間になっています。レジデンシャルライクな機能性と、ホテルライクなラグジュアリーさを融合させた空間になっています。下の画像は32m2のキングルームです。
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各客室には調理器具や食器が揃ったキッチンが完備され、自分好みの料理を自宅にいるかのように楽しむことができます。ドラム式洗濯乾燥機は、滞在中に自室で洗濯・乾燥まで行うことが可能です。コンパクトでありながら、長期滞在も自分の自宅のように快適に過ごすことができる機能が充実しています。1カ月以上の長期滞在のゲストは愛犬(10kg以下の小型犬)と一緒にホテルステイも可能だそうです。
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バスルーム、洗面スペースはブルーの引き戸で空間が間地切られています。ホワイトカラーの木質に包まれた空間に、グレイッシュなブルーカラーの扉が空間のアクセントになっています。框のガラス入りのデザインは、北欧スタイルのニュアンスを感じさせます。下の画像は53m2のプレミアムキングルームです。
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下の画像は64m2のスイートキングルームです。キッチンの前にはダイニングテーブルが設えられ、レジデンシャルライクな間取りになっています。壁面に設えらえたミラーが空間をより広く感じさせます。またダイニングテーブルの上にコーディネートされたペンダントライトが北欧スタイルのエッセンスを加えています。
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下の画像は85m2のデラックススイートです。リビングとダイニングは木目柄のフローリングと石目柄のタイルが敷き分けられ、空間のメリハリを感じます。ソファやチェアに取り入れられたブルーとイエローのファブリックは、反対色のコーディネートで互いのカラーを美しく映えさせ、空間を華やかに彩っていました。
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- ホテル虎ノ門ヒルズ
hoteltoranomonhills.jp
住所:港区虎ノ門2-6-4 虎ノ門ヒルズ ステーションタワーTEL: 03-6834-5678
アクセス:東京メトロ日比谷線「虎ノ門ヒルズ」駅直結 /東京メトロ銀座線「虎ノ門」駅直結
ハイアット ホテルズ コーポレーションは、ハイアットのインディペンデント・コレクション・ブランド「アンバウンド コレクション by Hyatt」の東京初進出として、2023年12月6日にホテル虎ノ門ヒルズを開業しました。日比谷線「虎ノ門ヒルズ」駅から直結し、日本のグローバルビジネスセンターに位置する絶好のロケーションです。全客室と料飲施設を含む、館内全てのインテリアデザインは、今回が日本における初プロジェクトとなるデンマークのデザイナーユニット「スペース・コペンハーゲン(Space Copenhagen)」が担当。「Slow Aesthetics(ゆったりと時が流れる美学)」と「Less is More(少ない方が豊か)」の融合をコンセプトにしています。設計は森ビル株式会社 一級建築士事務所、施工は鹿島建設株式会社が担当しています。
03-1.活気のあるレセプションエリア
ホテルのレセプションは「ル・プリスティン カフェ 東京」と隣接し、活気のあるエリアとなっています。外光がたっぷり降り注ぐため、昼夜で空間の表情が変わるのもポイントです。画像の左奥にあるのがフロントデスクです。ブラックカラーの木質で構成されたスタイリッシュな空間でした。
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左の画像はレセプションエリアから客室に向かうエレベーターホールです。館内のいたるところで見られるアートワークはICA (Interculture Art Inc.)が手掛けています。
11階~14階の客室廊下(画像右)は、日本の伝統的な赤を意識したそうですが、派手過ぎず心地良いあたたかみを感じる空間でした。ゆったりとした幅で廊下が構成されているため、落ち着いた雰囲気を促しています。また一定の間隔で設えられた間接照明が日本らしさも、北欧らしさも感じるようなデザインでした。
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03-2.タイムレスでミニマルな客室
全205室の客室もスペース・コペンハーゲン(Space Copenhagen)がデザインを手掛けています。ミニマルなインテリアデザインは、「Slow Aesthetics(ゆったりと時が流れる美学)」と「Less is More(少ない方が豊か)」というコンセプトを融合させ、ゲストが気軽にくつろいだり、仕事をしたり、交流できる空間を演出しています。 シンプルさと持続可能性を兼ね備えたデザインは、天然素材を多用し、ゲストが虎ノ門というアクティブな街と関わるなかで、客室に入ると心が落ち着き、自宅に帰ってきたような感覚を大切にして設計したそうです。触れることで心地良さを感じる素材やディテールにこだわり、「タイムレスでミニマルな客室空間」を表現しています。
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明るいカラーの木質フロアに対し、ドアやヘッドボードにはグレーの木質を使っています。木質のぬくもりを感じながらも、メリハリのあるコーディネートが空間をスタイリッシュにまとめています。さらにカウンターに設置されたルーバーにより、ゆるやか空間を仕切り、さりげなくシーンを分けているように感じました。
