教育施設の建築デザインに求められるものとは?「豊かな感性」と「機能性」を両立させる素材選び
教育施設は、子どもたちが一日の大半を過ごし、多くのことを学び取る場所です。その建築デザインには単なる「箱」としての機能だけでなく、子どもの感性を刺激し、地域社会とつながる場としての役割が期待されています。
一方で、設計の現場では「理想のデザイン」と「長期的な運用を支える耐久性能」という相反する課題に直面することも少なくありません。このコラムでは、これからの教育施設に欠かせない視点と、それを支える素材選びの重要性について解説します。そして、デザイン性と耐候性を有し、教育施設でも多く採用されている「DNP内・外装焼付印刷アルミパネル アートテック®」の特徴も紹介します。
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INDEX:
教育施設の建築デザインにおける2つの考え方
(1)安全・安心な環境の確保
(2)学習形態の多様化への対応
これからの学校建築に求められるデザイン要素
ソフト面(1)子どもの愛着を育む「居場所」としての学校
ソフト面(2)地域社会との交流を促す開かれた仕掛け
ハード面(1)感性を刺激する「質感」を生かした素材選び
ハード面(2)アイデンティティを形成する「地域性」の表現
さまざまなデザインニーズに対応可能なアートテック
自然素材の温かみをリアルに再現する高い意匠性
激しい使用や経年劣化に強い耐久性と低メンテナンス性
震災時などの安全性を高めるアルミの軽量性
教育施設にアートテックが用いられた事例紹介
こどもでぱーと 中野
こどもでぱーと たまプラーザ
東洋大学 赤羽台キャンパス
立正大学 品川キャンパス150周年記念館
山梨学院大学 新食堂棟
まとめ
教育施設の建築デザインにおける2つの考え方
教育施設の設計に重要なのは「安全性」と「学びの形」の2つです。この基本原則は時代の変化とともに、より深い配慮が求められるようになっています。
(1)安全・安心な環境の確保
教育施設で何よりも優先すべきは「安全性」です。子どもたちの命を守るためには、地震や火災などの災害対策はもちろん、防犯の視点も欠かせません。
また、物理的な安全だけでなく、心理的な安心感も重要です。例えば、高い塀で学校と外部を分断するのではなく、周囲からの視線が適度に通るオープンな設計にするといった工夫が考えられます。街の人や先生の目が自然に届く状態を作ることで、子どもたちに安心感を与えると同時に、犯罪の抑止にもつながります。
(2)学習形態の多様化への対応
現代の教育は、先生の話を一方的に聞くスタイルから、生徒が自ら調べて話し合うアクティブ・ラーニングへと変化しつつあります。また、デジタル化に伴い、多様な学習形態が用いられるようにもなりました。こうした教育現場での変化に対して、建築デザインにも柔軟性が求められています。例えば、壁を取り払ったオープンスペースや、図書室と廊下が一体化した空間など、場所を限定しない「学びの場」の構築が必要となるでしょう。
これからの学校建築に求められるデザイン要素
学校をはじめとする教育施設には、子どもたちの豊かな感性を育むデザインも必要です。ここでは、ソフト面とハード面、それぞれの視点から求められる要素を見ていきましょう。
ソフト面(1)子どもの愛着を育む「居場所」としての学校
これからの学校は、単なる「施設」ではなく、子どもたちが愛着を持ち、「自分の居場所」となるデザインが重要です。例えば、木目といった温かみのある質感を積極的に取り入れることも工夫のひとつとなるでしょう。
内装の木質化は、その香りによってリラックスや癒やしの効果をはじめ、免疫力アップも期待できます。学習に対する集中力や活動力を高めるだけでなく、場所に対する愛着心を高めることもデータから立証されています。
ソフト面(2)地域社会との交流を促す開かれた仕掛け
教育施設は多世代が関われる場所であり、地域における重要な公共インフラです。近年では、教育施設が街づくりの中心となり、地域コミュニティの核としての役割を担う事例も増えてきました。そのため、生涯学習の拠点として住民が気軽に立ち寄れる「開かれたデザイン」が推奨されるようになっています。
地域に開かれた設計手法は、多世代交流を通じて子どもの社会性を育む効果が期待できます。多くの目が子どもたちへと自然に行き届くことで、防犯機能が高まるといった相乗効果も生み出すでしょう。
ハード面(1)感性を刺激する「質感」を生かした素材選び