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環境に配慮したホテルとして、飲料水を提供する浄水器専用の水栓を全室に完備しています。館内では積極的にリサイクルに取り組み、バスアメニティにはオーガニックの国産ブランドNEMOHAMOを使用しています。また、虎ノ門ヒルズの街区に導入されたエネルギーセンターからの効率の高いエネルギー活用に加え、ホテルを含む建物全体で使用される電力は全て「RE100」に対応した再生可能エネルギーを使用しているそうです。
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こちらはホテルのトップスイート「虎ノ門スイート」(160m2)です。2層構造の客室には1階部分にリビングルーム、ミーティングおよびダイニングスペースとキッチン、2階部分にはベッドルームと浴室が完備され、宿泊を伴わないイベント利用も可能です。
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ミニマルで、意味を持つデザインは「コンフォート・ファースト」 をコンセプトに、流行に左右されないタイムレスでミニマルなインテリアデザインになっています。
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日本が持つミニマルな美の感性は、北欧とも深い親和性があり、近年は両者を融合させたジャパンディ(ジャパン+スカンジナビア)が世界的にもトレンドになっています。スペース・コペンハーゲンが考える、日本、虎ノ門という場所を意識した空間デザインから、ジャパンディの新しいインテリアの潮流を感じることができるでしょう。
03-3. 充実したサービスを提供するゲストラウンジ
ホテル内にはエアポートラウンジを彷彿とさせる「The Lounge (ザ・ラウンジ)」があります。総床面積350m2に及ぶスペースには、早朝到着する宿泊ゲストのためのシャワーブースやリラクゼーションルームのほか、ミーティングルームを完備しています。天井高が6mもある開放的なラウンジは、東京の景色を臨みながら快適に過ごすことができます。
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03-4. 食とアートが融合した話題のレストラン&カフェ
ホテル1階のレストラン&カフェ「ル・プリスティン東京」は、欧州でミシュランの星を長年獲得し続けるセレブリティシェフ、セルジオ・ハーマンが手掛ける美食の注目スポットです。ル・プリスティンのDNAである5つのエレメント、「食」「ファッション」「デザイン」「アート」「音楽」が混然一体となる没入型ガストロノミーを、セルジオの出身地、オランダ・ゼーラント地方と日本の厳選された旬の食材を融合させた「NEW ITALIAN」と称するオリジナルスタイルの料理で提供しています。
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レストラン内にはオランダ出身のアーティスト、マーティン・バース が手掛けたレセプションデスクや照明器具が設えられています。工業用粘土でハンドメイドされた「クレイ」シリーズのレセプションデスクは、芸術的な脆さを表現し、スチールフレームには手形が刻まれています。煌めくディスコボール「ケル・フェット(Quelle Fête)」はアートとデザインの架け橋となり、日常生活や大衆文化からインスピレーションを得るオランダのアート集団、ロットガンゼンによってハンドメイドされています。 独特のフォルムで遊び心を感じさせるデザインは、空間のアクセントになっています。
まとめ&編集後記
ご紹介した3つのホテルのコンセプトやデザインはそれぞれ異なりますが、いずれも明るい木質をベースにしたエレガントな空間が広がっていました。ホテルの位置する土地の歴史や文化を表現しながら、ゲストが快適な時間が過ごせるような空間がデザインされています。インテリアコーディネートとしては、ぬくもりを感じるすっきりとした木質をベースに、メタルや石など硬質な素材を組み合わせ、空間に程良いメリハリを感じました。硬さ・柔らかさ、あたたかさ・冷たさといった相対する印象を組み合わせたインテリアは、年間を通し暗くて寒い日が多く、自宅で過ごす時間が長い北欧インテリアが得意とするコーディネートのポイントです。またデコラティブになりすぎず、余分なものをそぎ落とした美の感性は日本が得意とするところです。このように北欧と日本のテイストを融合させたジャパンディは文中でもご紹介したとおり、現代のインテリアにおける主要なトレンドの一つとして、これからも注目していきたいと思います。
- 取材、撮影 & テキスト
Chihori Kunito (大日本印刷株式会社 生活空間事業部)
大学・大学院で心理学・認知科学・色彩心理学などを学ぶ。学生時代は内装の色彩が人間の心理に与える影響や、肌がきれいに見える壁紙の色彩などについて研究。日本色彩学会 2011年学会大会にて発表奨励賞を受賞。2012年DNPグループに入社し、壁紙の企画デザインを担当。2016年より現在の部署にて、ミラノサローネなどの海外展示会や北欧のライフスタイルをリサーチし、トレンド情報を発信するセミナーやWebでのレポート記事を執筆している。関連資格:インテリアコーディネーター、プロモーショナルマーケター
DNPではホテルの客室扉にお使いいただけるELLIO、客室扉にお使いいただけるWSサフマーレなど幅広い製品・サービスをご提供しています。ELLIOやWSサフマーレに関する詳細は下記よりご覧いただけます
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