子どもの感性を育むために、ハード面で意識したいのが「素材が生み出すコントラスト」です。近年の研究では、視覚だけでなく触覚や嗅覚などの五感をバランスよく刺激することが、子どもの脳の発育や情緒の安定に寄与すると考えられています。
例えば、無機質で滑らかなコンクリートの壁面に、あえて凹凸のある温かな木目調の素材を組み合わせる手法が考えられるでしょう。素材同士の対比によって、空間に「硬い・柔らかい」「冷たい・温かい」といった情報のメリハリが生まれます。多様なテクスチャをデザインに組み込むことが、子どもたちの好奇心を呼び起こし、質の高い学習環境の創出につながる可能性を秘めています。
ハード面(2)アイデンティティを形成する「地域性」の表現
地域の伝統的な文化や素材を建築に取り入れることで、建物に「この場所ならでは」の個性が宿ります。学校が地域のシンボルとして親しまれることは、地域コミュニティの核として機能するきっかけとなります。
やがて子どもたちと地域住民との間に日常的な接点が生まれていけば、子どもたちは自分の街に誇りを持つと同時に、地域の課題を「自分たちの身近な問題」としてとらえる視点を養えるでしょう。
地域社会との地続きの体験こそが、子どもたちの健やかな主体性を育み、確かなアイデンティティの形成に大きく寄与します。
さまざまなデザインニーズに対応可能なアートテック
教育施設における理想的なデザインの実現にあたっては、自然素材のメンテナンスの難しさや重量などが壁となります。この課題を解決し、設計の自由度を広げる素材となり得るのがDNPの内・外装焼付印刷アルミパネル「アートテック」です。
自然素材の温かみをリアルに再現する高い意匠性
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アートテックのマテリアルシリーズ |
アートテックは、高精細な印刷技術によって、木目や石目といった自然素材の表情を忠実に再現可能です。
例えば、「木目柄」は単に木の色をしているだけでなく、微細な凹凸やツヤの調整によって木材の質感を追求しています。本物の木材を切り出したような温かみを持ちながら、工業製品ならではの安定した品質を両立して、設計者のこだわりを細部まで形にできます。
激しい使用や経年劣化に強い耐久性と低メンテナンス性
多くの人が出入りする教育施設では、建材に高い耐久性が求められます。また、公共性の高い施設である以上、メンテナンスコストの抑制も重要な課題です。
アルミ基材に強力なフッ素焼付塗装を施したアートテックは、高い耐候性能が特長です。外部での使用に適したアルミをベースにしているため、自然素材と比較して腐食やさびに強く、塗り替えの頻度を大幅に減らせるでしょう。美観を長く保ちながらライフサイクルコスト(LCC)削減を期待できます。
震災時などの安全性を高めるアルミの軽量性
教育施設の安全性を語る上で「軽量であること」は重要な要素です。アルミは、鉄やコンクリートと比べると圧倒的に軽い素材です。外装や天井に軽量なアルミパネルを使用することで、建物全体の自重を大幅に軽減できます。
建物が軽くなれば、地震が発生した際に建物に加わるエネルギーを抑えられるため、柱や梁(はり)といった構造体への負担が減るのが大きなメリットです。また、万が一パネルが脱落するような事態が起きても、軽量であれば重大な事故につながりにくいでしょう。
アルミ素材の「軽さ」こそが、教育施設に不可欠な安全性を高めるための大きな強みとなります。
教育施設にアートテックが用いられた事例紹介
実際にアートテックがどのように教育の現場で活用されているのか、具体的な事例を見ていきましょう。
こどもでぱーと 中野
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こどもでぱーと 中野の外観 |
教育や子育てサービスをワンストップで提供するこの施設では、子どもたちがのびのびと成長できる環境づくりが徹底されています。アートテックは、その象徴となる「あたたかみと親しみやすさ」を演出する素材として採用されました。
外観には、誰もが一目で「こどもでぱーと」と認識できる「家型」のアイコニックなデザインが取り入れられています。また、歩行者の目線となる低層部のエントランス周りには、植栽とともに木目柄のアートテックを配置しました。象徴的な門構えに豊かな木質感を与えることで、訪れる親子を優しく迎え入れる居心地の良い空間を作り出しています。
関連ページ:アートテック採用事例 こどもでぱーと 中野
こどもでぱーと たまプラーザ
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こどもでぱーと たまプラーザの外観 |
駅からほど近い位置にある利便性の高いこの施設では、都会的な環境にありながら、子どもたちが落ち着ける「木の温もり」がデザインの軸となりました。ここではエントランスファサードに、木目柄のアートテックが使用されています。
本物の木材のような柔らかい質感を再現することで、登園する子どもや保護者がホッとできる優しい空間を演出しています。
関連ページ:アートテック採用事例 こどもでぱーと たまプラーザ
東洋大学 赤羽台キャンパス
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東洋大学 赤羽台キャンパスの外観 |
隈研吾氏が設計に携わったこのキャンパスは、学生の感性を豊かにすることをコンセプトに設計されました。
そのなかでアートテックは窓の開口部に採用されています。アルミエキスパンドメタルと組み合わせたランダムな開口部が、深い陰影と「街並み」のようなリズムを生み出しています。素材であるアルミの素地を生かした表現と自然光による景観の変化が、学生の感性を刺激する空間を作り上げました。
関連ページ:アートテック採用事例 東洋大学 赤羽台キャンパス
立正大学 品川キャンパス150周年記念館
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立正大学 品川キャンパス150周年記念館の外観 |
150周年記念事業として整備されたこのキャンパスでは、旧校舎の記憶を継承しつつ、新たなシンボルを創出することが求められました。そこで新設されたのが、増築した13号館と既存の11号館を一体化したエントランスゲートです。
アートテックは、新たな顔となるエントランスゲートの直射日光と雨が直接かかる部分に使用されました。木目が印象的なエントランスにおいて、内部シートと連動し、素材の違いを意識させない意匠の再現性が高く評価されています。
関連ページ:アートテック採用事例 立正大学 品川キャンパス150周年記念館
山梨学院大学 新食堂棟
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山梨学院大学 新食堂棟の外観 |
「食とコミュニケーションと学びの場」をコンセプトにした新食堂棟では、大きな庇(ひさし)の下に開放的なテラス席が設けられています。ここでは既存建物との調和を図りつつ、温かみのあるデザインを実現するために、ガラスパネルとの組み合わせで木目柄のアートテックが導入されました。
1階から2階へと続く開放的な窓と内装用シートに合わせた木目のアートテックが豊かな彩りをもたらしています。
関連ページ:アートテック採用事例 山梨学院大学 新食堂棟
まとめ
教育施設の建築デザインは、単に機能を満たすだけでなく、そこで過ごす子どもたちの未来を創造する仕事です。一方で、「自然素材の温かみで感性を育みたい」という理想と「長く安全に使い続けられる」という機能性を両立させなければなりません。
これらの一見相反する課題を解決するためには、これまでの素材選びの枠組みを超え、自然素材に代わる新しい選択肢も視野に入れる必要があります。自然素材に代わる有力な選択肢となるのが、DNPのアートテックです。アートテックはアルミが持つ「軽さ」や「メンテナンスのしやすさ」に加え、高精細な印刷で自然素材と違和感のない質感を持つ内・外装焼付印刷アルミパネルです。
表現の自由度を大きく広げるアートテックという選択肢を、ぜひこれからの教育施設づくりにお役立てください。
【参考】出典元
学校施設整備指針:文部科学省
これからの教育施設に求められるイノベーション・コモンズの考え方と空間設計のポイント | 資料・コンテンツ | ITOKI
建築家が学校建築のデザインを手がける意味と可能性|新しい学校建築のデザイン|AGC Glass Plaza
内装木質化した建物事例とその効果|林野庁(PDFが開きます)
事例で見る、地域や社会との共創を生み出す学校建築とは(前編)| 学校施設整備・活用のための共創プラットフォーム CO-SHA Platform
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2026年2月現在の情報です。
*アートテックは、DNP大日本印刷の登録商標です。
